50代からの女性のための人生相談・87
人生相談:対等じゃない夫婦関係…私の自由はどこへ?
人生相談:対等じゃない夫婦関係…私の自由はどこへ?
更新日:2022年11月05日
公開日:2022年07月23日
58歳女性の「上下関係を重んじる夫が嫌…」というお悩み
5歳年上の夫と社内結婚をして37年。いつまでも先輩と後輩という上下関係や、男女の差というものを重んじる夫です。
今時、信じられない!いつの時代の人?と感じることの多い夫ですが、私自身は「平日は自分の時間を楽しみ、週末は夫と過ごすことが仕事!」と割り切っています。
でも、まもなく夫が定年です。夫はその後、働く気もなく、友達もいなく、趣味もなく、一人で出掛けることもありません。
なので「あー、夫の定年後の毎日が思いやられるな~。私の自由はどこへ?」とストレスでどうにかなりそうです。
(58歳女性・さよぼうさん)
岡野さんの回答:ご自身の第二の人生の準備をしていきましょう

夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。
結婚37年、5歳の年齢差とのこと。さよぼうさんが結婚した時代には、夫婦間でも上下関係がかなりあったと思います。
さよぼうさんの時代の妻たちは、結婚生活を続ける間に、普遍性を大事にする人もいれば、自分たち夫婦の上下関係や強弱関係をシフトしていって、妻が家のイニシアチブ(主導権)を握っている場合も少なくありません。
経済を担う夫より、家事や育児、舅姑を面倒みたり、そういうところで妻が力を台頭させて家の実権を握っていくというケースです。
しかしそんな中、さよぼうさんは結婚した当時からのスタンスを変えず(変えられなかったのかもしれませんが)ずっと夫を立て、気分を損ねないようにしてきたことは、悪いことではありません。むしろ、ぶつかりを最小限におさえて、エネルギーの消耗やストレス回避の最善策だったと思います。
ただ、さよぼうさんは、これから来る夫の定年後の生活に不安を感じるとともに、今までの夫に迎合したり、上下関係を認めてきたりというところに、不満も覚えているのですね。

今までは平日に自分の時間を楽しみ、夫と週末過ごすことは自分の仕事と割り切っていたかもしれません。しかし、何となく今後はこれが続かないという不安を抱えた以上、ここからはさよぼうさんも第二の人生のスタート準備が必要です。
自分のライフスタイルを、自分流の生き方を、夫との関わり方を、しっかりと構築していく時期かと思います。
家庭内のイニシアチブを握るには家計を把握する

夫と揉めたくないから我慢して生活を送るのもありでしょう。
一方で、夫の定年を機に今までの不満を伝えて、本気でぶつかり自分の権利を勝ち取ったという方もいます。
大事なことは、今までの夫との関わりの中で、どれだけ自分が「夫にとっての必要性」を築き上げてきたか、ということです。
夫からしたらさよぼうさんが何でもやってくれ、口答えもしないという生活に慣れきって、当たり前になってしまっています。さよぼうさんが少々なことを言ったり行動を起こしたりしても、夫には届かないかもしれません。
そこで、さよぼうさんが夫にとって「唯一無二、必要な妻」であることを、わかってもらうことです。
さよぼうさんがいないと困る、世間体でも、日常の家事でも、雑務でも、「いなくなったら困る!」と思わせることです。

また、離婚を考えるためではなく、力関係のために、家の預貯金や退職金の使い道などを話し合い、家庭内の経済をしっかりと把握することが重要です。
経済を握る人というのは力を持ちますので、できればさよぼうさんがしっかり家庭内の経済のイニシアチブ(主導権)を握って、名義も含め、夫から信頼されている今のうちに預貯金を自分の管理下にしていくといいでしょう。
今までの感謝とこれからのことを伝えて

次は、今後の話し合いの準備です。定年後、お互いがパートナーとして認め合い、不安のない自立した関係になるための話し合いです。
定年まで数年あるでしょうが、さよぼうさんのご主人のように「妻が下」といつまでも思ってる夫には、早めに準備を進め、少しづつでも対等な関係になるように刷り込んでおくのがいいでしょう。
いきなりけんか腰だったり、こちら側の都合ばかりの話し合いでうまくいったケースはありません。
準備ができ次第(定年退職の日でもいいでしょう)、今までの37年の結婚生活で夫を労い、夫婦、家族のいい思い出となるようなことを感謝で始まる言葉で手紙に書き連ねてみましょう。
その上で「私はあなたとの生活の中で、これだけがんばってきました。経済を担うという点では、あなたががんばってくれていたと思います。
家を守るという点、家事や育児、あなたへのサポートでは、私は相当にがんばってきました。今のうちから、あなたが定年して家にいるようになったときのことを話し合えたらと思います。
一緒に家事をやったり、お互いが、ストレスや不安を抱えないような定年後の生活を、今から少しづつ話し合っていきたいと思います。どうぞよろしく」。
というようなジャブをまずは打っておいて、夫と対等に物事を考えていくための準備をすることです。
早くからコツコツ意思表示をしてもいいでしょう。
意思表示をすることがさよぼうさんのストレスになるようだったら、定年退職の日に伝えるのでもいいでしょう。とにかく心構えの準備を始めてください。
意思表示をしても夫がわかってくれない場合は、思いきってストライキです。

「だったらもう私は好きにさせてもらうわ」と(笑)。
必要な人からこんなことを言われると、目が覚めて妻を大事にするというケースがよくあります。
今までの自分のがんばりを少しずつ伝えて

話し合いでわかってくれる夫、ストライキ起こさないとわかってくれない夫と2タイプありますが、さよぼうさんの夫はあなたの優しさゆえに後者タイプのような気がします。
さよぼうさんのような“我慢の人”は、自由という代替案があったからこそ、今までの夫婦関係を続けられたのです。定年後も自由の代わりになるような選択的補償があればいいのですが、それが見込めないなら、アクションを起こしておかないと夫に従う、今までの生活の繰り返しになってしまいます。
さよぼうさんたちご夫婦が今までの夫婦の絆に加えて、これから対等なパートナーシップを形成するためには、お互いが自立した関係になることが大事です。
わからない、わかってくれないだろうと諦めず、今まで妻としてがんばってきたことを伝えて夫に定年後の生活、夫婦関係をイメージしてもらう努力を今から重ねていきましょう。
きっと、これからも「必要な妻」としてさよぼうさんを大切にしてくれると思います。
回答者プロフィール:岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。
・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」
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