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- 冬でも満開!パンジー・ビオラの育て方、品種の選び方
寒さの厳しい冬こそ、ベランダガーデニングを楽しみたい。パンジーとビオラは、今のシーズンにぴったり! 冬から春にかけて花壇の主役となる、パンジー、ビオラの育て方を、第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の石川恵子さんにお聞きしました!
秋冬はパンジーとビオラの植え付けにピッタリのシーズン!
花の少ない冬から春にかけて、たくさんの花を次から次へと咲かせるのがパンジーとビオラです。
長年人気の花苗ですが、最近ではニュアンスカラーの花色やフリル咲きなど、多種多様な品種が毎年登場しています。
早いお店では9月から苗が並ぶこともありますが、11月に入るとユニークな色が並び始め、育種家さんが育てた個性的な品種はさらにゆっくりで、11月下旬頃に出揃います。
私もこのパンジーやビオラの魅力にはまって早10年。ずいぶんたくさんの品種を育ててきました。今回は今までの経験から感じたちょっとしたコツなどを交えて、パンジーやビオラの魅力をご紹介していきたいと思います。
パンジー・ビオラの花の色から選ぶ品種
また、私の個人的な見解ですが、パンジー、ビオラは花色によって生育スピードや晩春以降の花持ちが異なるように思いますので、ご参考までに色ごとの特徴をご紹介します。
- 黄色系:ポット苗時から生育旺盛で花数も多い。
- 紫~青系:黄色に次いで生育旺盛。花数も多いが春の高温期になるとウドンコ病の発生率が高い。
- 白系:ポット苗時は花数の多いものや、少ないものなどさまざま。徐々に花数が増えて、かなり大きく育つ。
- ピンク系~アプリコット系:ポット苗時は花数も少なく、株もコンパクトな物が多いが、徐々に株が充実して、晩春以降最も長持ちする傾向にある。
- 赤系:ポット苗時から生育期までコンパクト。
おすすめのパンジー・ビオラの品種
パンジーとビオラの違い
どちらもスミレ科の植物で、以前は大輪をパンジー、小輪をビオラと呼んでいましたが、現在では品種改良が進み明確な区別ができなくなっています。
パンジーとビオラは、スミレと何が違う?
パンジーもビオラもスミレ科の植物で、ヨーロッパの自生種を品種改良して作られました。
スミレとの違いはパンジー、ビオラは秋から開花しますが、多くのスミレは3月頃から開花します。また、パンジー、ビオラは1年草ですが、スミレは多年草です。花や草丈も一般的なビオラのサイズよりも小ぶりなのが特徴です。
最近人気!フリル咲きパンジーの品種に注目
最近大人気なのが、フリル咲きタイプのパンジーやビオラです。
特にパンジーはフリルが強く出るタイプが増えていて、一見すると何の花かわからないようなものも。品種としては「絵になるスミレ(写真の花)」「ローヴ・ドゥ・アントワネット」「ドラキュラ」「ミュシャ」などがあります。
ユニークな品種
今回、植え付けのために購入した品種を紹介します。写真は極小輪ビオラの「リトルコニー」。1~2cmほどの小さな花を咲かせる品種です。反対に直径10cmを超える超巨大輪のパンジーや、這うように咲くタイプのビオラもあります。
「乙女ごころ」
人気育種家の庭人さんこと片山氏による、フリル咲き×パステルカラーがロマンティックな品種。庭人さんの苗は過去にいくつも育てましたが、この「乙女ごころ」は初挑戦。
「ミルフル アンティークフリル」
サントリーフラワーズさんのフリル咲きビオラ。前回とても長く、美しく楽しめたので、今回もアンティークフリルというアプリコット系~ブラウン系の色合いを選びました。他にもブルーフリルやピンクフリルなど数色のタイプがあります。
「パンジー ミニフリフリ」
花色の濃淡にひかれて初購入。
「ピンクコアラ」
小さい花がかわいらしい品種を、たくさん育種されている見元園芸さんの品種です。ビオラの中でも花のサイズが小さく、次から次へと花が咲きます。これもここ数年毎年のように購入しています。
パンジー・ビオラ苗の選び方
買い時
関東以南では気温の低い日が続く11月に入ってから選ぶことをおすすめします。
前出の通り、9月頃から苗は出回りますが、汗ばむような気温が続くと葉や茎が徒長といって、ヒョロヒョロと長く伸びてしまい、見た目も生育状況もバランスが崩れてしまいます。
苗の選び方
ビニールポットを持ったときに、ぐにゃっとした感じがするものは根の張りが不十分であることが多いです。しっかりと育った苗は写真のように根(白い部分)がまわっていて、ポットを持ったときに硬く感じますので、苗選びの目安の一つとなります。
パンジー・ビオラの植え付け方・育て方
パンジー、ビオラは鑑賞期間が長いため、気温が上がる春になるとこんもりと大きな株に育ちます。今回は夏の花苗でご紹介した、土も鉢も夏に使用したものを再利用してスリット鉢で1株ごとに育てる方法で植え付けます。
材料(3号ポット苗1鉢分)
- スリット鉢(6号サイズ・直径180mm)+排水溝用ネット
- 土(スリット鉢6号サイズの場合約2.2L使用)※
