インテリア。たかが小物、されど小物
2022.04.062022年03月06日
インテリアコーディネーターの頭の中
壁紙で空間にアクセントをつける楽しさ
インテリアコーディネーターのいのこです。室内で大きな面積を占める壁や天井は、インテリアの雰囲気を大きく左右する部分。空間のベースづくりとしてちょっと手を入れておくと、こだわって選んだ家具や照明がいっそう映えます。
壁1面全体に張るなら“好きな色”を
インテリアに関心がある人なら一度は目や耳にしたことがある、アクセントクロス。
室内の壁の一部分に柄や色を変えた壁紙を張って、立体感やリズムを演出する方法ですが、「やってみたいけど失敗するかも……」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
「アクセントクロス=4面ある壁面のうちの1面全体を張り替える」というイメージが強いかもしれませんが、実はいろんなバリエーションを楽しめるんです。
アクセントクロスの一般的な取り入れ方は、壁1面全体を張り替える方法です。
他の3面と色の差が大きいほど目立つので、フォーカルポイント(パッと人の視線を集める場所)にしたいなら、色の差をつけるのがおすすめ。
窓やドアがない壁面を選ぶほうが、フォーカルポイントとしての効果はより高くなりますよ。
1面全体に張る場合は、好きな色の壁紙を選ぶ、これは鉄則です。
選んだ色がその空間の雰囲気をほぼ決定づけるので、居心地をよくするためにも毎日見ていたい色、好きな色を選んでくださいね。
小さい面積の空間なら大胆な柄も挑戦しやすい
柄がきれいな壁紙を使ってみたい、でもリビングや寝室に張ってバランスが取れなかったら……という不安がある場合は、小さな面積の空間で使ってみましょう。
トイレや洗面室だと壁1面といってもそんなに大きな面積ではないので、むしろ個性的な柄の壁紙を楽しむにはもってこいです。
最近は、ウォークインクローゼットやパントリーにアクセントクロスを取り入れるケースが少しずつ増えていて、これも実におしゃれ。
自分や家族しか見ない場所にこだわるというのは、インテリア好きの方にとっては醍醐味ですよね。
ニッチスペースに特別感を出す
壁の厚みを利用して堀り込んで造るニッチスペース。
玄関や廊下、キッチンの袖壁(柱・壁から垂直に張り出した幅の狭い壁)などに設けることが多いですが、このスペースもアクセントクロスを取り入れて楽しみたい場所です。
10cmほど後退している後ろの壁にアクセントクロスを張ると、奥行きが強調されるので、ニッチスペースがある空間が少し広く見える効果があります。
絵や写真、お花などを飾る場合は、お互いがぶつかり合わないように無地か薄く柄が入った壁紙にしましょう。
ニッチスペースの後ろの壁は面積として小さいので、濃い色の壁紙を選んでも暗くなることはありません。
壁ではなく天井に取り入れて個性的に
アクセントクロスは壁だけでなく天井でもOKです。
この画像は下がり天井にしていますが、フラットな天井面の壁紙を張り替えても個性的な空間を作れます。
天井面に色を入れると、白系の壁紙で仕上げるよりも室内が暗くなるのは確か。
ですがあえて天井面を濃くして圧迫感を出すと、いわゆるおこもり感が出るので、落ち着いた雰囲気を出しやすくなります。
茶室で天井面を濃くする仕上げが多いのは、お茶を点てることに集中しやすくなるためという説もあるのだとか。
リビングなど開放感を出したい空間よりも、寝室など落ち着いて過ごしたい空間で取り入れてみてはいかがでしょうか。
アクセントクロスは本来壁紙で演出していきますが、タイルやエコカラットといった建材でも同じように仕上げることができます。
お好みや仕上げたいインテリアのテイストに合わせて、色や柄や質感を選んで楽しんでくださいね。
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