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- 銀粉蝶さんの流行や年齢の変化に捉われないおしゃれ
時代や年齢が変わってもずっと素敵でいたい。でも変化を乗り越えて、それを楽しむにはどうしたらいいのでしょう?数々の舞台やテレビドラマで活躍し、私服のコーディネートをまとめた著書も人気の女優・銀粉蝶さんにお話を伺いました。
銀粉蝶さんのプロフィール
80年代初頭、劇作家・演出家の生田萬と共に劇団『ブリキの自発団』を創立。数多くの舞台、TVドラマ、映画とさまざまな作品に精力的に出演している。2010年、舞台「かたりの椅子」、「ガラスの葉」で第18回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。著書に『カンタン服でいくわ~銀さんの春夏秋冬~』(双葉社刊)がある。
ファッション=流行だけじゃない。自分の好きを大切に
自然体で、でも何だかおしゃれに見える――銀粉蝶さんのファッションは、いつもそんなふう。特別がんばっている感じはしないのに、どこか素敵さが漂います。
そう本人にお伝えすると「私、本当は全然おしゃれじゃないんです。今の流行もほとんど知らないし、今年の夏は特に暑くて、とにかくラクな服を選んでいました。だから『おしゃれですね』って言われると、思わず『スミマセン』って心の中で謝っちゃうの(笑)」
「特にコロナ禍を経てからは意識の変化もあって、おしゃれが優先事項ではなくなったように思います。でも、その中でも自分の“好き”はずっとある。中学生のとき、自分の好きな服を買っていいよと言われた頃から、好みはほとんど変わっていないかも。
昔イギリスの音楽をよく聴いていたこともあって、ファッションもトラッドな服が大好き。気の迷いでいろいろなファッションを試したこともありますが(笑)、自我が芽生えたあの頃に『これが好き!』と思ったものは、そのあと人生経験を積んでもそうそう簡単になくなったりはしないんだな、と年々確信しています」と銀粉蝶さん。
根っこにあるのは「制服」好き。原型の美しさに惹かれます
流行や年齢の変化に関わらず、今もトラッドが大好きという銀粉蝶さん。
「10年くらい前だったか、あるとき友人から『あなたって結局“制服”が好きだよね』って言われて、『そうかも!』ってハッとしたんです。制服って『型』そのものが普遍的に美しくて、そこがいい。洋裁を習うとき、原型となるパターンを覚えるでしょう? そのパターンの美しさにときめきを感じるんです。
昔買った大好きなワンピースもベーシックな原型に近いようなシルエットで、見つけてすぐに購入しました。パールをつければ結婚式に、お葬式には何もつけずに……と、冠婚葬祭いつでも使えるんです」
そんな銀粉蝶さんが取材当日にお持ちくださった私服は、大きめのフリルをきかせたサックスのブラウス、かわいいボタンのついた黒いシャツジャケット……流行り廃りのないデザインに、時代を超えてときめく要素がちりばめられたものばかり。色褪せないように裏返されて畳まれた服たちは、昔から大切に着ていたことが伺えます。
「今流行しているものに詳しくないから、流行遅れの服ばっかりで(笑)。でもやっぱり、自分の好きなものは変わらないなって思います。今は昔よりファッションが安価で、すぐ手に入る分、使い捨てのようになってしまうこともありますよね。でもベーシックな魅力のある服は、大切に着ていればずっと着られる。ちょっとくらい値の張るものでも、長い目で見ると、結局はその方が安く買ったことになると思うんです」
年齢や体型は年々変化するもの。それを逆に楽しめたら
もう一つ銀粉蝶さんが好きというのが、ユニセックスなファッション。
「メンズやビッグサイズの服をガバッと着るスタイルが大好き。とにかく洋服選びで一番大事なのはラクなこと。着ていてストレスがないし、見た目としても素敵ですよね。それに、体型だって隠せる! 年を重ねるごとに、どうしたって体は変化するもの。例えば太ったことを気にして細く見えるようにとタイトな服を無理やり着るよりも、今の体型を楽しんだ方がいい」(銀粉蝶さん)
「私は昔から靴が大好きで、ファッションの興味の半分以上は靴!っていう感じだったんですが、外反母趾や巻き爪に悩まされ、以前のように靴のおしゃれを楽しめなくなってきました。そのことにがっかりもしますが、くよくよ悩んでいてもしょうがない。だったらスニーカーでいいじゃない?って。ファッション=流行ってわけじゃなく、やっぱり自分が楽しむものですから」
何を着たって自由。“若作り”だって成功すれば大したもの
「好きな服を着るときに、恥ずかしいとか、おかしくないかしら、なんて考える必要はなくて、自分の自由にするのが一番。“若作り”って否定的な意味合いで使われる言葉だけど、“若作り”だって成功したら、それはそれで大したものじゃない?(笑)」そう銀粉蝶さんは言います。
「私、体の大きな女性が、ゆったりした服を颯爽と着ているのがすごく好きで。人柄的にも大らかに見えるし、何があっても受け止めてくれるような、自信がある感じがするのがいいのかな。やっぱり服って、その人が楽しんで着ていれば、おしゃれに見える。それが何より大切なのかもしれません」
撮影=古谷昭洋 スタイリスト=大貫まりこ ヘアメイク=長谷川弘美(ESPER) 取材・文=峯積抄公子
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ハルメク おしゃれ編集部では、インスタグラムでもコーディネートのコツなどを紹介しています。@halmek_oshare
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