目の下のたるみを取るには?2つの手術と予防ケア方法

2024年07月13日

医師監修│目の下のふくらみやクマ、なんとかしたい!

目の下のたるみを取るには?2つの手術と予防ケア方法

美容整形によって目の下のたるみを取ることを考えた場合、大きく分けて「下眼瞼切開法(切る方法)」と「経結膜脱脂法(切らない方法)」の2つがあります。医師監修のもとそれぞれの手術を詳しく解説!目の下のたるみやクマの予防ケア方法もご紹介します。

目の下のたるみ・クマができる原因は?

目の下のたるみやクマ、ふくらみは加齢によって筋肉が衰えることで眼球が下がり、眼窩脂肪(眼球を守るクッションの役割を果たす脂肪)が前に押し出されることで起こります。

目の下には「目袋(めぶくろ)」と「涙袋(なみだぶくろ)」と呼ばれる2つの袋があり、目の下のたるみ・クマ・ふくらみの原因となるのは「目袋」です。

目袋は眼窩脂肪でできており、年齢とともにたるみやふくらみが出て、下に影や凹みができると、それがクマ(黒クマ)になります。また、目袋のたるみはゴルゴ線と呼ばれる深いシワにつながることもあります。

目の下のたるみ・クマのセルフチェック!

目の下のたるみやくぼみ、クマをチェックリストでセルフチェックしてみましょう。

  • 目の下のクマが慢性化しており、なくならない
  • 目の下のクマ部分に段差ができている気がする
  • 目の下のクマ部分がくぼんでいる
  • くぼみの影の線と目の間の部分がふくらんできた気がする
  • 目の下のふくらみが大きくなってきた気がする
  • まぶたが重たく感じる
  • メイクのときにアイラインが引きづらい

当てはまるものがある場合、目元に変化が起きてきているかもしれません。

目の下のたるみ・クマの4つのタイプ

目の下のたるみ・クマの4つのタイプ

目の下のたるみやふくらみ、クマのタイプは人によっても異なり、大きく4タイプに分けられます。

ハの字型にたるみやふくらみが目立つタイプ

正面から見たときに「ハの字型」に目の下のたるみやふくらみが目立つタイプは、メーラーファット(頬骨からほうれい線にかけて存在する皮下脂肪のこと)が少ないか、なんらかの原因によってたるみが起こっていることが原因です。

目の下全体にふくらみが見られるタイプ

目の下全体にふくらみが見られるタイプは日本人に多く見られるといわれており、加齢によって眼輪筋(目のまわりをぐるりと囲む、まぶたの開閉を行う筋肉)の力が低下して、眼窩脂肪が前に飛び出すことで起こります。

目の下に全体的にたるみやふくらみが起こることで、老けた印象に見えやすくなります。加齢が大きな原因ですが、頬骨の形も影響していると考えられます。

たるみ・ふくらみの下の凹みや影が目立つタイプ

目の下のたるみやふくらみと、凹みや影のどちらも見られるタイプです。眼窩脂肪が多いほど目の下のふくらみやたるみが目立ち、その分、凹みや影も目立つことが特徴です。

目の下のたるみやふくらみを取るために眼窩脂肪を取り過ぎると、目の下がくぼんでしまい、かえって凹みや影が目立ってしまうことも。

ハリ低下によって皮膚のシワやたるみが目立つタイプ

皮膚にはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分があり、肌のハリや弾力を維持しています。しかし、これらは20代をピークに量が減少していき、コラーゲンの量は60代になると20代の半分になるともいわれています。

すると、肌のハリや水分を保持する能力が低下し、目の周囲のシワやたるみが目立つようになってきます。スマートフォンやパソコンを見る機会が多くなると視線が固定され、目の周囲の筋力が衰えやすくなるため、目の下のたるみを加速させないためにも、日常生活での注意が必要です。

目の下のたるみを美容整形で取る2通りの方法

目の下のたるみを美容整形で取る2通りの方法

「目の下のたるみを取りたい」と考えた場合、目のまわりのマッサージや眼輪筋トレーニング、エステ、スキンケアなどの方法では、改善が難しいです。これらの方法は目の下のたるみの予防や、悪化させないためのケアはできますが、すでにできてしまったたるみを取ることはできません。

