毎日のシャンプー&ヘアケアが大切!

洗髪・乾かし方で気になる「頭皮の臭い」にサヨナラ!

公開日:2020.04.13

更新日:2024.06.28

ふと近づいた瞬間に感じる頭皮の臭い(ニオイ)。「もしかして私も……?」と心配になったことはありませんか。そんな不安を解消するシャンプー&ヘアケアのポイントをプロに教わり、作家でエッセイストの横森理香さん(55歳)が実践しました!

「頭皮の臭い」にサヨナラ
プロの洗髪ワザを作家・横森理香さんが実践

頭皮の臭いの3大原因をチェック!

頭皮の臭いは「ハルメク」読者アンケートの「他人の臭いで気になるところ」でも第1位になるなど、50代以上の女性に多い悩みです。

毎日、夜シャンプーをしているという横森理香さんも、「私の場合、更年期の症状が長く続いていて、季節を問わず、ホットフラッシュでドッと汗をかくんです。毎日髪を洗っていても、“におっていないかな”と気になるときがあります」と話します。

そこで、頭皮の臭いの原因とケア法を教わろうと訪れたのが、ビューティーチューン資生堂(東京・池袋)。

「頭の主な臭いのもとは皮脂。頭皮は顔よりも皮脂の分泌量が多く、毛穴に詰まった皮脂が酸化し、汗や汚れなどと混ざり合うと、嫌な臭いを発してしまいます」と話すのは、スタイリストの畠山沙也加さん。

畠山さん

畠山さんによると、頭皮の臭いには大きく3つの原因があるそうです。

頭皮の臭いの3大原因

1.閉経後の女性ホルモンの低下
2.加齢や白髪染めによる頭皮の乾燥
3.髪の洗い方乾かし方の間違った習慣

頭皮の臭いは“男性の悩み”と思われがちですが、更年期以降は女性ホルモンが減少するため、女性でも皮脂の分泌を刺激する男性ホルモンが優位になるそう。皮脂の過剰分泌で頭皮の臭いが強くなる人が多くなります。

また、加齢や白髪染めなどによる“頭皮の乾燥”も、皮脂を過剰分泌させる原因に。

「顔と頭皮は皮一枚でつながっています。顔のお肌と同様、年齢とともに頭皮の乾燥が進むと、頭皮を保護しようと皮脂が過剰に分泌され、ベタつきや臭いを引き起こします」と畠山さん。乾燥やベタつきが気になる人には、頭皮をいたわるシャンプーや、頭皮に使える美容液、トニックなどがおすすめだといいます。

さらに「臭いを気にして朝も夜もシャンプーするなど“洗い過ぎ”は頭皮を乾燥させ、皮脂の過剰分泌につながります。洗髪は1日1回までが基本です」と畠山さん。

頭皮をゴシゴシ洗う、髪を十分乾かさずに寝てしまう……など、無意識にやってしまいがちな日々のケアも、臭いの大きな原因です。

皮脂の過剰分泌や乾燥を防ぎ、におわない健やかな頭皮に整えるには、正しいケアが大切です。早速、横森さんと一緒に教わっていきましょう!
 

頭皮の臭い撃退!シャンプー前のひと工夫

頭皮の臭い撃退!シャンプー前のひと工夫

畠山さんによると、ブラッシングとすすぎを丁寧にするだけでも、頭はぐっと爽やかになるそう。頭皮の臭いを解決する洗髪のポイントを教えてもらいました。

洗髪のポイント1:濡らす前にしっかりブラッシングを

「洗髪は夜に行うのが基本。その日にたまった皮脂や汗、スタイリング剤などの汚れは、その日のうちに洗い流しましょう」と畠山さん。ただし、いきなり髪を濡らすのはNG。まず丁寧にブラッシングすることが重要です。

生え際から頭頂部へ向けて、根元からブラッシングすることで、頭皮の血行を促進。汚れを浮き上がらせ、毛穴の詰まりを改善する効果もあります。

ブラシの端から生え際に当てる

ブラシの端から生え際に当てると、頭皮に沿ってしっかりブラッシングできます。

洗髪のポイント2:熱過ぎはNG!適温は38~39度

「熱いお湯は頭皮に必要な皮脂まで流してしまう気がして、いつもぬるめのお湯で洗髪しています」という横森さんに「正解です!」と畠山さん。

洗髪に最適なお湯の温度は38~39度。40度より熱いと頭皮にダメージを与え、それを修復しようと余計な皮脂が分泌されるためNGです。

洗髪のポイント3:髪だけでなく、頭皮までちゃんと濡らす

お湯で髪をサッと濡らしたら、すぐにシャンプーをつけていませんか? 

「シャンプーをつける前に、指の腹を髪に入れながら頭皮までちゃんと濡らしましょう。ここを丁寧にすると、お湯だけで7~8割の汚れを落とすことができます」

頭皮まで十分に濡れていないと、シャンプーが泡立ちにくくなる原因にも。

「特に皮脂が多い後頭部や耳の後ろの頭皮は、しっかり濡らすように意識してください」

洗髪のポイント4:頭皮を動かすように洗う

頭皮を動かすように洗う

シャンプーは手で軽く泡立ててから髪につけましょう。ガシガシ洗うのは頭皮を傷つけるのでNG。指の腹で小刻みに頭皮を動かすように、生え際から頭頂部に向かって洗うのがポイントです。

「臭いやベタつきが気になる人は、一度シャンプーの泡を軽く流し、二度洗いするのもおすすめです」

洗髪のポイント5:リンスやトリートメントは毛先に!

