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- 知るほどに楽しい 糸のいろいろ
身の回りを見てください。今私たちが着ている上着、下着、それにカーテン、マット、テーブルセンター、などなど。どれも元は糸がベースになっていることを普段あまり意識していません。今回は糸についてお話したいと思います。
和紙糸作り
改めて考えてみると不思議ではありませんか。現代では糸づくりから製品まで、ほとんどが機械化されていて、すべてが手作業となると、大変な手間と時間を必要とします。趣味でやるか、伝統工芸部門でやるかです。しかし、糸さえあれば、何でも作れると思いませんか。
10年くらい前までは私も紙糸を作りたくて、夜も昼も三椏(みつまた)和紙をカッターナイフで5mm、8mm、10mm幅にカットしたものを竹かごにいっぱい積み上げていました。その後は延々と撚り(より)をかける作業で、手の指の感覚が変になるほどでの経験をしました。
今は時間もなく白い紙糸を買って、染めて使っています。花瓶敷、テーブルセンター、ペンケース、ランチョンマットなど小さな作品を織っています。ひと昔前は、着物用の帯も紙糸で織られていました。
原毛から毛糸へ
北海道の羊牧場から刈りたての羊の毛(枯草やフンの付いたままの)を買って来て一日中洗っていました。羊の毛のラノリンの働きで、手は荒れずにつるつるになって、苦ではありませんでした。
羊の種類によって、短い毛や長いが毛があり、紡糸が難しいときもあり、織りの風合いも変わってきます。洗って白くなって乾かした原毛は、草木染をして1年くらい寝かせたら、糸にしていきます。黒、茶、ベージュ色の原毛はそのまま染色せずに、原毛の色を生かして糸にしました。毛糸と言っても、本当に種類が多いので、見ているだけで楽しいです。
いろんな種類の糸
市場にはいろんな種類の糸、布が販売されています。
ナイロン、テトロン、キュプラ、ポリエステル、テンセル、レーヨンなどのように合成繊維が作られています。その他にも混紡といって、木綿と麻、絹とウール、麻と絹を混ぜたものなども現代では私たちの衣服に多く使われています。
世界には普段あまり使われていない変わった糸で織ったものがいろいろあって、興味深いです。
日本にもご存知の葛布や芭蕉布などが有名です。今ではどれも特別な伝統工芸品で量産はできませんから(すべてが手作りです)手に入れることもなかなか難しいです。このことからも手作りのものは貴重だということがわかります。
ここであまり繊維のことを詳しくお伝えしても、興味がないかと思いますが、ちょっと知っているとご自分の周りの織物に興味を持っていただけるかと。
構成繊維には生糸、ナイロン糸などは長繊維と呼ばれ、綿花、羊毛、化学繊維の綿などは短繊維と呼ばれます。
糸のよりもあまいものとしっかりしたものがあり、用途により、より糸数を変えていきます。
単糸/1本の糸のみ 双糸(二子糸)/2本より合わせる 三子糸/3本より合わせる 混紡糸/2種以上の短繊維を混ぜた糸
という表示がされています。
糸の太さは番手、デニール、テックス(国際共通表示)で表示し、数字が大きくなるほど細い糸であり、逆に小さい数字は太い糸を示しています。
今回は少し趣向を変えて糸のことを書きましたが、いかがでしたか。
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