今こそ知りたい50代からのデリケートゾーンの話#9

【フェムケアQ&A】小陰唇のたるみ・黒ずみが気になる…どうすればいい?

【フェムケアQ&A】小陰唇のたるみ・黒ずみが気になる…どうすればいい?

更新日:2025年11月13日

公開日:2024年08月15日

フェムケアQ&A|小陰唇のたるみ・黒ずみが気になる

小陰唇のたるみや黒ずみについて、対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座 院長・石山尚子さんが、年齢変化の背景と対処法をわかりやすくQ&Aでご紹介。

教えてくれた人:産婦人科医・石山尚子(いしやま・なおこ)さん

石山尚子さん

日本産婦人科学会専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務を経て2007年より女性医師・スタッフによる女性のためのクリニック、対馬ルリ子 女性ライフクリニック 銀座に勤務。2021年より院長。

まず知っておきたい:「小陰唇」とは?どこのこと?

小陰唇(しょういんしん)は、外陰部にある左右一対の薄いひだ(皮膚)です。外側のふくらみである大陰唇の内側に位置し、尿道口と腟口の周りをやさしく囲う“内側のひだ”のこと。役割は、尿道口・腟口を乾燥や摩擦から守り、分泌物の通り道を保護すること。色や厚み・長さには大きな個人差があり、左右で形が違うことも一般的です。

  • 場所の目安:おへそ側から見て「恥丘→大陰唇(外側のふくらみ)→小陰唇(内側の薄いひだ)→腟口→肛門」の順に並びます。
  • 見え方:立位・座位・体型・照明で見え方は変化します。鏡を低い位置に置き、膝を軽く開いて正面からではなく少し下側から見ると把握しやすくなります。

石山尚子さんの回答:まずは日頃のケアを。専門的な治療もあります

切除手術もありますが、基本は気にしすぎないこと

小陰唇の大きさや形、左右差にはもともと個人差があります。更年期以降は女性ホルモンの低下で張りや柔軟性が落ち、一般的には萎縮して小さくなる傾向があります。一方で、加齢や炎症、長年の摩擦などが重なり、形や左右差が気になってくることも。

日常で擦れて痛い、下着に引っ張られてしみる、性交渉で巻き込まれて痛い、見た目が気になって気分が落ちる――こうした場合は、一人で悩まず受診を。状態に応じて、小陰唇縮小術などで形を整えることが可能です。

色の変化は普通?黒ずみの理由と対策

デリケートゾーンの色は女性ホルモンの影響を受け、ホルモンが増える時期はやや濃く見えるのが一般的。閉経後は分泌が減り、自然に色が薄くなることもあります。ただし、

  • 強い摩擦(ゴシゴシ洗い・硬いトイレットペーパー・きつい下着)
  • 不十分な洗浄で古い角質が残る

といった刺激が続くと、炎症後色素沈着により黒ずみが強まることがあります。まずは、専用ソープでやさしく洗浄→十分にすすぐ→保湿の基本ケアを。下着は通気性がよく、締め付けや縫い目の摩擦が少ないものを選びましょう。気になる場合は、レーザー治療・ピーリング・小陰唇縮小術などの医療的選択肢もあります。

今日からできるセルフケアのコツ

  • 洗いすぎない:指の腹で泡を置くように。こすらず30秒程度でOK。
  • 保湿を習慣化:入浴後にデリケートゾーン用保湿剤を薄く。
  • 摩擦を減らす:下着はサイズを見直し、レースや硬い縫い目が直接当たらない設計を。
  • 日中のムレ対策:吸湿性の高い素材・こまめな着替えで湿潤環境を避ける。

受診の目安と治療の選択

痛み・出血・腫れ・においの変化・色や形の急な変化がある場合は、自己判断で様子見を続けず婦人科へ。小陰唇の形・左右差は“正常の幅”が広いため、まずは不快症状(痛み・擦れ)の軽減をゴールに相談を。治療は、生活指導・外用薬から、必要に応じてレーザー・ピーリング・縮小術へ段階的に検討します。

※効果や適応は個人差があります。強い痛み・発熱・排尿時痛などがあれば早めに受診してください。

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外陰部の部位イメージ(模式図)

中尾 慧里
中尾 慧里

なかお・えり 1966(昭和◎41)生まれ。ビューティライター。チャイルドボディセラピスト1級取得。女性誌、WEBにて美容に関する記事執筆、コスメ開発のコンサルティングなども手掛ける。インスタグラム@erierikisekiをゆっくり更新中。