上京し、芸能界デビュー、
商品「風吹ジュン」を生きながら
私は中学を卒業してから、18歳で上京し、20歳のときに芸能活動を始めました。
たとえ無一文になっても自分を守るべきときがある。
自分を大切にすることは闘いです。
中学生で自立、自炊も身に付き始めた数年後、風吹さんは上京し芸能界デビュー。自分だけではままならない大人の世界に巻き込まれていきます。必死にもがき続ける中、助けてくれたのは……。今だから語れる、風吹ジュン特別インタビュー第2回。
私は中学を卒業してから、18歳で上京し、20歳のときに芸能活動を始めました。
歌手としてデビューしてからは、たくさんの大人にまわりを取り囲まれ、移動するにも食事をするにも必ず誰かがついている状態。大きな波に飲み込まれるように、自分で考えることも休むこともできないまま、風吹ジュンという商品が出来上がっていきました。
無理をして歌を歌い、着たくないものを着せられて、作られた自分を演じ続けることに耐えられなくなった私は、あるとき「辞めます」と宣言したんです。当時23歳。全部を失ってもいいという覚悟でした。
作られた自分から脱却することと引き換えに、私は身に覚えのない契約も含めて、すべての責任をとるために、無一文どころか借金を背負うことになりました。そんなときに、いろいろと言葉をかけてくださったのが樹木希林さんでした。