シャンプー後のリンスやコンディショナー、トリートメントは、基本的に髪の毛をいたわるもの。毛先を中心に髪の長さの中ほどくらいまでにつけ、頭皮にはつけないようにしましょう。

「頭皮につけると、毛穴を塞いでしまう恐れがあります」と畠山さん。ただし、頭皮ケア用のトリートメントなどは例外です。

洗髪のポイント6:すすぎは念入りに流して頭皮を清潔に

「シャンプーやリンスなどのすすぎ残しがあると、皮脂や汗と化学反応を起こして、不快な頭皮の臭いの原因になります」と畠山さん。

シャンプーの泡はもちろん、リンスやコンディショナーなど髪や頭皮につけたものはすべて、しっかりすすいで洗い流しましょう。頭皮をなでるように丁寧にすすぐのがポイントです。

そのほか、こんなヘアケアもおすすめです。

蒸しタオルで血行を促す
 蒸しタオルで頭皮ケアを。入浴中なら、お湯にタオルをつけて巻くだけです。

頭皮をいたわるシャンプーを選ぶ
頭皮の臭いを気にして洗浄力の強いシャンプーを選ぶと、頭皮への刺激が強過ぎることもあります。世代に合った頭皮をケアするシャンプーを選びましょう。
 

頭皮の臭いを撃退!髪の乾かし方のひと工夫

髪の乾かし方のひと工夫

洗髪とあわせて、頭皮の臭い予防に大切なのが、髪の乾かし方です。タオルドライも、ドライヤーも、頭皮を乾かすことを意識しましょう。

乾かし方のポイント1:タオルで頭皮をもむように拭く

洗髪後、タオルで髪をはさんで水気を取ったら、タオルに指の腹を入れてマッサージするように頭皮を拭きましょう。

「いつも髪は拭いているけれど、“頭皮を拭く”という感覚は初めて」と横森さん。畠山さんは「頭皮を拭くとドライヤーの時間短縮にもなりますよ」とアドバイスします。

乾かし方のポイント2:ドライヤーは襟足の根元から当てる

ドライヤーで乾かすときのポイントは、根元から風を当てること。

「髪の表面が乾いたと思っても、襟足や後頭部の頭皮はまだ濡れていることが多いもの。生乾きの状態で放置してしまうと、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖し、嫌な臭いのもとになります」と畠山さん。髪をかき分けて根元をしっかり乾かしましょう。

いざ実践!横森さんが感じた頭皮の臭いの変化とは?

横森さんが感じた頭皮の臭いの変化とは

ここまで資生堂のスタイリスト畠山さんに教わったケア法を横森さんが実践した結果「髪を洗った翌日、夕方の頭皮の臭いが消滅。髪の調子もよくなりました」とのこと。横森さんのコメントでその効果をご紹介します。

▼横森さんのコメント

ホットフラッシュがあり、年中汗をかいている私は、頭のニオイも気になっていた。いつもの洗髪法で洗い、ヘアドライした翌日の午後。頭皮に脂っぽい臭いが残っていた。ワンシャン(一度洗い)、濡れ髪を包んだタオルで軽く拭き、ばーっと乾かすだけでは、頭皮に脂臭さが残ってしまうようだ。

湯洗い後、頭皮を指の腹で洗い、すすぎはたっぷりと、コンディショナーは毛先だけつける、ドライヤーで乾かす……というのはいつもやっていることだが、シャンプー前のブラッシング、2シャン(二度洗い)、濡れ髪を包んだタオルとは別の、パリパリに乾いたタオルで頭皮をしっかり、指を入れて拭く、というプロの技で、ニオイは軽減された。

やはり、ひと手間かけることが重要なのだ。2シャンは無理としても、手につけたシャンプーを、頭の前部分と生え際の部分に分けてつけることにしたら、泡立ちが全体に行きわたるようになった。

前かがみで生え際の方までブラッシングするのは、毎朝の習慣になった。ますます、髪の調子がいいようだ。

「ニオイが消えて、髪も元気になってうれしい」

■実践した人

横森理香さん
よこもり・りか 作家・エッセイスト。1963(昭和38)年生まれ。女性を応援するエッセーに定評がある。ハードな更年期を経験。現在はべリーダンス健康法の講師としても活躍。近著に『「健康」「美」「幸せ感」をレベルアップする大人女子力検定』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)など。

■教えてくれた人

畠山 沙也加さん

はたけやま・さやか ビューティーチューン資生堂 池袋東武店スタイリスト。資生堂美容室の全国ヘッドスパコンテストで優勝したスゴ技の持ち主。

▼資生堂 池袋東武店
東京都豊島区西池袋1-1-25
レストラン街スパイス14F
TEL:03-5957-2990

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=元木みゆき イラストレーション=服部あさ美

※この記事は2019年6月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。記事内の年齢は雑誌掲載時のものです。

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