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- 金澤翔子の言葉|ぜ~んぶ、心が決めるんだよ
ダウン症の書家・金澤翔子と母・金澤泰子さん。二人三脚で「書」の道を歩んできた二人、翔子さんの「書」と母の解説。ダウン症の書家の、最高に純粋(ピュア)な世界から、美しい心で生きるヒントが見つかります。《シリーズ第1回》
金澤翔子さん・泰子さんのプロフィール
1985(昭和60)年、東京生まれ。生後すぐダウン症と診断される。5歳で母・泰子(やすこ)に師事し、書道を始める。20歳で初の個展を開催。鎌倉の建長寺、京都の建仁寺、奈良の東大寺ほか、各地で個展を開く。2023年6月より、初のドキュメンタリー映画「共に生きる 書家・金澤翔子」が上映中。金澤翔子 公式ホームページ:https://k-shoko.org/
ぜーんぶ、心が決めるんだよ
いつも翔子に「心のありよう」を学ばせられる。
たとえば翔子の恋心。翔子はどんな恋もいつも両想いのラブラブ。自分が好きになれば、相手も同じ度合いで好きなのだ、と思う。結婚したければ、相手も結婚したいと考えている、と思う。
そして、その想いは長くは続かず、いつの間にかうまくほかの子に心変わりしていき、どの恋もハッピーエンド。いずれ儚く、脆い恋などというものは、これでよいのでしょう。あれこれ考え悩んでもほとんどの恋は消えるのだから......。
かくのごとく翔子は毎日が幸せ100パーセント。その心はいつも至福。
「心がすべてを決めてくれるのだから、幸せと思えば必ず幸せになれる」のです。
たくさんの人の心を動かす、翔子の書
「この子には知能がありません」と医師に面と向かって告げられたあのとき。「もう普通学級で預かれない、特殊学級へ移ってほしい」と話された小学校4年生のとき。正直、今のような大人びた翔子に出会えるとは予測もしていませんでした。
もうこれが最後、生涯一度限りの個展をと、銀座で大きな個展を開いたのが翔子20歳のときでした。あれから10年が経ち、翔子の書はたくさんの方の心を動かし、思いがけないご縁を次々と得ることになりました。
金澤泰子――『お母様、大好き』あとがきより
写真=中西裕人
※この記事は書籍『お母様、大好き』(ハルメク刊:2014年発売)より一部抜粋しています。
■シリーズ「ダウン症の書家・金澤翔子さん、泰子さん母娘の歩み」(全5回)
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