【医師監修】気になるシミは内側と外側からケア!

シミに効く効果が期待できる化粧品・食べ物・飲み物

豊田雅彦(うるおい皮ふ科クリニック 院長)
監修者
うるおい皮ふ科クリニック 院長
豊田雅彦

公開日:2021.12.07

更新日:2022.10.05

シミに効く効果が期待できる化粧品を使って薄くできる可能性のあるシミと、薄くできないシミが存在します。化粧品でセルフケア可能なシミと、レーザー治療など美容医療の治療が必要なシミについて医師監修のもと解説。シミに効果的な食べ物・飲み物もご紹介。

あなたのシミは?シミの種類について解説

あなたのシミは?シミの種類について解説

単にシミといってもいくつかの種類があり、化粧品などを使ったセルフケアで薄くできる可能性があるシミもあれば、自力でのケアでは薄くすることが難しいシミもあります。

自分のシミがどのタイプに分類されるのかチェックして、最適な方法でシミ対策を行っていきましょう。

化粧品で薄くできる可能性があるシミ

以下のようなシミであれば、化粧品などを使ったセルフケアで薄くできる可能性もあります。

  • 老人性色素斑(日光黒子)
    これまで浴びてきた紫外線、加齢、ターンオーバーの乱れなどが原因でできるシミ。顔だけでなく紫外線が当たりやすい手の甲や前腕などにも現れる。年齢を重ねるにつれて濃くなる傾向にある。シミの中で最も多いタイプとされる
  • 炎症性色素沈着
    ニキビや虫刺され、傷、かぶれなどによる炎症が起こった部分の跡がシミとなって色素沈着することでできる

化粧品で薄くできないシミ

以下のようなシミの場合、化粧品などによるケアでは改善は難しいと考えられます。シミを消したい場合には、美容クリニックや美容皮膚科で治療を受けることを検討するといいでしょう。

  • そばかす(雀卵斑)
    主に遺伝的な要因で起こると言われているシミ。目の下に薄茶色の円形のシミが点々とできる。白人に多く見られるシミで、日本人の場合は色白の人にできやすい傾向にある。紫外線が当たりやすい場所に現れることがある
  • 花弁状色素斑
    肩から背中にできる花弁状または金平糖形のシミで、強い日焼けをした後に生じる。肌が白く、日焼けをすると赤くなるタイプの人に見られる
  • 肝斑(かんぱん)
    頬骨の高い部分に左右対称にできるシミで、女性ホルモンのバランスの乱れと紫外線の影響で起こるとされる。茶色で輪郭がはっきりしない状態で広がる。

シミにおすすめ!栄養素や食べ物・飲み物

シミにおすすめの栄養素や食べ物・飲み物

シミは一度できたからといって一生消えずに残るわけではなく、代謝によって体外に排出されていくシミもあります。

代謝を正常にするためには、化粧品などを使ったケアだけではなく、食べ物や飲み物など、内側からのケアも大切です。食生活の乱れや栄養の偏りが考えられる場合は、シミ・老化対策におすすめの食事法を心掛けましょう。

ビタミンC

ビタミンCにはシミのもとになるメラニンの生成を抑える作用があります。また、濃くなってしまったメラニンを還元することで、すでにできてしまったシミを薄くする効果も期待できるでしょう。抗酸化作用によって活性酸素を除去する働きもありますし、強力な抗酸化作用を有するビタミンEの働きをサポートします。

ビタミンCはキウイ、アセロラ、いちご、ブロッコリー、レモン、かぼちゃ、ゴーヤなどに豊富に含まれています。加熱すると栄養が流れ出してしまうため、生で食べられるものは生のまま摂取するようにするといいでしょう。ビタミンCはストレスや感染症などにより大量に消費されやすいので毎日欠かさず摂ることが重要です。

ビタミンE

ビタミンEには、ビタミンCの働きをサポートする効果や、活性酸素を抑制する効果、紫外線などさまざまな刺激から肌を守る働きがあります。血流を促すことで全身の栄養素の供給を高め、また皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の調節しメラニン排出を促進することにも貢献しています。

ビタミンEは、アボカドやそばに多く含まれています。飲み物では、豆乳にビタミンEが含まれているので、手軽に摂取しやすい栄養素です。

水溶性ビタミンは余分なものは尿として排出されるため摂取上限は決まっていません。一方でビタミンEは脂溶性ビタミンであり、脂肪組織や肝臓に貯蔵されるため、食べ過ぎに注意しましょう。

ビタミンA

ビタミンAは、メラニンが作られるのを促す活性酸素を抑制する効果が期待できる栄養素です。皮膚や粘膜の状態を維持する作用があります。トマト、ほうれん草、かぼちゃなどに多く含まれています。

