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老け見えだけじゃない!大人女性こそ鍛えたい口輪筋
口輪筋を鍛えるトレーニングでほうれい線・たるみ撃退
逗子メディスタイルクリニック院長
徳永理恵
公開日:2023.09.11
口のまわりを取り囲んでいる筋肉「口輪筋」が衰えると口角が下がる、頬がたるむ、ほうれい線ができやすくなるなど口元老けの原因に。さらに、口を閉じられなくなると健康にも悪影響が!表情筋トレーニングやエクササイズで口輪筋を鍛えて、口元から若返り!
口輪筋とは
口輪筋(こうりんきん)は、輪っかのように唇のまわりを取り囲んでいる筋肉です。口を開けたり閉じたり、すぼめたり、突き出したり、口元のさまざまな表情をつくる役割を果たしています。
口輪筋は、他の多くの表情筋とつながった交差点のような筋肉で、口角の位置や表情筋の働きにも影響しています。
口輪筋を鍛えると、口元が引き締まり、口角もきゅっと引き上がって生き生きした印象を与えられます。
また、口角は笑筋や頬筋、小頬骨筋、オトガイ筋、上唇挙筋など他の表情筋ともつながっているため、口輪筋を鍛えると頬のたるみ、ほうれい線、目元やフェイスラインのたるみ対策もできます。
口輪筋の衰えによる影響
口輪筋の衰えは、老け見えの原因になるだけでなく、健康にもさまざまな悪影響を及ぼします。
表情が乏しくなる
口輪筋からはたくさんの表情筋が放射状に伸びており、その他の表情筋とも密接に関わっている筋肉です。口輪筋が弱まると周囲の筋肉もあまり動かなくなるため、表情が乏しくなってしまいます。
唇が薄くなる
唇は粘膜や唾液腺のボリュームにもよりますが、口輪筋の厚みでも厚さが変わってきます。
加齢で口輪筋が萎縮していくのにしたがって、唇の赤い部分と皮膚の白い部分の境目がぼやけて、さらにぷっくりとした厚みが減っていきます。
口元老けの原因になる
口まわりにある口輪筋が衰えると、口角を引き上げにくくなり、口角が下がりがちになってしまいます。唇が薄くなったり、唇にシワができたりする要因にもなり、口元が老けた印象に見えてしまうことに。
また、口元のたるみ、ほうれい線、マリオネットラインが生じる原因にもなります。
鼻の下が間延びして見えるようになる
口輪筋は鼻と連動しており、衰えると鼻の下(人中)が間延びした印象になります。
加齢による口輪筋の衰えの他、長時間下を向いてスマートフォンやパソコンを見ている人、口を動かすことが少ない人は、表情筋が衰えやすいため注意が必要です。
虫歯・歯周病・口臭など口腔の健康状態の悪化
口輪筋が衰えると、口をしっかり閉じていることができなくなります。すると、唾液が蒸発して口の中が乾燥しがちな状態に。
唾液が減って口の中が乾燥する「ドライマウス(口腔乾燥症)」は、口輪筋が弱い人に多く見られるといいます。
唾液には細菌を流す役割があり、口の中が乾燥すると虫歯や歯周病、歯石の沈着、口内炎、口臭などさまざまな悪影響を及ぼすことになるでしょう。
誤嚥や口呼吸などトラブルにつながる
年齢を重ねることで口輪筋が弱くなると、唇を閉じるための力が低下します。すると、物をうまく飲み込めなくなり、食べ物が誤って気管に入ってしまう誤嚥(むせ)のリスクが高まり、「誤嚥性肺炎」を起こしやすくなります。
また、口輪筋が衰えると寝ているときに口が開いてしまい、いびきにつながったり、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすくなったりすることもあるため、注意が必要です。
口が空いたままになると喉の炎症、免疫力の低下、アレルギー疾患の悪化などの原因にもなります。
口輪筋の衰えセルフチェック!