目の下のたるみやふくらみ、クマを治療したいと思った場合、美容医療の施術では主に「下眼瞼切開法(皮膚を切る方法)」と「経結膜脱脂法(皮膚を切らない方法)」の2つがあります。

なお、加齢によって起こる眼瞼下垂など上まぶたのたるみが気になる場合は、目の下のたるみとは別の治療が必要になります。眼瞼下垂の手術としては「挙筋前転術」「余剰皮膚切除術」「前頭筋吊り上げ術」などがあります。

下眼瞼切開法(皮膚を切る方法)

下眼瞼切開法(かがんけんせっかいほう)は、下まつ毛から1mm程度の部分を切開して手術を行う方法です。

下眼瞼切開法には、皮膚を切除して外側上方向へ引き上げる「皮弁法(ひべんほう)」と、皮膚切除と同時に眼窩脂肪を移動させる「ハムラ法」の2種類があります。

皮弁法(ひべんほう)では、患者さん一人ひとりの目の下のたるみやふくらみの状態に合わせて、眼窩脂肪を取り出すこともあります。

ハムラ法では、眼窩脂肪を除去せず、目の下の凹み部分に移動させることで目の下のたるみやふくらみを改善します。ハムラ法の場合、傷口が表側から見えないように下まぶたをめくった裏側から切開する「裏ハムラ法」で手術することもあります。

その後は余分な皮膚を切除してたるみやクマ、シワを改善し、傷跡が目立たないように下まつ毛に沿って丁寧に縫合します。

下眼瞼切開法では余分な皮膚を切除するため、たるみやクマだけではなくちりめんジワの改善効果も期待でき、皮膚を切るため傷跡が残りますが、睫毛の生え際ギリギリを切ればほとんど目立たなくなります。個人差がありますが、傷の赤みは3〜6か月ほどで解消します。

経結膜脱脂法(皮膚を切らない方法)

目の下のたるみやふくらみ、クマを切らずに治療したい場合は、経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)という治療が行われます。

下まぶたの眼窩脂肪は外側・中央・内側の3部位に存在していますが、多くたまりやすいのが中央と内側です。経結膜脱脂法では、下まぶたの裏側の結膜を切開し、余分な眼窩脂肪を取り出すことで治療します。

5mmほど小さく穴をあけるのみであるため縫合はしないこともあり、傷も早い段階で塞がります。下まぶたの裏側部分から眼窩脂肪を除去するため、表側からは傷がわからないことも特徴です。

下眼瞼切開法と経結膜脱脂法の違いは?

目の下のたるみを取る場合には上記で紹介したような下眼瞼切開法と経結膜脱脂法がありますが、2つの施術は主に以下のような点が異なります。

  • 傷跡(切開するか、切開しないか)
  • ダウンタイム
  • 余分な皮膚の切除

「下眼瞼切開法」の場合、皮膚を切開するためダウンタイム(傷が治り日常生活に戻るまでの期間)が長くなり、目立たない部位を切開するのものの、傷跡が残ります。しかし、余分な皮膚の除去ができるため、皮膚が伸びてできた、たるみやちりめんジワの改善も期待できます。

「経結膜脱脂法」の場合、下まぶたの裏側に小さく穴をあけて眼窩脂肪を取り出すため傷跡が残らず、下眼瞼切開法に比べるとダウンタイムも少なくなります。ただし、余分な皮膚の切除は行わないため、目の下の皮膚が伸びている場合、除去した眼窩脂肪があった部分がたるんでしまうことがあります。

目の下のたるみ取りと組み合わせられる施術

目の下のたるみ取りと組み合わせられる施術

目の下のたるみを取るだけでは、眼窩脂肪を除去した部分がへこんだり、たるんだりしてしまうことがあります。そこで、目の下のたるみ取りと組み合わせて、脂肪注入やヒアルロン酸注入、PRP皮膚再生療法などが合わせて行われることもあります。

