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2019年10月30日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
衣類を整理していたら、昔履いていたスパッツが出てきました(懐かしい!)。ツルツルしたストレッチ素材で、丈は膝上です。スポーティーにしたい日は、よくお気に入りのスカートに合わせていたっけ……。
初めてスパッツを見た娘が、「それ水着? エアロビクス用? レギンスでは……ないよね」と首をかしげています。ワタシも、言われてみればレギンスとスパッツの違いが気になってきました。
ファッションの流行が繰り返すときって、同じアイテムなのに名称が変化することが多いですよね。例えば、ジーパンがジーンズになり、今ではデニムと呼ばれているように。だから、スパッツとレギンスも呼び方が違うだけなのじゃないかしら?
調べてみたところ、海外では下半身にフィットするボトムス全般が、レギンス(英語)、あるいはカルソン(フランス語)と呼ばれています。生地や丈は無関係で、両者の見た目に違いはないようです。
レギンスは、元々乳幼児の防寒用に作られた二ットパンツがルーツで、爪先部分は袋状だったと考えられています。一方フランスのカルソンは、男性用の下着を指すケースもあるそう。
「南蛮服飾にみるカルサンの歴史的考察」という論文には、1550年以降(16世紀後半)のヨーロッパ諸国で、カルサン(ポルトガル語)と呼ばれたスペイン発祥のボトムスが流行していたと記されています。カルサンをスペイン語にすると「カルソン」、つまりフランス語と同じ単語になり、その意味はやはり下着です。しかし、当時はズボンとして流行したのだそうです。
カルサンはポルトガル人から日本にも伝わっていて、1593年(文禄2年)に豊臣秀吉が息子の元へ訪れた際の持参品には、「カルサン3着」という記録が残されています。なんとなく聞き慣れないカルソンですが、案外レギンスより、日本人との関わりは深いのかもしれませんね。
さて、タイツの先端部分を切り取ったのがレギンスとカルソンならば、1980年代から大流行したスパッツは? 諸説ありますが、英語の「spats」は泥よけに使う靴カバーなので、スパッツのルーツは「足首から膝下を覆うもの」という説が有力みたいです。昔の兵隊さんやスキーヤーが巻いていた「脚絆」(きゃはん)、登山用のゲートルなどです。
誰かがスパッツという和製英語を作り、意味と用途を取り違えたままはやってしまったというのが真相のよう。とにかく結論は、本来のスパッツは脚絆やゲートルだけど、ワタシが持っているスパッツはレギンスやカルソンだったということ! だからって、娘に説明してもいらないって言うんだろうなあ……。
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