口輪筋の衰えは、簡単な方法でセルフチェックができます。ここでは、2つの方法をご紹介します。
ほうれい線の危険度セルフチェック
鏡を使った簡単なチェックで、ほうれい線の危険度をチェックできます。やり方は簡単で、鏡の前で上の歯で唇を噛んだまま、上唇を持ち上げてみるだけ。
このとき、歯茎がしっかり見えるかがポイントです。上唇があまり持ち上がらず、歯茎があまり見えない場合は、口輪筋・口角挙筋・上唇挙筋といった口まわりの筋肉が衰えてきている可能性があります。
これらの筋肉が弱ってくると、ほうれい線につながるため、気になる人は早めにケアを始めましょう。
ペットボトルを使ったセルフチェック
続いては、ペットボトルを使ったセルフチェックをご紹介します。
- 500mLの空のペットボトルを用意する
- ペットボトルの中に100mLほどの水を入れて、しっかりキャップを閉める
- キャップ部分を唇で咥えて、顔を正面に向け、ペットボトルを水平の状態で10秒キープする
10秒キープできなかった場合、口輪筋が衰えている可能性があるでしょう。
口輪筋を鍛えるコアフェイストレーニング
ここでは、表情筋研究家・間々田佳子さんのオリジナルメソッドである「コアフェイストレーニング(表情筋トレーニング・フェイスヨガ)」から、口輪筋に効くトレーニングをご紹介します。
なお、コアフェイストレーニングは正しい姿勢で行いましょう。悪い姿勢で行うと使う表情筋にばらつきが出てしまうためです。以下の手順で、正しい姿勢を作ってから行いましょう。
- 体を起こして骨盤をしっかり立て、いすに座る
- 左右に骨盤を揺らしながら深呼吸をし、緊張をほぐす。顔や肩の力を抜いてリラックスする
- 頭・顔・体に1本の軸が通っているようなイメージで姿勢をキープ
ここからは、口輪筋に効くコアフェイストレーニングをご紹介します。
口まわりプッシュ
「口まわりプッシュ」は、口輪筋を鍛えることで、老け顔に見えるほうれい線対策ができる表情筋トレーニングです。
- 口を閉じ、舌先で内側からほうれい線をなぞり、左右に動かす
- 右から左、左から右、右から左、左から右、右から左の5回行う
口まわりの筋肉をぐっと引き締めるように意識しながら行い、口が開かないようにするのがポイント。顎が前に出てしまわないように注意しましょう。
ほうれい線アイロン
「ほうれい線アイロン」は、口輪筋を鍛えて、ほうれい線対策ができる表情筋トレーニング。口をぎゅっと閉じ、開かないようにしながら舌を回すのがポイントです。
- 口を閉じ、ほうれい線を舌でしっかり押してなぞる
- 5秒ほどかけて時計回りに1回まわす
- 同じように5秒ほどかけて反時計回りに1回まわす
リップトレ
「リップトレ」は口元老けにつながる口輪筋をしっかり鍛えるトレーニングです。眉間にシワができないように、口輪筋だけを使いましょう。
- 唇の左右を中央に寄せる
- 中央に寄せたまま外側に開き、できるだけ唇の形を丸くする
ウートレーニング
口元と頬の筋肉が衰えると、その上の脂肪の重みを支えきれなくなり、たるみが起こってブルドッグのような顔になってしまいます。
ブルドッグ顔の原因になる口輪筋と頬筋を鍛える表情筋トレーニング「ウートレーニング」で、口元のたるみをケアしましょう。
- 「ウー」という口の形をつくり、可能な限り唇を前に突き出す
- 口をすぼめたまま右側に動かし、そのまま5秒キープ
- 左側に動かし、そのまま5秒キープ
- ここまでの動きを、スピードアップして左右に10回行う
- これらの動きを「口元の筋肉をしっかり使った」と感じるまで繰り返す
ぴよぴよアップ
「ぴよぴよアップ」は、ひよこのような口をつくり、口輪筋と頬筋を鍛える表情トレーニングです。顔のゆるみや、むくみ解消ができます。エアプッシュも同時も行い、腹筋にも意識を向けましょう。
- 左右の頬を寄せて「ひよこ口」をつくる。このとき、しっかり頬を使うのがポイント
- 「ひよこ口」のまま「ぴよぴよ〜」と言いながら唇を10秒ほどぴよぴよさせる
