大人女性3名の本音に、下着開発のプロが回答！

50代60代のハルメク読者3名と、下着開発のプロ2名とで2023年6月に、座談会を開催しました。リアルな本音のお悩みが数多く飛び出しました。下着開発のプロが出した答えは？

ハルメク365読者代表として本音のお悩みをぶつけてくださったのはこちらの3名。前列右から、蒲池香寿代さん（62歳）、後藤美保さん（58歳）、桑原三奈子さん（58歳）

お悩みに答えるのは、50代以上の女性向け下着開発を長年開発してきた2名。後列右から、住井愛さん、吉尾いづみさん

【お悩み1】胸が下がってTシャツやカットソーが似合わない…

――まずは薄着で目のいきやすい「胸」まわりのお悩みについて教えてください。

桑原さん（読者）　なんだか胸の位置が下がってるんですよね……。Tシャツとかカットソーを着ると違和感があって。

後藤さん（読者）　私もです。私そんなに胸が大きいわけじゃないから、自分には「下垂」って関係ないかと思ってたのに、ある日娘と比べたときに「あれ？下がってる！」って。

――そもそも胸が下がってしまう理由って何でしょう？

下着のプロ・住井さん（以下、住井プロ）　胸は「クーバー靭帯」という靭帯が支えています。これが重力に負けて伸びたり切れたりすると胸が下がってしまうんです。しかも、一度伸びたり切れたりすると元に戻らないんです……。

（一同）え～～！

住井プロ　四六時中重力はかかっているので、年月を経て、胸は下へ、横へと勝手に広がっていくんです。

後藤さん　下へ、横へ、わかります。それをなんとかきれいにしたくてワイヤー入りのブラを使ってみるんですが、きついし痛くなっちゃうんですよね……。

蒲池さん（読者）　私は量販店のカップ付きタンクトップを着るんですけど、胸の上がカパカパしちゃってどうも合わないです。

――50代以降の胸をきれいに見せるには、どんなブラ・下着がいいのでしょうか？

住井プロ　まずは年齢に合ったブラをきちんと選んであげること。具体的には、胸の横流れをせき止めて自然な丸みを作るような設計になっているものがおすすめです。量販店などの商品だと若い世代の胸の形に合わせて作られていることが多いので、着けてみると胸がモリッとしてなんだか不自然な形になることも。

また、50代以降は胸が下がると同時に上側がそげてきてしまうので、若い人に合わせた作りの下着だと、蒲池さんのようにカパカパしてしまうことがあります。「自分の年代向けに作られているのか？」は下着を選ぶ上で大切な観点です。

――「きついのが嫌」という方も多いようです。でもノンワイヤーブラだと胸のハリがなくなりそうですよね

下着のプロ・吉尾さん（以下、吉尾プロ）　最近ではノンワイヤーでもしっかりと胸を支えられる設計のブラが増えてきていますよ。もちろんワイヤーブラの方が補整力はあるのですが、“自然にきれい”な胸はノンワイヤーブラでも十分つくれます。若い頃よりお肉がやわらかくなっているのでバストメイクしやすく、ノンワイヤーブラでも胸の形を整えやすいんです」

【お悩み2】“はみ肉”に背中の丸まり。後ろ姿が老けて見える…

――他にもお悩みはありますか？

桑原さん　まだまだあります（笑）。いろんなところから肉がはみ出してくるんですよ、背中とか脇とか。それに私、背中も丸まっちゃって。後ろ姿がそんな感じだと老けて見えますよね。

蒲池さん　私も後ろ姿は常に気にしてます！ 姿勢きれいにしなくちゃ！って。それなのに、気付いたら丸まってる……」

――“はみ肉”のお悩みはよく聞きますよね。下着で解消できるのでしょうか？

住井プロ　50代以降は筋肉が落ちてくるのもあって、背中や脇にお肉がつきやすく、しかもやわらかいので“はみ肉”になりやすいんです。これをしっかり押さえてあげることが大事。やわらかいお肉なので、ブラの細いベルトで押さえるとそこからムニュッとお肉がはみ出てしまいます。

できるだけ“面”で覆ってあげることがポイントです。背中のバックベルトが太く、広い面積でカバーしてくれるものがおすすめですよ。

吉尾プロ　お肉がやわらかくなっているので、やさしく押さえてあげるだけでも段差をなだらかにすることができます。ガチガチのものを選ぶ必要はないんです。

――“姿勢”も若見えのポイントのようですね

住井プロ　まさに！ 姿勢が変われば一気に若々しい印象に変わります。でもやっぱり筋肉の衰えのせいで、シャキッとした背すじをキープするのが難しくなっているんです。背すじをやさしくキープしてくれるサポート機能の付いたブラもありますので、筋肉が落ちている50代以上は、特にそういったブラを付けることもおすすめですね。

【お悩み3】お尻が四角く垂れて、ズボン姿がだらしない

――では続いて「お尻」のお悩みはいかがですか？

桑原さん　私、“ピーマン尻”って言われたことがあるんです（涙）。お尻のサイドが垂れてきてピーマンみたいに見えるっていう。ズボンをはいたとき、だらしない感じになっちゃいます。

吉尾プロ　ピーマンのように四角いお尻になってしまうのは、腰にお肉がつくのも原因なんですよね。お肉がついてくびれがなくなり、お尻まわりは垂れて、結果四角い“ピーマン尻”になってしまうんです。

住井プロ　従来はガードルでヒップアップすることが主流でしたが、最近ではガードルのような機能を備えたショーツもたくさん出ています。お尻のラインが出やすいズボンのときにはヒップアップ機能のあるショーツで垂れたお肉をすくってくれるものを選ぶといいですね。

その際、脚口を締めつけないやさしいサポート力のものを選んでください。血行をさまたげてしまうのは体によくありません。お尻のお肉も年齢を経てやわらかくなっているので、ショーツの中に収めやすくなっているとも言えます。やさしいサポート力でもきれいに整えることができますよ。

年齢に合ったサポート力の下着なら「ラクしてきれい」に！

ハルメク365読者3名にぶつけていただいたお悩み、あなたにも当てはまるものはありましたか？ 

年齢を重ねることで体のラインが変わってしまうのはどんな人でも起こることです。一方で、お肉がやわらかくなっているということは、やさしいサポートでもボディメイクしやすいということ！ 上手に下着を選べば、「ラクしてきれい」は叶います！

まずは何より、「年齢に合った下着を選ぶ」ことが大切です。大手量販店のものはメジャーで安いので、それを使っている方も多いかもしれません。ですが、若い人向けに作られているため50代以降の体には合わないこともしばしば。「なんとなく違和感」を放っておかず、年齢に合った下着選びにシフトしていきましょう！

次回は、実際に読者が年齢に合った下着を試着した「下着が変われば薄着も決まる！着痩せビフォーアフター」をお届けします。