バレエ漫画好きにおすすめします

バレエ漫画も青年向け漫画雑誌で読める時代です

公開日:2022.11.02

前回に続いてテーマはダンス。ご紹介するのは、女性が主人公のバレエ漫画ですが、男性誌に連載されています。バレエ漫画好きの方! 男性誌もチェックしないと損をしますよ。

バレエ漫画も青年向け漫画雑誌で読める時代です
左『昴(スバル)』曽田正人作 右『絢爛たるグランドセーヌ』Cuvie作

熱い心で踊る少女から目が離せない

熱い心で踊る少女から目が離せない
『昴(スバル)』曽田正人作 『ビッグコミック スピリッツ』掲載
主人公の昴

昴(すばる)には、脳腫瘍で入院中の双子の弟がいました。

彼女は寝たきりの弟のために、毎日病床で踊っていました。やがて、弟のためでなく自分自身の「踊りたい」という気持ちに気付く昴でした。

彼女の踊りは人をひきつけ、周りの人たちを巻き込んでいき、自己流の踊りから本格的なバレエの世界へと歩みだしていきます。

迫力ある踊りのシーンと、人物の表情のアップの大きなコマが多いことが特徴的な作品です。

「あこがれ」からバレリーナをめざして

「あこがれ」からバレリーナをめざして
『絢爛(けんらん)たるグランドセーヌ』Cuvie(キューヴィー)作 『チャンピオンRED』連載中
主人公の奏(かなで) 

前出の『昴』は、家庭環境などの設定が特殊でしたが、本作はごく普通の少女がバレリーナを目指すという、王道のバレエ漫画です。画風も含めて、少女向け漫画雑誌で発表されてもおかしくない作品です。

奏(かなで)は、隣人の年上の少女 梨沙のバレエ発表会を見て美しさに感動し、バレエスクールに通うようになります。

明るく努力家で、「動き」に対する観察眼が鋭いという長所を持つ奏。バレエの楽しさのとりこになり、同年代の少女たちと切磋琢磨しながら成長していきます。

前回と今回の4作に共通することですが、作者のテーマに注ぐ愛と、たくさんの資料や識者の協力によって、しっかりした世界が作り上げられています。

また今回の2作は作者がバレエを体験しており、知識だけで絵を描いていないので動きの描写がとても美しいです。バレエの魅力が未経験者にも伝わってきます。

日本から世界へと飛躍する主人公の成長とともに、読者の私たちも新たな体験ができるのは素晴らしいことです。

青年誌にこのような作品が掲載されるとは、面白い時代になってきました。

今後の漫画界の変化あるいは進化が楽しみなので、長生きしなければ!


今回の作品

『昴(スバル)』曽田正人作 1999年~2002年 全11巻 小学館 『ビッグコミック スピリッツ』掲載
続編あり 『MOON -昴 ソリチュード スタンディング』2007年~2011年 全9巻 小学館

『絢爛たるグランドセーヌ』Cuvie作 2013年~ 既刊20巻 秋田書店 『チャンピオンRED(秋田書店 月刊)』にて連載中

 

■もっと知りたい■

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事