なお、ビタミンAも脂溶性ビタミンであるため、摂取し過ぎには注意が必要です。

抗酸化成分

抗酸化物質とは、酸化されやすい物質のことで、活性酸素などによって私たちの体が酸化されるよりも優先的に酸化してくれます。そのため、抗酸化物質自身が酸化されることで、体を酸化から防御してくれます。抗酸化物質によって、私たちの細胞は無傷でいられます。活性酸素は年齢とともに増えるとも言われていますが、ストレス、食品添加物、タバコ、激しい運動、多量飲酒、紫外線なども活性酸素が増える原因です。活性酸素を増やす因子は身の回りにたくさん存在しています。活性酸素は肌のシミや老化、生活習慣病など、さまざまなトラブルにつながります。そんな活性酸素を消去してくれるのが、抗酸化成分です。抗酸化成分を持つ栄養素は、いくつかあります。

  • アスタキサンチン:活性酸素の中でも紫外線によって発生する「一重項酸素」の除去に効果が高く、紫外線によるメラニン生成(シミ)を抑える効果が期待できます。鮭、マス、いくらなど
  • リコピン:ビタミンEの約100倍の抗酸化力で活性酸素によるシミを防ぎます。トマト、スイカ、柿など
  • β‐カロテン:カロテノイドはヒドロキシラジカル(活性酸素の中で特に毒性が強い)やスーパーオキシドも除去します。緑黄色野菜など
  • ポリフェノール:スーパーオキシドや一重項酸素を無毒化する作用がある。赤ワイン、抹茶、コーヒー

その他、緑茶にもポリフェノールの一種であるカテキンが含まれています。

緑茶にはビタミンCやビタミンEなど、美肌やエイジングケアにもぴったりの成分が含まれているので、シワやたるみを引き起こす光老化を予防するためにも、積極的に取りたい食品です。

L-システイン

L-システインは「ターンオーバーを正常化」「体の代謝(エネルギー産生)をサポート」「抗酸化作用」の3つのはたらきにより、体の内側からシミ・肌荒れなどの肌トラブルを改善し、体の疲れ・だるさに効果を発揮します。肌の代謝(ターンオーバー)のサイクルを正常化するはたらきをもっていますのでメラニンを体外に排出するための代謝を促す働きを持っています。L-システインを含むシステイン(シスチン)を多く含む食品としては大豆、小麦、鰹節などがあり、どれも手軽に摂取できるものばかりなので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。

シミをメイクでカバーする方法

ファンデーションでは隠し切れないシミはコンシーラーでカバーするのがおすすめです。

よりナチュラルにシミをカバーしたいという場合は、コンシーラーを使わずにナチュラルにカバーする方法もありますよ。肌の状態や好みに合わせてシミをメイクでカバーしてみてください。

シミをケアする化粧品の選び方のコツ

シミをケアする化粧品の選び方のコツ

シミ対策のための化粧品を選ぶときは、以下の2つのポイントを押さえておくといいでしょう。

  • 美容有効成分が配合されている(コウジ酸、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、ハイドロキノン、エナジーシグナルAMPなど)
  • 2、3か月ほど使い続けられる

シミ対策がしたいのであれば、上記のような美容有効成分が配合された製品か、しっかり確かめて選ぶのがおすすめ。中でも、コウジ酸やビタミンC誘導体はメラニン色素を還元するため、シミ対策にぴったり。一般に美白ラインの中で最も多く有効成分が入っているのは、化粧水ではなく美容液のため、まずは美容液から始めてみましょう。また、美白化粧品で新たなメラニンを作らないようにしつつ、セラミド配合化粧品などを用いて、角質ケア(保湿)で正常なターンオーバーをサポートするのがベストです。

また、化粧品やサプリなどのセルフケアの場合はすぐに効果が出るわけではなく、少なくとも2、3か月ほどは継続する必要があります。値段や使い心地などについても、気に入ってしばらく使い続けられるものを選びましょう。

シミを消す・薄くする美容医療の治療

シミを消す・薄くする美容医療の治療

肝斑、そばかす(雀卵斑)、花弁状色素斑などのシミを消したい場合や、より早い段階でシミを消したい場合は美容医療の治療を受けるという方法もあります。

美容医療の施術にはいくつもの種類があるため、医師と相談して自分のシミの症状に合った治療法を選ぶといいでしょう。

レーザー治療

シミを解消する方法の一つが、レーザー治療です。

レーザー治療にもさまざまな種類がありますが、そばかすや一般的なシミ治療に使われるのが「Qスイッチヤグ(YAG)レーザー」あるいは「Qスイッチルビー(Ruby)レーザー」です。これらのレーザーは皮膚内部(真皮)のメラニン色素を効果的に破壊してシミを治療します。メラニン色素のみを選択的に破壊し、周囲組織への熱障害を最小限に抑えます。コラーゲンなどの正常組織を傷つけることがありません。血管にも損傷を与えづらいため、照射後に皮下出血を生じることはごくまれです。

「レーザートーニング」はQスイッチヤグ(YAG)レーザーよりも出力を抑えたレーザーで、シミやくすみ、色素沈着の他、これまではレーザーでの治療が難しいとされていた肝斑治療も可能です。通常のレーザーが1カ所にスポットで強めに照射して患部をカサブタにして治していくのに対し、レーザートーニングはシャワーを浴びせるように、患部に均一にパワーを与えます。炎症を起こさない程度の力でムラなく均一に照射して、シミの原因であるメラニンを少しずつ壊していけるので、カサブタにもならず、周囲に気づかれずにシミ治療をしたいという人にぴったりです。

