50代からの女性のための人生相談・44

人生相談:初めての同性との恋愛にふわっとモヤモヤ…

公開日:2021/11/12

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「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は53歳女性の「同性とのお付き合い」についてのお悩みに、仏教の教えをわかりやすく説いて「穏やかな心」へ導く住職・名取芳彦さんが回答します。

人生相談:初めての同性とのお付き合いでモヤモヤする

53歳女性の「同性とのお付き合い」についてのお悩み

53歳女性の「同性とのお付き合い」についてのお悩み

私は今、人生で初めて同性とお付き合いしています。 性別を超えて、人間としてとても居心地が良いのですが、ふわっとモヤモヤしています。

先のことは、考えても悩んでも仕方ないとは思っていますが、何か道しるべをお願いしたいです。

(53歳女性・S.M.さん)  

名取さんの回答:本来は相手が同性でも異性でも同じこと

名取さんの回答:本来は相手が同性でも異性でも同じこと

「ふわっとモヤモヤしている」は、とても魅力的な表現ですね。

坊主の癖のようなものでしょうか。私は自分の感覚を「なぜそう感じるのだろう」と掘り下げるのが好きです(これは、ネガティブな感情やマイナスの感情が起きたときに、心穏やかになるための仏教の手法です)。

S.M.さんが、どうしてふわっとモヤモヤした気持ちになるかは、察するしかありませんが、私同様S.M.さんが育った昭和はLGBTへの社会の共感力が低い時代でした。

ところが今や、広く社会が共感すべきあり方として考えられるようになりました。それでも、いまだに感情論として共感できない人、世間体を気にする人は少なくありません。

もしS.M.さんもそのお一人で、世間体が「モヤモヤ」の原因と感じるようなら、LGBTに関する本を2~3冊読んで偏見を払拭してしまうことをおすすめします。

私の娘の友達の中にLGBTの男の子がいて、高校生だった彼は「僕の恋愛対象は男だけで、その心理が面白いので大学は心理学を専攻しようと思うんですよ」とアッケラカンと言いました。

私の目を見てそう話す彼に、私は笑いながら「俺に惚れてもダメだからな」と言いました。彼は「大丈夫だよ、和尚。女房持ちには興味ないから」とカラカラと笑いました。以来、私は「LGBTの人は、普通の人である」と思うようになりました(彼はその後、志望校に合格して心理の研究を続けています)。

LGBTの人に共感できて偏見や世間体への不安が解消すれば、あとは交際相手が同性でも異性でも同じことでしょう。人と人、大人同士の付き合い方の問題です。

相手を優先すると居心地の良い時間がもっと増える

相手を優先すると居心地の良い時間がもっと増える

人には「自分はこうしたい」という都合があり、相手にも都合があります。互いの都合が相容れず、ぶつかることもあるでしょう。そのときに、自分の都合(願い)は、どうしても通さなくてはいけないものかを考え、相手の都合を優先させる心の余裕は持ちたいものです。

50年以上、人生を経験していらっしゃるので、振り返れば、是が非でも押し通さなければならなかった自分の都合など、そうたくさんなかったでしょう。「あなたの都合をお先にどうぞ」という気持ちで、自分の都合をひっこめてもたいした問題でないことは、佃煮にできるくらいあるものです。

今後もそれらの経験を生かしていけば、居心地の良い時間が増えていきます。

“友達以上”の関係の場合ですが、これも互いが精神的に依存し合う(すぐに嫉妬するような)関係にならないように注意していれば大丈夫でしょう。二人とも大人として、精神的、経済的に自立し、相手の負担にならない、程良い距離感を心掛けるということです。

初めての感覚や不思議な気持ちを楽しむといい 

初めての感覚や不思議な気持ちを楽しむといい


相談の中でおっしゃるように“人生で初めて”の経験をし始めたS.M.さん。初めての経験ですから、地に足がつかない「ふわっとした」感覚になるのは当たり前です。

この先、そんな「ふわっとした」気持ちは、そう何度も味わえるものではないでしょう。ですから、今は、「“初めて”という感覚はこんな不思議な気持ちになるのか」と思って、その気持ちを楽しまれるといいと思います。

一人でないのは良いものです。私の好きな講談のせりふに「楽しいことがあっても語り合えず、悲しいことがあっても訴えることもできぬ。さて一人身というものは心細いものよ」があります。

S.M.さんは、今、楽しいことを語り、悲しいことやつらいことを訴えられる人を得たのです。それを意識すれば、感謝の気持ちで相手に接する場面が増えていくでしょう。

最後に、ニュアンスは異なりますが、アメリカの自動車王といわれるヘンリー・フォードの言葉をご紹介して、お二人のこれからにエールを送ります。

「集まることで始まり、共に居続けることで進歩し、共に励むことで成功する」

人生は、まだまだ、これから、ですね。

回答者プロフィール:名取芳彦さん

回答者:名取芳彦さん

なとり・ほうげん 1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所研究員。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)など、著書多数。

構成=渡邊詩織(ハルメクWEB)

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