今、あの頃を思い出すと、
仕事ができるようになりたいと
一生懸命もがいていた自分を
「いじらしいな」「好きだな」
とも思うんです。

昭和女子大学の総長で、ベストセラー『女性の品格』の著者としても知られる坂東眞理子さん。当時は珍しいワーキングマザーとなり、仕事と育児の両立に悩み奮闘し続けた坂東さんが今振り返って思うこととは……?働く女性へのエール、特別インタビュー第3回。

女子の就職先はたったの3択
これしかないかと「公務員」に

2024年、とてもうれしいことがありました。1月10日の「今日は何の日?」というNHKの番組で、「1978年1月10日、第1回『婦人白書』が発表されました」と放送されていたのです。思わず、「私よ~、私が書いたのよ~!」と叫んでしまいました(笑)

第1回の『婦人白書』は、私が32歳のときに提案して書き上げた仕事でした。総理府に入省して10年、この白書を世に出せたことで、「やっとまともに仕事ができた。これで公務員としてやっていける」、そう思えたのです。

でも、そこに至るまでの間は、仕事への自信を持てず、自己肯定感も低く、仕事と子育てで一日一日が綱渡りの状態。20代は人生で初めて経験する“ジタバタ期”でした。

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