- 元肥(6号鉢の場合バイオゴールドクラシック元肥であれば30g程度)
- 追肥(バイオゴールドオリジナルであれば15粒程度)
※「バイオゴールドの土 ストレスゼロ」は再利用が可能な土ですので、「ふるい」にかけて根や虫などを取り除いて使用しています。
植え付け方法については次の記事をご参考になさってください。>>どんなベランダでも花が映える!ハンギングの作り方
プランターなどに植え付ける場合
一般的なサイズ、幅65cm程度のプランターなどに直接植え付ける場合は、3号~3.5号サイズのポット苗3個が目安です。
植え付け時はスカスカでもっとたくさんの苗を植えたくなりますが、春になるとバランスの良い姿になります。
パンジー・ビオラの育て方
水やりの仕方
植え付けが終わりましたら、鉢底から水が流れるのを目安にたっぷりと水やりをしてください。その際に花に水がかからないようにするのがポイントです(花に水がかかると、花弁が傷みやすくなります)。
その後は土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりを行ってください。
天候にもよりますが冬場は2日に1回程度、春は1日1回程度が目安ですが、規則的に行うより、よく植物を観察して水やりのタイミングをつかんでください。
肥料のあげ方
パンジー、ビオラの花を絶え間なく咲かすためには、肥料が必須です。固形タイプの肥料であれば目視できるので、小さくなってきたら規定量(パッケージに書いてあります)を与えましょう。
もちろん液肥タイプでもOKです。その場合は容器に記載されている規定の濃度と頻度で与えてください。
花がら摘みをしましょう
何度もお伝えしている通り、パンジー、ビオラはたくさんの花が咲きますので、萎(しお)れた花(写真が目安です)を見つけたら、根本から摘んでください。指先で簡単に切り取れます。
もったいない、かわいそうだからといって萎れた花をそのままにしておくと、花が付きづらくなり、株の寿命が短くなります。
また、落ちた花がらがカビや病気の原因になることもありますので、水やりと合わせて行いましょう。
慣れてくると、とても楽しい作業です。花の状態を観察しながらぜひ!
パンジー、ビオラを使った寄せ植えの作り方
株が蒸れる心配が少ない冬場は寄せ植えにぴったりな季節です。
ひと鉢でシンプルに植えて、長く楽しむこともおすすめですが、植え付けた直後から華やかに楽しめる、寄せ植えをご紹介します。
今回は6号鉢が2個入るサイズのバスケットを使って寄せ植えします。
バスケットなどに寄せ植えする場合は、土が入っていた丈夫なビニール(水はけ用の穴を必ず開けてください)を敷き詰めて、そこに土を入れるのがおすすめです。
寄せ植えの材料
- バスケットプランター L40×W23×H20cm 1台分
- 花苗6ポット~8ポット(今回は7ポット使用)
- 土9L程度
- 元肥(バイオゴールドクラシック元肥であれば150g程度)
- 追肥(バイオゴールドオリジナルであれば50粒程度)
寄せ植えの花選び
一番重要なポイントは日当たりや水やり、開花期間が近しい植物を合わせることですが、冬場はあまり難しく考えなくとも、同じ売り場に売られている花苗を合わせれば良いと思います。
まずはお好きな花や色を組み合わせてみてください。今回使用したのはストック2ポット、カルーナ2ポット、ビオラ2ポット、極小輪ビオラ1ポットです。
花苗を選んだら、購入する前に写真のようにレイアウトしてみましょう。さまざまな方法がありますが、簡単な方法の一つとしては正面から見たときに三角形になるようなシルエットができるとバランスが良く見えます。
次に元肥を混ぜた土を半分程度まで入れ、ポット鉢のままレイアウトします。
このとき表裏ができないようなレイアウトにすると、さらにいいかと思います。
すべての苗を植え付けた状態。
土があまり入らないように感じるかもしれませんが、意外に隙間がたくさんできていますので、菜箸などを使って隙間を突きながら土を入れていくと、しっかりと全体に土が入ります。
そして植え付け後には水やりをしっかりと行いましょう。
パンジー・ビオラの花を長く楽しむコツ
寄せ植えの場合、ストックはコンパクトに育つタイプのものがおすすめです。花を数日楽しんだら、次の花を咲かせるために、思い切って蕾(つぼみ)の上で花を切りましょう。
こうすることで、次々と花を楽しむことができます。
カルーナなども全体の姿が乱れてきたら、暴れている枝を見極めて切り取りましょう。
ビオラの花がら摘みも忘れずに! ちょっとした日々のお手入れが花を楽しむ一番の秘訣です。
これからの季節を楽しむ準備が整いました。今までは実験を兼ねて多種多様なパンジー、ビオラを植えていましたが、今年初めてピンク~アプリコット系で統一してみました。
今回植えた花苗の経緯は追ってご紹介していきたいと思います。
次回は作るところからクリスマス気分を盛り上げる、リースやスワッグの作り方をご紹介します。
※この記事は2020年11月の記事を再編集して掲載しています。
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