結局、最後はどうなった?

最近完結した長期連載漫画

公開日:2021.09.03

人気があって映画化やアニメ化されても、長期連載の作品はいつ終わったか知らない人もいるのでは? 今回は、最近完結した話題作を取り上げます。

えっ、いつ終わったの!?

漫画には長く続いている作品がたくさんあります。

人気が出てしまって引き延ばされたものや、途中で打ち切られたものなど作品の運命はさまざまな中、作者の思い通りにめでたく大団円を迎えた作品を読めるのは幸せなことです。

連載中に実写化やアニメ化されても、最後まで制作してくれるとは限りません。長くなると、独自の結末にするか、正直に「はい、ここまでです!」とそこで止まったりします。本当の結末が気になりませんか?

以下にご紹介する作品は、漫画を読まない人でもタイトルは聞いたことのあるものです。10年以上の連載を経て、最近完結しました。

完結がニュースになる

完結がニュースになる
『進撃の巨人』諌山創   第1巻と最終巻

最終巻発売のときにニュース番組で報道され、新聞の文化欄でも取り上げられたのが『進撃の巨人』

第1巻で早くも主人公が巨人に食べられるという衝撃の展開を経て、12年で完結しました。

人を捕食する巨人から身を守るため、高い壁を作って戦う人々の話が中心ですが、巨人の謎が明らかになるにつれ、国家や民族の対立・差別などについても考えさせられる展開になっていきます。

最終巻に加筆されたセリフなしの数ページは、この作品の世界を閉じるのにふさわしいものだと思います。私は、繰り返す人の世の業について、思いを巡らせてしまいました。

フィクションから歴史への見事なバトンタッチ

フィクションから歴史への見事なバトンタッチ
『大奥』よしながふみ  最終巻(左)と第1巻

『大奥』は、男女の役割が逆転した設定の江戸時代の物語です。歴史上の人物も逆の性別で登場します。

赤面疱瘡(あかづらほうそう)という架空の病により男性の人口が激減し、社会は女性が担うことになりました。将軍も3代目家光より男名で女性が継承します。

以来、彼女たちは懸命に徳川の時代をつなごうとしました。大奥も男性ばかりの世界となりました。

時が経ち、病も徐々に克服されて、政治経済の場に男性が増えてきました。やがて幕末から江戸城開城の流れの中で、男だけの大奥の世界も終焉の時をむかえます。悲しくも潔く美しい大奥最後の日が心に残ります。

ここで現実の男性中心の歴史と交わり、物語の幕が下ります。しかし、最後に一人の少女を登場させ、未来への希望の光を示します。

実写化されましたが、5代目の綱吉まででした。将軍はあと10人います。続きの企画はないのでしょうか。この作品は、美女の将軍と美男ぞろいの大奥という、興味を引く設定だけに頼ったものではないのです。

連載16年、壮大なサバイバル

連載16年、壮大なサバイバル
『7SEEDS』田村由美  第1巻(左)と最終巻

『7SEEDS』は本編35巻のうち22巻分がアニメ化されています。結末が気になる方は原作を読んだほうが早いでしょう。

隕石の衝突により、壊滅的被害が予測される地球。人類存続のため、日本では4グループ各7名の男女が、冷凍保存され未来へ託されました。

何も知らされず、いつものように目覚めてみたら、生態系が激変し生活インフラもない見知らぬ所だったらあなたはどうしますか?

 

今回の作品
『進撃の巨人』諌山創 2009年10月~2021年5月 全34巻 講談社
『大奥』よしながふみ 2004年8月~2021年2月 全19巻 白泉社
『7SEEDS』 田村由美 2001年11月~2017年7月 全35巻+外伝1巻 小学館
 

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K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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