近年では、従来のQスイッチヤグ(YAG)レーザーのナノ秒(10億分の1秒)よりも短いピコ秒(1兆分の1秒)での照射が可能な「ピコレーザー」も登場しています。ピコレーザーは従来のレーザーに比べて肌への負担が抑えられる、薄いシミにも対応できるなどの特徴があります。

なお、どのレーザーが適しているかはシミの症状や肌の状態を見て医師が判断するため、カウンセリング時などに希望や悩みをしっかり伝えるといいですよ。

内服薬・外用薬

シミ対策のための内服薬としては、メラニンの生成を抑制するトラネキサム酸(トランサミン)や、シミに効果のあるビタミンC、ビタミンE、L-システインなどの栄養素を含んだ薬によって治療します。

外用薬としては肌のターンオーバーを促進するトレチノイン(レチノイン)クリームや、メラニンを作るチロシナーゼの活性を抑えることでメラニンが作られるのを抑制するハイドロキノン(ヒドロキノン)クリームなどがあります。

編集部おすすめ!シミ対策化粧品・サプリ・飲み薬

ここからは、ハルメクWEB編集部おすすめのシミ対策ができる化粧品・サプリ・飲み物をご紹介します。

化粧品:ワンバイコーセー メラノショット ホワイトD

化粧品:ワンバイコーセー メラノショット ホワイトD
「美容液:ワンバイコーセー メラノショット ホワイトD」5830円(税込)

ワンバイコーセー メラノショット ホワイトDは、シミの原因となるメラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐ美白有効成分コウジ酸を配合した美容液。硬くなった肌をほぐして美容成分を肌のすみずみまで行き渡らせ、しっとりした肌に導きます。

化粧品:ハルメク 薬用ホワイトニングクリーム

ハルメク 薬用ホワイトニングクリームは、「シミだけではなく乾燥やハリも気になってきた……」そんな年齢肌にお悩みの人におすすめ。美容有効成分がメラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを予防します。コラーゲン、エラスチン、3種のヒアルロン酸がべたつかないのにしっかり保湿してくれます。

サプリ:エムグランス ホワイト

サプリ:エムグランス ホワイト
「エムグランス ホワイト」2479円(税込)

エムグランス ホワイトは、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする栄養機能食品。ビタミンCやビタミンE、コラーゲン、エラスチン、プラセンタ、イソフラボン、7種のマルチミネラル、9種の必須アミノ酸(EAA)などを配合しており、シミ対策におすすめのサプリメント。国内工場で製造されているため、日本製にこだわりたい人にも。

飲み薬:トランシーノII 60錠

飲み薬:トランシーノII 60錠
「トランシーノII 60錠」1980円(税込)

トランシーノII 60錠は、肝斑に効くトラネキサム酸、L-システイン、ビタミンCを配合した第1類医薬品。医薬品であるため薬剤師による適正使用の確認が必要です。

飲み薬:ハイチオールCホワイティア 120錠

飲み薬:ハイチオールCホワイティア 120錠
「ハイチオールCホワイティア 120錠」2501円(税込)

ハイチオールCホワイティア 120錠は、L-システインが体の内側から細胞に働きかけることで、シミやそばかすを治療する第3類医薬品。シミやそばかすのほか、二日酔いや全身の倦怠感、だるさや疲れなどにも効果を発揮します。

食べ物や飲み物で体の内側からシミを予防!

シミはできてしまってからのケアよりも、できてしまう前からしっかり予防対策をするのが一番。まずは紫外線対策としての日焼け止めの習慣化が一番大切です。そしてシミ予防などができる化粧などを使ったスキンケアで、シミを予防しましょう。

また、日々の食生活の改善も大切。メラニンの生成を抑えるビタミンCなどの栄養素が不足しないようにしましょう。

セルフケアでは消すことができないシミや、なるべく早くシミを消したいという場合は美容皮膚科での医療美容の治療を受けるという選択肢もあります。ぜひ自分に合った方法でシミ対策を行ってみてください。

※記事内の価格は2021年12月7日時点のもので、すべて税込です。

監修者プロフィール:豊田雅彦さん          

豊田雅彦

とよだ・まさひこ 医学博士。皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)。アレルギー専門医(日本アレルギー学会認定)。

うるおい皮ふ科クリニック院長。富山医科薬科大学(現在は富山大学)医学部卒業、1994年から2年半、米国ボストン大学医学皮膚科学教室に留学し、皮膚老化や神経などの研究を行う。2002年と2004年の国際皮膚科学会で、それぞれ臨床部門と研究部門の最優秀賞を単独受賞する。現在までに2000以上の医学論文・医学専門書を執筆。
また、国内外で、最も多い年で年250回以上の講演会・学会発表・保健所指導を行う。
2005年、千葉県松戸市に、うるおい皮ふ科クリニック(皮膚科・美容皮膚科・漢方皮膚科・アレルギー科・形成外科)を開業。

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