プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック

夏の花「ヒマワリ」の切り花を長く楽しむ飾り方

公開日:2021.07.30

更新日:2022.07.25

「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で、スタイリングを手掛ける谷中直子さんに季節の花の飾り方を伺います。大暑の夏、太陽を思わせるヒマワリの花を、最後まで楽しむテクニックをご紹介します。

ヒマワリはどんな植物?

ヒマワリはどんな植物?

ネイティブアメリカンの貴重な栄養源として紀元前から栽培されていたとされる植物です。
その後、ヨーロッパに種が持ち込まれ、スペインからフランス、ロシアへと広まっていきました。

日本には17世紀末に伝来したとされ、伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)や江戸琳派の画家たちがこの花を描いています。

食用や観賞用として日本各地で生産されていますが、切り花の主要な産地には千葉県、栃木県、山形県などがあります。

切り花は意外にも一年中出回りますが、出荷の最盛期は6月から9月頃です。

ヒマワリの花は一輪の大きな花のように見えますが、中心の目のように見える部分に小さな花(舌状花)が集まっています。それがはっきりとわかるのは種になった時で、花1つに1個の種ができるため、1本から1500から3000個の種が作られます。

ヒマワリ全体の花言葉は 「あなただけを見つめる」、「憧れ」。海外での花言葉は 「Long life (長寿)」、「Adoration (崇拝)」などです。

  • 出回り時期:ほぼ一年中(最盛期は6月~9月)
  • 香り:なし
  • 学名:Helianthus annuus
  • 分類:キク科ヒマワリ属
  • 和名:向日葵(ヒマワリ/ヒュウガアオイ)、日輪草、など
  • 英名:Sunflower
  • 原産地:北アメリカ

ヒマワリというと、花弁が黄色、中央部分が黒、といったイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、八重咲や茶系なども出回っています。

ヒマワリの切り花のお手入れ方法

水を好む花ですが、茎には産毛があるため、水が濁りやすく茎も傷みやすいので毎日水替えと切り戻しを行うのがおすすめです。

花が大きいものほど水下がりが起きやすいので、葉はできるだけ取ってください。花びんの水が少なすぎると、水下がりを起こしますので注意が必要です。

ヒマワリの花の飾り方:ゴッホのヒマワリをイメージする

ヒマワリの花の飾り方:ゴッホのヒマワリをイメージする

谷中:「ヒマワリと言えばゴッホの作品が思い浮かびませんか? あの名画のイメージで素朴な器にざっくりと生けてみました。品種や形も違うものを何種類か使うのがポイントです。花びらが落ちた花もかわいいので、ぜひ使ってみてください」

実はゴッホのヒマワリは満開の花だけではなく、花びら(正確には舌状花)がないものも描かれています。ヒマワリならではのユニークさを生かして、自由な気持ちで楽しみましょう。

今回はミルク缶のような形の器に生けていますが、ピッチャーなどでも素敵に生けられます。

ヒマワリの花の飾り方:観葉植物を足してみる 

ヒマワリの花の飾り方:観葉植物を足してみる 

谷中:「くたっと元気がなくなってきたら、短く切って今度は小さな観葉植物と一緒にバスケットに入れてアレンジしてみました。コップに入れたヒマワリと観葉植物と合わせるとアレンジメントの雰囲気が出て、また違った雰囲気を楽しむことができます」

水を替えるたびに少しずつ切り戻して短くなったヒマワリも、組み合わせ次第でまったく違った表情になりますね。今回ヒマワリに合わせたのはツル性観葉植物の「ディスキディア」と「ハルシャギク」ですが、組み合わせはお好みの植えものでOKです。

ポット苗の場合は10cm程度の小さなもので、枝垂れるタイプの観葉植物が合わせやすいかと思います。
 

ヒマワリの花の飾り方:短くカットして最後の一輪を楽しむ

ヒマワリの花の飾り方:短くカットして最後の一輪を楽しむ

谷中:「ヒマワリは、いろいろな飾り方で楽しんで疲れてきても、最後の一輪までしっかり楽しめます。茎だけが傷んでいたら、思い切って短くカットしましょう。花びらが傷んでいたら、思い切って取り除いてしまいます。形の違う器をいくつか集めて、庭で摘んだ花や草もそれぞれの器に生けます。小さな器に生けたものを集めて飾ることで、簡単にセンスよく見せることができます」

このときの器はコップや空き瓶なども使ってみてください。ガラスや陶器といった違う質感の器を合わせるのもよいかと思いますが、器合わせに迷う場合は、ガラスならガラスだけ、陶器なら陶器だけ、と同じ質感の器にすると、簡単にまとまり感がでます。

8月は、スターチスの飾り方をご紹介します。

文=石川恵子(花毎)

■もっと知りたい■

 

※この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。
>>花毎で「二十四節気の花あしらい」を読む

花毎(はなごと)

花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。書籍に『花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)

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