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2021.11.022023年04月10日
素朴な疑問
山笑う・山滴る・山粧う・山眠るの意味って?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日、カルチャーセンターでやっている俳句教室に参加してきました。誘ってくれたご近所さんは、すでに何度か通っていたようで、作る俳句もなんだか本格的! 「山笑う」なんて言葉も初めて聞きました。
春の季語らしいのですが、他の季節にも山を使った季語はあるのかしら? 次回はワタシももっとかっこいい俳句を作りたいので、今のうちに調べておこうと思います!
春の季語「山笑う」の意味
「山笑う」とは、春の山の草木が一斉に芽吹きはじめ、動物たちも動き出して華やかになった山の様子を表した言葉です。
春の山の様子を人の動作にたとえて擬人化する手法を用いた表現で、俳句の季語として3月半ばから下旬にかけてよく使われます。由来は中国の北宋(ほくそう)の画家「郭熙(かくき)」の「春山淡治(たんや)にして笑ふが如く」という漢詩だそう。
注意したいのは「山笑う」が表しているのは、芽吹き前の状態を指すのではない点です。春の暖かさで花々が一斉に花開き、木々が芽吹き、地面では山菜が土を持ち上げて生えるにぎやかな様子を、「笑う」という言葉で表現しています。
かの有名な明治時代の俳人・正岡子規も「故郷やどちらを見ても山笑ふ」という句を詠んでいます。春が訪れた明るい山の風景と、子規の故郷である松山への思い入れが感じられますね。
山滴る・山粧う・山眠るの意味
山を擬人化した表現を用いた季語には、「山笑う」の他に「山滴る」や「山粧う」、「山眠る」があります。これらも山笑うと同様、郭熙の「山水訓」を引用したもので、以下のような意味で使用されます。
【山滴る】
読み方は「やましたたる」。山水訓の「夏山は蒼翠にして滴るが如し」が由来で、草木の葉で覆われて緑が滴るように見える夏の山をたとえた言葉です。夏の季語として使われます。
【山粧う】
読み方は「やまよそう」もしくは「やまよそおう」。山水訓の「秋山は明浄にして粧ふが如く」から、秋の山が紅葉で色づいた様子を指す秋の季語として使われています。
【山眠る】
読み方は「やまねむる」。山水訓の「冬山は惨淡として眠るが如し」から引用された言葉です。冬の山の静まり返った様子を指すことから、冬の季語として使われています。
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参照:大町市
イラスト:飛田冬子