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- がん細胞だけを狙い撃ちする!光免疫療法とは
日本人の死因1位「がん」。今注目されているのが、安全で効果が高く、体への負担が少ない「光免疫療法」です。がん細胞だけを狙い撃ちして、転移や再発を抑える効果も期待できる最新治療について、開発した医師の小林久隆さんにお聞きしました。
教えてくれた人:小林久隆(こばやし・ひさたか)さん
1961(昭和36)年、兵庫県生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。米国国立衛生研究所・国立がん研究所(NIH・NCI)分子イメージングブランチ主任研究員。光免疫療法の研究・開発によりNIH長官賞などを受賞。2022年から関西医科大学附属光免疫医学研究所所長・特別教授も務める。著書は『がんを瞬時に破壊する光免疫療法』(光文社新書)など。
がん細胞だけを狙って攻撃する光免疫療法
医師の小林久隆さんが開発した光免疫療法は、光に反応する薬を投与し、薬ががんに十分集まったところで近赤外線を照射して、がん細胞だけを破壊します。薬には、狙ったがん細胞に結合する“抗体”と光に反応する“IR700”という物質が含まれています。
抗体はがん細胞にIR700を届ける、いわば運び屋。IR700は体に無害な物質ですが、近赤外線の照射を受けると光化学反応を起こして、がん細胞を狙い撃ちします。
「がん細胞の膜に小さな穴が開き、そこから周囲の水が流れ込んでくるため、がん細胞はグーッと膨れ、風船が割れるように破裂します。顕微鏡で見ると、このような反応がわずか20~30秒のうちに起こるのです。最初に見たときは本当に驚きました」(下の写真参考)
光免疫療法で近赤外線を2分間照射した結果、がん細胞(丸囲み部分)はしぼんで細胞の影が消えていた。一方、正常細胞には変化が見られなかった。
光免疫療法で免疫細胞の働きも活性化
光免疫療法には...
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