年を重ねると、あるがままだと
不機嫌になりがち
「先生はいつも笑顔ですね」と、よく言われます。
子どもの頃、母から「まりちゃんは美人じゃないけど、笑顔がいいよ」「笑っていると怖くなくなるよ」と言われ、それ以来、笑顔でいるよう心掛けています。ロイヤルスマイルのような上品な笑顔じゃなく、ガハハ笑顔のときもありますけどね(笑)。もっとも、家にいるときは時々ブスッとした表情になっていて、娘から指摘されることもありますが(笑)
これまで生きてきて、苦労だけでなく
いいことや、うれしかったことも
たくさんあったはず。
それを忘れているのはもったいない。
思い出してご機嫌でいましょう
昭和女子大学の総長で、ベストセラー『女性の品格』以降も『女性の覚悟』など人生後半のよりよい生き方を指南してきた坂東眞理子さん。70代後半を迎え実感するのは「ありのままでいない」努力も時には必要ということ。坂東さんの特別インタビュー第5回。
「先生はいつも笑顔ですね」と、よく言われます。
子どもの頃、母から「まりちゃんは美人じゃないけど、笑顔がいいよ」「笑っていると怖くなくなるよ」と言われ、それ以来、笑顔でいるよう心掛けています。ロイヤルスマイルのような上品な笑顔じゃなく、ガハハ笑顔のときもありますけどね(笑)。もっとも、家にいるときは時々ブスッとした表情になっていて、娘から指摘されることもありますが(笑)
毎日を機嫌よく過ごすことはとても大事なことですね。不機嫌でいると、周りにいる方たちに失礼なだけでなく、自分自身も気分がますます落ち込んだり、クヨクヨしてきたりします。年を重ねて、あるがままの気分に任せていると、どんどん不機嫌になっていくのよね。だから私は、50代を過ぎた頃から、「自分らしく」とか、「自分の気持ちに正直に」というのをやめ、意識して上機嫌に振舞うよう努めることにしています。
つらかったことは心に深く刻まれているので、よく覚えているものです。つらいことは自然と思い出してしまい、そちらの方に傾いてしまいますから、敢えて努力していいことを思い出すようにしないとね。これまで生きてきて、いいことや、うれしかったこともたくさんあったはず。それを忘れているのはもったいないもの。私も思考が暗い方に傾いていきそうになったら、「ダメダメ、軌道修正、軌道修正」と自分に言い聞かせています。