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- 50代から日々是挑戦 ~ディズニーで学んだこと2~
2020年3月に早期退職した私。28年の会社生活で最も印象深い経験の一つ、フロリダ・ディズニーワールドでの研修生活を振り返る2回目。今回は、当時の職場で学んだことをご紹介します。
ディズニーワールドにある日本
「50代から日々是挑戦 ~ディズニーで学んだこと~」の続きです。
研修先の職場は、ディズニーリゾートの中でも本拠地フロリダにしかない「EPCOTセンター」内のジャパン・パビリオン(以下、日本館)。アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、モロッコ、ノルウェー、中国など全11か国のパビリオンが、ラグーンと呼ばれる水辺を取り囲むように並び、順に訪ねると世界1周旅行をした気になる「WORLD SHOWCASE」と呼ばれるゾーンの一角にありました。
日本館では当時、真珠製品や日本人形、和食器や浴衣、お香、プラモデルにサンリオグッズ、盆栽など、これぞ日本! というお土産物を販売。併設のTEPPANYAKIレストランや江戸時代の留め具「根付」の展示、和太鼓や飴細工のパフォーマンスも人気でした。
興味深いのは、ディズニーのぬいぐるみがよく売れたこと。メイドインジャパンは縫製も良く、顔だちもイイということで、本家本元産を差し置いて売上上位だったのはちょっと自慢でした。
今は日本のアニメやPOPカルチャー、ゲーム関連グッズなどを揃え、比較的リアルな商品構成になっているようですが、この当時は浅草仲見世を思わせる、ステレオタイプな商品もたくさんありました。
働く人は多国籍
そんな日本館で働く主力のスタッフは、現地採用のシニア女性たちでした。みなさん、大半がアメリカの退役軍人の奥さまで、在米40年以上。年齢も当時60~70代だったはずです。
日本語と英語の不思議なチャンポンで接客を完璧にこなし、年代物の車で通勤する年齢不詳の逞しくてちょっとチャーミングなおば様たち。不慣れな英語での接客や知識不足で戸惑う私たちを、いつも力強くフォローしてくれました。
年齢を気にせず働くことや「英語なんて通じればいい」のスタンスは、彼女たちから学んだ気がします。
他にも、主力商品BONSAI=盆栽の手入れをしてくれる温厚なベトナム人のおじいさん、英語とカタコトの日本語で仕事の不満ばかり言うおしゃべりなハーフ女子、いつも陽気な厨房担当のフィリピン女性など、日本館といえども多国籍。いろいろな人が、それぞれの立場でモノを言い、文化の多様性を理解するには十分すぎる職場でした。
日本人としての学び
商品の販売以外にも、子ども向けに折り紙やあやとりのワークショップを開催したり、地元の小学校を訪問して日本という国を紹介したりなど、日本のアンバサダー(大使)的役割も私たちの担当でした。
こうした活動をしていると、自分がいかに自国の文化や伝統について無知だったかを思い知らされます。英語どころか日本語でもきちんと説明できないことがたくさん。滞在後半は、日本から持参した日本のガイドブックをかなり真面目に読み込んだものでした。
海外では、語学力の高さよりも、自国の文化に対する知識や理解、それに対する意見を言える人が信頼されます。「日本人はなぜそんなに働くのか?」とか、「普段はみな着物を着ているのか?」などと聞かれたら、すぐには答えられないですよね(笑)。
日頃から社会問題に触れ、自分なりの意見をまとめておくことが大切だと気づいたのもこの頃でした。あれから20数年、残念ながらその不足は今も解消されていませんが、自国を取り巻く問題に関心を持ち、自分ならどう考えるか? と問いかける姿勢は持ち続けています。
- 海外では、一人ひとりが日本のアンバサダー(大使)
- 語学力より大事なもの=自国の伝統・文化への理解、社会問題への関心、自分なりの意見
- 言葉の壁は、熱意とスマイルで乗り切れる(笑)
シンプルですが、これが日本館勤務で学んだこと。いよいよオリンピックも開催目前、改めてこの時のマインドを思い出しています。
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