汗ばむ季節こそ肌は水分が減っています

夏の乾燥肌対策は正しいスキンケアでお肌改善

松宮 詩依さん(東京皮膚科・形成外科)
監修者
東京皮膚科・形成外科品川院 院長
松宮詩依

公開日:2018.08.08

更新日:2021.06.04

一見湿度の低い季節に肌は乾くと思いがちですが、実は50代より上の世代は夏こそ乾燥肌に傾くリスクが大。汗でベタつく季節、うっかりエアコンを強め設定にしたら、もともと水分量が減っている肌はさらにドライに。まずは正しい保湿がいちばんの対策です。

まずケアはうるおいの元、セラミド系クリームをチョイスして

暑いし、肌が乾くからと化粧水を多めに使っても、それは一時しのぎにしかなりません。エアコンの風にさらされると、かえって肌の皮脂ごと、うるおいが取られかねません。

さらに加齢肌は皮脂が少なくなるので、クレンジングや洗顔ですら肌表面を傷つけてしまう可能性があります。

時には乾燥で肌が突っ張って、毛穴が開き、ひとつひとつの毛穴が大きく広がって見えることもあります。放っておけば、肌は弾力を失って、乾燥によるシワが発生するリスクも大きくなります。

このように脆弱な年齢肌に大事なのは、ヒトの肌にもともと備わっているうるおい成分、セラミドを増やすこと。セラミドは水分を抱え込む性質があって、コラーゲンやヒアルロン酸より水分保持機能が高いため、長くバリア機能を維持できます。

とはいえ、年齢を重ねれば、このセラミドも次第に減っていくので、肌本来のセラミドと同様の構造をしている「ヒト型セラミド」タイプの化粧品の出番となるわけです。

化粧品に使われている4種類の「ヒト型セラミド」の中でも、「セラミド2」と数字の2が冠されたタイプは、肌への親和性が高いそう。コスメをチョイスする際のポイントのひとつと覚えて。現在、セラミド系アイテムはいろいろありますが、この世代の乾燥肌には、やはりクリームタイプが相性◎です。

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エトヴォスモイスチャライジンぐクリーム

 

5種のヒト型セラミドが配合されているうえ、ヒアルロン酸や植物性スクワラン・ホホバオイルなど配合のリッチなクリーム。ノンシリコンで、パラベン、石油系など安全性は5つのフリーをうたう。モイスチャライジングクリーム 4104円(税込/ETVOS 0120-0477-80)

 

日中、乾燥が気になったときのスペシャルケア編

日中、乾燥が気になったら、メイクの上からでも乳液や美容オイルをそっと押し当てるようにしましょう。なるべく、エアコンに水分を奪われないようにすることが大切です。外出時は、コットンにふだんから使っている乳液やローションを浸して、出先に携帯すれば便利です。

また、美容オイルならミストなどより、乾燥が気になったひじ、ひざ、手肌などボディの乾燥にも小まめにケアできます。

さて、気温、室温ともに変動が激しかった日は、できれば夜、リカバリーのために集中保湿パックも心がけたいところ。乾燥で肌が弱っているので、洗い流すローションタイプのほうがおススメ。肌あたりが優しく、保湿できて、翌朝のケアの浸透をぐっと高めてくれること請け合いです。

 

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肌あたりがふんわり優しく、敏感肌でも安心。

セリジェオーガニックコットン 100枚入り 648円(税込/ハルメク0120-771-194) 

 

天然の杏子のタネ400個を低温圧搾。貴重なパルミトレイン酸を含み、べたつかず、顔にもボディにも◎。

セリジェ薬用杏仁オイル「APRI」EX〈医薬部外品〉60ml 9504円 (税込/ハルメク 0120-771-194)


 

夏場の乾燥肌対策 環境編

夏の乾燥肌対策

エアコンをつけているときは、必ず加湿器も稼働させましょう。卓上で作業しているときは卓上型のコンパクトな加湿器も便利です。

また、就寝時はベッドサイドに美顔器でスチームを出す、またはもっとシンプルに濡れタオルをベッドサイドにかけておくだけでも、違います。美顔器は直接顔に当たり続けるとかえって肌の水分を奪ってしまうので注意。

そのようなスペースがないときは、昔ながらのガーゼのマスク、できれば少し大きめのタイプや、ガーゼハンカチなどで口元を覆うだけでも◎。寝苦しい夜にエアコンをつける際の最もエコな自衛手段です。もちろん、スムースな肌再生を促すためには6時間以上の睡眠をキープして。

夏場の乾燥肌対策インナービューティ篇

乾燥肌対策になる栄養素は、

タンパク質 :皮膚の材料となります。特にコラーゲンが大切

鉄・ビタミンC :タンパク質と共にコラーゲンの材料。メラニンの消去にも必要です

ビタミンB群 :皮膚の代謝に必要

ビタミンD :ニキビや日焼け後の皮膚の炎症をおさえターンオーバーをサポートします

そして、肌にうるおいを回復させる栄養素として、ターンオーバーを促すビタミンA亜鉛も大切です。食材で言えば、うなぎやあなご、鶏のレバー、にんじん、モロヘイヤなどに多く含まれますが、食品は単体でとっても効果が上がりにくいもの。血行を促す鉄分を多く含むひじきなどと一緒に食べるなど、バランスよく食べることを心がけましょう。

最近の研究では、一般のヨーグルトに含まれるサーモフィルス菌を塗ると、保湿力を持つ成分セラミドを肌の上で生み、乾燥から肌を守る働きをすることがわかってきました。また、肌自体のセラミドを作る働きをサポートする機能も担っているそう。

もともと腸内環境を整えれば、自然と美肌に近づいていきますから、毎日のうるおい対策におススメです。なにより毎日快便であることが基本。便秘の人はいつ肌荒れしてもおかしくないので対策を。

免疫をあげることによって体内炎症を抑えて肌細菌叢(はださいきんそう)を改善するという、画期的なものです。砂糖なしのサプリの方がおすすめではありますが、ヨーグルトでも効果は認められています。

 

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キリン「iMUSE(イミューズ)」

「iMUSE1」は、発酵技術を培ってきたキリンが発酵のスペシャリストである協和発酵バイオと小岩井乳業とともに、乳酸菌の機能性について研究して生まれた、プラズマ乳酸菌配合の飲料です。飲料のほかにも、ヨーグルトやサプリメントも。

キリンiMUSE(イミューズ) レモンと乳酸菌 140円(税抜/編集部調べ)(キリンお客様相談室 0120-770-502)

 

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美容編集者、石山照実が主宰する美容編集者とライターの美容専門の編集プロダクション。美容に特化し、雑誌を中心に活躍する編集者とライターというプロ集団。企画から撮影、記事の構成、さらには動画までを担当。雑誌だけでなく、化粧品メーカーのパンフレットからwebサイトのコラムまで、幅広く活動中。

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