織田信長の妻・帰蝶が登場する漫画

帰蝶へのレクイエム

公開日:2021.02.26

多くの謎に包まれた、織田信長の死と本能寺の変ですが、妻の帰蝶(濃姫)にも不明なことが多いようです。今回は帰蝶が登場する漫画を探してみました。

帰蝶へのレクイエム
『信長協奏曲』(石井あゆみ著)

帰蝶の生涯もよくわかっていない

前回の記事で信長について少し触れましたが、妻の帰蝶の生涯についても定説がないそうです。記録が少ないようで、没年も不明です。

本能寺で亡くなったとか、安土城から逃げ延びて長生きしたなど諸説あるようです。名前だっていろいろで、私は子どもの頃、は帰蝶と濃姫は別人だと思っていました。

定説がないということは、想像力を膨らませる余地がありますね。映像化作品で信長のイメージがある程度共通しているのに、帰蝶(濃姫)役は美人ですが、さまざまなタイプの女優さんが演じています。私自身は、松坂慶子の濃姫が印象に残っています。ついでに信長といえば高橋幸治かな(古い!)。

 

漫画のなかの帰蝶

信長を主人公にした漫画は数多くあります。作品によって信長の描き方が違えば、それぞれに違った帰蝶が楽しめます。

「信長協奏曲」

信長協奏曲

タイムスリップして、病弱な信長と入れ替わるはめになった高校生のサブロー。本物の信長は頭巾を被り明智光秀としてサブローに仕えることになりました。

ここでの帰蝶は、高校生のノリで生きていく信長(サブロー)との「でえと」を楽しみにする優しい女性です。仲睦まじい2人を、そばで見ている光秀(信長)の心中は如何ばかりか……。

未完ですが、ドラマ化、映画化されて独自の結末になっています。

「信長のシェフ」

信長のシェフ

フランス料理のシェフ、ケンがタイムスリップ(またか笑)して、運よく信長の料理人になります。

帰蝶の初登場は第二巻で、満月を背負い、高みからケンを見下ろすという堂々たるものでした。

ケンは彼女の料理の味わい方から、知的で繊細な面も感じ取るのでした。初めての「あんぱん」に、下賎のもののように手づかみで食べられないなどと文句を言いながら、おいしかったので信長の口に突っ込むという、ツンデレなところもあります(第五巻)。

「信長の忍び」

信長の忍び

信長に命を救われた女忍者千鳥が主人公です。四コマ漫画ですが、歴史の流れに沿った話の展開です。
画像の向かって右が帰蝶で隣が信長です。私はこの信長がちょっと好きです。

ゆるいくせ毛の帰蝶さんは、性格も天然です。信長をタジタジとさせながら癒やしている人でもあります。

 

帰蝶よ安らかに

三作とも「本能寺」まではまだ時間がかかりそうです。それぞれの帰蝶の行く末はどのように描かれるのでしょうか。願わくば穏やかに生涯を終えてほしいものです。

 

今回の作品
信長協奏曲 石井あゆみ 2009年~ 既刊20巻 小学館
信長のシェフ 梶川卓郎 2011年~ 既刊28巻 芳文社
信長の忍び  重野なおき 2008年~既刊17巻 白泉社

 

■もっと知りたい■

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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