脂肪注入

脂肪注入とは、お腹や太ももなどから採取した自分の脂肪から不純物を取り除いたものを注入する治療です。目の下のくぼんだ部分やたるみが目立つ部分に注入することで、皮膚を盛り上げてふっくらさせます。

経結膜脱脂法の場合、脂肪注入を組み合わせて治療することもあります。

目の下のシワ取り(PRP皮膚再生療法)

目の下のシワが気になる場合は、PRP皮膚再生療法(多血小板療法)を使った目元のシワ取りが行われることもあります。

PRP皮膚再生療法とは、採取した自分の血液から血小板や白血球を取り出したものを注入する方法です。

ヒアルロン酸注入

目の下のたるみやふくらみだけではなく、くぼみや影が混在しているタイプでは、ヒアルロン酸注入によって治療することもあります。

ヒアルロン酸注入では、眼窩脂肪を取り除くのではなく、くぼみ部分にヒアルロン酸製剤を注入することでふっくらさせて、目の下のたるみやふくらみを目立たなくします。

目の下のたるみの予防やケア方法

目の下のたるみの予防やケア方法

ここからは、目の下のたるみの予防やケア方法をご紹介します。

表情筋5分トレーニング

目まわりの血行不良や筋肉の衰えは、目の下のたるみやクマの原因の一つ。

簡単にできる表情筋5分トレーニングを取り入れて、目元のたるみやクマの改善を目指すのもおすすめです。

目を細めて薄目の状態をキープする眼輪筋トレーニング

眼輪筋が衰えると、目元のたるみやクマ、小ジワの原因になります。眼輪筋トレーニングにはさまざまな方法がありますが、簡単にできるのが「目を細めて薄目の状態をキープする」方法です。

  1. 下まぶたに力を入れ、目を細めて薄目の状態になる
  2. この状態を20秒キープする
  3. 5回1セットを1日3セット行う

この眼輪筋トレーニングは体に負担もかからず、気づいたときにいつでも手軽にできるのでおすすめです。

アイケアコスメを使う

目の下を含め、目元の皮膚は薄くてデリケートなので、日々しっかりケアをすることが大切です。アイケア専用の化粧品を取り入れて、目元を保湿しましょう。

  • 保湿力が高い
  • ハリ成分が含まれているものを選ぶ(レチノールやナイアシンアミドなど)
  • 惜しまず毎日たっぷり使える価格帯のもの

上記のような目元ケアコスメの選び方のポイントを押さえつつ、自分にぴったりなものを探してみてください。

正しいスキンケアを行う

アイメイクをゴシゴシこする、強い力でマッサージするなどの間違ったスキンケアは、デリケートな目元の皮膚にダメージを与えてしまいます。

紫外線対策をしっかり行い、正しい方法で毎日のスキンケアを行うことが大切です。

目の下のたるみやふくらみは予防ケアが大切!

目の下のたるみやふくらみは、一度できるとスキンケアやマッサージ、トレーニングなどでは大きく改善することは難しい悩みです。

どうしても目の下のたるみが気になって治したい場合は美容整形によって治療もできますが、ダウンタイムがあり、傷跡が残る場合もあるなど、リスクもあります。

目の下のたるみやふくらみを悪化させないためには、間違ったスキンケアを避け、丁寧な予防ケアをしていくことが大切です。

監修者プロフィール:みずほクリニック院長・小松 磨史さん

みずほクリニック院長・小松 磨史さん

こまつ・きよし 札幌医科大学卒業、札幌医科大学・形成外科入局。札幌医科大学・大学院卒業、医学博士取得。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)。札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大手美容形成外科入職(院長歴任)、みずほクリニック院長に。

日本形成外科学会・形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士。私達が目指すのは、一人ひとりのコンプレックスを克服し、自信に満ちあふれた笑顔と晴れやかな気持ちでいて頂けることが何よりもの願いです。そのためには真摯に患者様と寄り添い、これからも美容外科医としての使命を果たしていきたいと考えております。

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HALMEK up編集部
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