- 「ぴよぴよ〜」と言いながら手で羽ばたくようにエアプッシュをする。腹筋にも意識を向けて行う
シューオーワー
「シューオーワー」は、日常生活で意外としっかり動いていない口輪筋や頬筋をしっかり鍛えられる表情筋トレーニングです。口輪筋や頬筋が鍛えられると、弾力が出てきたのが実感できるでしょう。
- 口をすぼめて「シュー」と息を吐きながら口輪筋をしっかり寄せ、唇を前に突き出す
- 「オー」の口をつくり、ほうれい線が消えるくらいしっかり鼻の下を伸ばす
- 「ワー」と目・口・顔全体を大きく開く
- 「シュー」「オー」「ワー」の顔の動きと呼吸を合わせ、鼻から息を大きく吸って、吐きながら行う
- 息を吐ききったらリラックスする
- 顔がぽかぽか温かくなるまで3~5回ほど繰り返す
口輪筋を鍛えるストレッチ・エクササイズ
ここからは、口輪筋を鍛えるストレッチ・エクササイズをご紹介します。
舌回し
「舌回し」は、口の中で舌を大きくぐるぐる回す簡単なエクササイズです。舌と同時に目も回すことで、口輪筋と眼輪筋(目のまわりにある筋肉)のどちらも鍛えられます。1日3回行いましょう。
- 上唇と歯茎の間に舌を入れる
- 舌を右に回し、裏側から右のほうれい線を押し上げる
- 右下の歯茎、下唇と歯茎の間を順番になぞる
- 裏側か左のほうれい線を押し上げる
- 最初の位置に戻ったら下を向き、出てきた唾液を飲み込む
- 休んで舌回しで使った筋肉をクールダウンさせる
モダイオラスほぐし
モダイオラスとは、口角結節(こうかくけっせつ)とも呼ばれ、顔中の筋肉が集まるターミナルのような部分のこと。口角の少し上にある小さなふくらみが、モダイオラスです。
モダイオラスが重たくなると、ほうれい線や口角が下がる原因に。「モダイオラスほぐし」によってストレッチすることで、口元老け対策ができます。
舌を上下に動かしながら、モダイオラスを内側から舌で押し、ゆっくりとほぐしていきましょう。このとき、舌を根元から大きく動かすのがポイントです。モダイオラスほぐしでは、舌の筋肉も同時に鍛えられます。
口輪筋を鍛えるときのポイント・注意点
ここからは、口輪筋を鍛えるときのポイントや注意点をご紹介します。
口輪筋の鍛え過ぎはNG
口輪筋のトレーニングは正しく行えば、ほうれい線や口元の若々しさを保つためのケアができます。しかし、やり過ぎると皮膚に負荷がかかり、唇まわりのシワの原因になってしまうことも。
口輪筋に限らず、表情筋のトレーニングは何度もやり過ぎず、適切な回数を毎日コツコツ続けていくことが大切です。
普段の姿勢にも注意する
現代人は、スマートフォンやパソコンを長時間見続けることが多く、つい下向きの姿勢が多くなってしまいがちです。
猫背やうつむき加減になっていると、顔のたるみや首のシワの原因になります。姿勢が美しいだけでも若々しく見えるため、普段の姿勢に注意して過ごしましょう。
口輪筋を鍛えて健康的に美しく!
口輪筋が衰えると、表情が乏しくなったり、口角が下がりがちになったりと、老け見えにつながります。また、口腔の健康状態の悪化や誤嚥や口呼吸などトラブルにつながるなど、美容だけでなく健康にも影響を及ぼすことも。
口輪筋は表情筋トレーニングやエクササイズなどで鍛えられるため、適度なトレーニングをコツコツ続けていきましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵さん
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、『医療の力でQOLを上げる』をコンセプトに、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。3人男子の育児にも奮闘中。所属学会:日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会
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