春の「季語」を楽しむ ~言霊のススメ~
2024.03.162022年11月10日
私の選択「小さな暮らし」で「豊かな人生」を(14)
「終の棲家」での日常生活―秋本番を迎えて
さすがの「介護付き有料老人ホーム」も、コロナによる規制が少し緩められました。外食・外泊後の48時間自室待機解除。1時間限定付き家族の自室訪問、4人限定パーティールームでの家族との会食可。どれだけ気分が伸びやかになったことか!!
規制緩和の中で心弾ませて立てる計画
コロナによる規制が緩められたので、早速行事の計画を立て始めました。
まずは、長野県松本市の友人宅訪問。コロナ前までは毎年訪れていた、昔からの農家の広い庭に専門家が建てたログハウス。薪ストーブ、檜風呂もある本格派。室内のいたる所に友人が作ったプロ級のパッチワークが飾られて、温かさをプラス。
広い庭には、薪棚、風見鶏がある白い作業小屋。春から秋には花盛りとなる丹精こめられた花壇。そして庭の隅には我が夫が考案して作ったコンポスト。主木は大きな桜。
「茹でて一緒に食べようと思って落花生を4株残してるからね」とメールが来て、二つ返事で「はい、行きます」。ちょうど1年前、信州の農産物を箱にぎっしり詰めて送ってくれた友。お互いに、会う日を想像するだけでワクワクする存在です。もちろん、夫たちも気が合うことこの上なし。
次は、1年遅れで夫の古希の誕生会。最上階のパーティールームで夫と私を含んで4人しか集まれないけれど、レジデンスの住人以外も参加できるようになった記念すべき誕生会。さて、その次は…? と心が弾みます。
日常生活の中でも秋を楽しむ
土曜日と日曜日の朝には、車で5分ほどの丘の上に、農家直送の野菜、お弁当やお餅の販売所が開設されます。小さな販売所なので、入り口に所長さんが立ち、1人出てくる毎に1人案内して店内は常に5人…配慮が行き届いています。
久し振りの晴天の週末。この直売所を教えてくれた友人を誘って買い出しに行きました。待ち時間に丸太を切っただけのベンチに腰掛けて丘の下を見晴るかすと、そこは昔から変わらない里山の風景。秋風に吹かれながら深呼吸。ますます心が弾みます。
いくらでも歩けるような気持ちになって、「終の棲家」に帰ってから夫と二人で散歩することにしました。夫が車と買い物を片付けている間、一階の琵琶湖に面した扉から出て、ベンチに腰掛けて待っていました。
見上げれば青く澄んだ空には鰯雲。やがて枯葦の向こうからかけ声と太鼓の音が聞こえてきて、ペーロン船が姿を現わしました。中学生の野外学習のようです。しばらくすると、今度はキャッキャッと歓声が聞こえて来ました。この声の高さはきっと小学生。カヌー教室です。
そんな様子を見ていると、何の知識もないけれど突然俳句が浮かんできました。
この日の歩数は1万1756歩
夫が来たので、久し振りに「ヨシ辺の花壇」まで歩きました。ネームプレートを設置した時は、青紫に清々しく咲いていた桔梗やセージの花は見頃を終え、入れ替わるように花びらの先がオレンジ色のビデンスが花盛り。ピラカンサの赤い実も鈴なりです。
暑い! 冷える! ゲリラ豪雨! 台風並の強風!…不安定だった季節をやっと終え、安定した秋の空気を満喫しながら中庭まで歩きました。こちらは手入れの行き届いた日本庭園風。朝咲いた白い花が昼を過ぎてピンク色に変わっていく酔芙蓉もまだまだ見頃。
部屋に帰ってベランダから見ると鳶が一羽、風に乗って空に浮かんでいます。本格的な秋の訪れを謳歌しているかのようです。
朝市から始まって、1日中外で過ごしたそんな日は、夕方から生協へ出かけてタイムセールの手作りお惣菜を買い、盛り付けだけはお洒落に手抜きディナー。
寝る前に、歩数計を見てみると1万1756歩。深まりゆく秋を元気に楽しめそうです。
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