プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック

種類いろいろ!「ガーベラ」を夏らしく楽しむ方法

公開日:2022.08.21

夏の花火を連想させる「ガーベラ」を部屋に飾りませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で、「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、品種が豊富なガーベラの飾り方・楽しみ方を伺います。

晩夏に飾りたい花火のような「ガーベラ」

晩夏に飾りたい花火のような「ガーベラ」

よく見かけるガーベラですが、切花は約2000種の品種があるとされています。

色や形も豊富で、極小輪から巨大輪までサイズもさまざま。こまめにお手入れすれば、夏場でも持ちのいい花です。

今回はさまざまな種類のガーベラと、花あしらいのコツをご紹介します。

ガーベラには目がある?! 黒目or白目

ガーベラには目がある?! 黒目or白目

目玉のようにも見えるガーベラの中心部分ですが、主に「芯白」タイプ(写真左)と「芯黒」タイプ(写真右)があり、花屋では「白目」「黒目」と呼んだりします。

実はこの部分は「菅状花(かんじょうか)」と呼ばれる小さな花が集まったもの。花びらに見える部分は「舌状花(ぜつじょうか)」で、こうした多数の花が集まってできている頭状花序(とうじょうかじょ)と呼ばれる花なのです。

主にキク科の花に見られる姿で、ヒマワリも同じ構造をしています。

ガーベラの花のサイズは、3~20cmといろいろ

ガーベラの花のサイズは、3~20cmといろいろ

一般的なガーベラの花は直径7~8cm程度ですが、最近では超巨大輪や極小輪の花もあります。

超巨大輪は直径約15~20cm、極小輪は直径約3~4cmと同じ花を思えないほどサイズのバリエーションがあるのです。

これもガーベラ?と思うくらい、咲き方のバリエーションが多彩

これもガーベラ?と思うくらい、咲き方のバリエーションが多彩

ガーベラは咲き方のバリエーションも豊富です。

最も一般的なガーベラは「一重咲き」ですが、その他にも「半八重」や中心まで細かな花弁がびっしりと付いている「八重咲き」、尖った花弁の「スパイダー咲き」、花弁がカールした「カール咲き」といった咲き方があります。

ガーベラの飾り方1:他の花を混ぜず、スタイリッシュに

他の花を混ぜず、スタイリッシュに

最初に紹介する花あしらいは、晩夏の花火をイメージ。

数あるガーベラの中から選んだのは、まるで花火のようなスパイダー咲きの「レネゲード」という品種です。

花の直径が10cm以上もある大輪で、とても色鮮やか。芯のベルベットのような深い黒も漆黒の夜空のようで花火の雰囲気にぴったりです。

ガーベラは他の花や葉を混ぜずに生けると、とてもスタイリッシュ。花瓶全体にふんわり生けずに、片側に花をまとめて傾けて生けます。

茎も美しいので、透明な花瓶に生けて全体の姿を楽しんでみてください。

ガーベラの飾り方2:花やグリーンをプラスしてまったく違う雰囲気に

ガーベラの飾り方2:花やグリーンをプラスしてまったく違う雰囲気に

シンプルにガーベラの姿を楽しんだら、花やグリーンを加えてみるとまったく違う印象に変身します。メインのガーベラは、先に紹介したスパイダー咲きの「レネゲード」です。

今回の花あしらいは、ふんわりランダムに生けて、大輪の打ち上げ花火のようなイメージで。

新たに加えたのは、カール咲きのガーベラ「パスタベネチア」と線香花火のような黄色の小花「ミシマサイコ」、グリーンの小花「タラスピ(ぺんぺん草)」と鮮やかな斑入りの枝もの「セイヨウイワナンテン・レインボー」です。

いろいろな花材を混ぜて生ける際は、一番茎が固いものから生け始めると、他の花を支えるベースになるので形が決まりやすくなります。

今回の場合であれば「セイヨウイワナンテン→ガーベラ→タラスピ→ミシマサイコ」の順で生けています。しっかりした枝、主役の花、細かな花や葉といった順は他の花を生ける際も、生けやすい方法。

自分の頭の中のイメージを形にしていくのも、花あしらいの楽しみです。難しく考えずに、ちょっとしたコツを意識してお試しくださいね。

ガーベラのお手入れ方法

ガーベラのお手入れ方法

ガーベラはとても日持ちのいい花ですが、お手入れにはちょっとしたコツがあります。

空洞の茎には細かな繊毛が生えていて水に付くと傷みやすい性質です。そのため、少なめの水で茎が水に浸かる部分を少なくすることが長く楽しむ秘訣です。

お手入れの際は、水に浸かった部分の茎を切り取りましょう。できれば毎日行うと、ものすごく花持ちが良くなりますよ。

  • 出回り時期:通年
  • 香り:なし
  • 学名:Gerbera jamesonii Hybrid
  • 分類:キク科ガーベラ属
  • 和名:大千本槍(オオセンボンヤリ)、花車(ハナグルマ)
  • 英名:Gerbera
  • 原産地:南アフリカ
  • 花言葉:「希望」「前向き」「常に前進」 など

構成・写真=石川恵子(第一園芸・花毎)

■もっと知りたい■

花毎(はなごと)

花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。書籍に『花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)

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