使わなくなったお箏の活用法

長い間、置きっぱなしのお箏はありませんか?

公開日:2021.05.13

更新日:2021.05.11

「もう使わないお箏をどうしたらよいかわからない」。そんなお悩みをよく耳にします。お箏は放っておくと使えなくなってしまうかもしれません。お心当たりのある方へ、再活用の方法をご提案します。

お箏の寿命

お箏は長く使える楽器です。もちろん舞台で弾くのによい期間は限られますが、練習用としてなら50年以上経ったものでも十分使えます。

ただし、保存状態が悪いとそうはいきません。お箏は木でできていますから、長く悪い環境に置かれていると割れたり、反ったりしてしまって駄目になってしまうのです。

チェックしてみましょう!

長く使っていないお箏があったら、次の箇所を確かめてみてください。

  1. 裏側
    亀裂が入ったり、割れたりしていないでしょうか。
    お箏の裏側
  2. 側面
    側面に写真のような“継ぎ目”はありますか?
    もしあった場合、継ぎ目は一周すべてピッタリくっついているでしょうか。
    指の先の部分に継ぎ目があります
    板が割れたり隙間ができたりしてしまうと、残念ながら楽器としてはもう使えません。チェックしてみて大丈夫な様でしたら、どうかできるだけ早く再活用の方法を探してみて下さい。

再活用の方法

  1. どなたかに譲る
    欲しい方に心当たりがない場合は、地域の小中学校に寄贈していただくとよいかもしれません。今は邦楽器の学習が義務教育に組み込まれているので、必要としている学校も多い筈です。あるいは近所にお箏教室があれば、そちらの先生に相談されてみるのも良いでしょう
     
  2. 専門店・リサイクルショップへ売却
    インターネットで検索すると買取りしてくれるお店が見つかります。
     
  3. ネットオークション等に出品 
    オークションサイトを覗いてみると、既にたくさんの出品が見られます。参考になさってみてください。
     
  4. 自分で弾いてみる?!
    手放すのはいつでもできること。せっかくならその前に一度ご自身で弾いてみませんか。やってみると案外楽しいですよ。

お願いだから捨てないで!

最後にお願いです。もし使えないお箏だったとしても、どうか捨てないでください。

捨てるとなれば、粗大ゴミとして有料で引き取ってもらうことになるでしょう。どうせお金を支払うのなら、その費用で職人さんの元へ送っていただけませんか。

知り合いの職人さんのお話では、今、お箏の材料が非常に枯渇しているそうです。よく話題になる象牙だけでなく、部品として使う「紅木(こうき)」等の貴重な木も入手が困難になっているとのこと。もう処分するしかないとなったお箏でも、職人さんにお渡しすれば、今はまだ使える部分を大切に再利用してもらえるそうなのです。

次の世代へと文化を受け継ぐために、どうかご協力いただければ幸いです。
 

■もっと知りたい■

箏人

5歳からお箏を始め、演奏活動のかたわら、自宅でお教室も開いています。日本人なら誰でも知っているであろう、お箏という楽器。最近は、実際に見たことも聞いたこともないという方が増えてしまい寂しい限りです。少しでももっと多くの方に親しんでもらえるよう、お箏の魅力をお伝えしていきたいと思います。ブログ:美ら箏

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