自称「オタクな主婦」が、漫画・映画について語ります

月の力に導かれ ~月にちなんだ漫画あれこれ~ 前編

公開日:2020/11/06

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リアルタイムで手塚治虫を読み東映作品を見て育ち、累計鑑賞本数は1500本以上。「漫画・映画・アニメは私にとって酸素のようなもの」と語るK・やすなさんが、月にちなんだ漫画を紹介。月にちなんだ漫画の世界に浸ってください。

下弦の月

「月に代わって」お伝えします! たくさんある月にちなんだ漫画

今年の中秋の名月は、澄み切った空に月が冴えわたって美しかったですね。コロナ禍と酷暑を経ての秋の夜空を眺めていると、さまざまな思いが湧き上がってきました。

月は古くから人間の創造力(or 想像力)に影響を及ぼしてきました。伝説・文学・音楽・科学などはもちろん、漫画も例外ではありません。モチーフとしての「月」の扱い方はさまざまなので、記憶にある作品をいくつかのパターンに分けてみました。

なお、私の「コロナ禍で思い出した作品  孤独と月とマンハッタン」という記事でも、「月」にちなんだ作品を取り上げた記事を書いているので、興味をお持ちになった方は参照していただけると幸いです。

月に行きたい人たち

まずは「宇宙兄弟」。これは説明不要でしょう。月を目指して宇宙飛行士になった六太と日々人の兄弟のストーリーです。現在兄の六太が月面基地でピンチです。弟の日々人は助けに行けるのか! 次巻を待て! というところでございます(笑)。

「私を月まで連れてって」竹宮惠子 1986年

「私を月まで連れてって!」

主人公がひどい目に遭う率高しの竹宮惠子作品ですが、こちらはエリート宇宙飛行士・ダンと超能力少女・ニナの明るいSFラブコメです。「Fly me to the moon」の曲がテーマソングのように扱われています。

SF小説・映画・音楽その他、作者の好みのものの引用やパロディ満載なので、元ネタ探しも楽しい懐かしの作品です。

月夜には何かが起こる

月の満ち欠けや光は、自然現象や人間の心身に影響を及ぼすと考えられてきました。満月には出産や犯罪や交通事故や地震が多くなるとか、ダイエットは満月からがいいとか、不吉だから見てはいけないとか、誰もが何かしらの話は耳にしているでしょう。

それから、月を見ておかしくなる人(ヒトといっていいのやら?)の代表が狼男ですね。

「バンパイヤ」手塚治虫 1969年

バンパイヤ

手塚作品は吸血鬼とは関係なくて、月夜に狼に変身する少年と彼を利用する悪人ロック(いつものイケメン悪役キャラ)、そして、手塚治虫本人も重要な脇役として登場します。水谷豊主演の実写版をご記憶の方もいらっしゃるのでは。

月を見ておかしくなる人もいれば、月がないとおかしくなる人もいます。

「犬夜叉」は新月になると妖力をなくし、「海の闇 月の影」の主人公も力がなくなります。

「海の闇月の影」篠原千絵 1987年

海の闇

「海の闇 月の影」の主人公は、古墳から出たウイルスに感染して不思議な力を手に入れた双子の姉妹。片方は邪悪な心になり世の中を支配しようとします。満月のときは力が増幅して宙に浮いたり壁を通り抜けたりできます。

「月光条例」藤田和日郎 2014年

月光条例

「once in a blue moon」とは慣用句で、めったにないことの例えです。おとぎ話の世界では青い月の光を浴びると、登場人物たちが勝手な行動をとるようになり、物語をめちゃくちゃにするのです。

これを直すのが月光条例とその執行者。執行者に選ばれた男子高校生その名も岩崎月光と、現実世界に現れたおとぎ話の登場人物たちが繰り広げる冒険活劇ですが、物語の送り手と受け手の関係について考えさせられる作品でもあります。個人的には最終話の粋な仕掛けに脱帽です。長編ですが、ぜひたどり着いてほしいです!

「下弦の月」矢沢あい 1999年

下弦の月

古い作品で女子高生がルーズソックスだったりしますが、それでも矢沢作品はオシャレです。小学生の女の子男の子もカワイイ!

下弦の月の夜に、交通事故で意識不明になった女子高生の望月美月と、同時刻に事故で意識を失った小学生の蛍。2人は夢の中で会います。退院後、蛍は古びた洋館で美月とそっくりな女性に出会います。蛍は友人たちと、恋人以外の記憶を亡くしたこの女性を救おうと奮闘します。

直接月の作用がどうのこうのという話ではないのですが、満月の夜の出会いや、登場人物の一人が、下弦の月から新月になるまでの間に、月の力を借りて思いを果たそうと願っていたというところがあるので、このジャンルに入れました。

そうそう、アニメ「おじゃる丸」も満月の夜、水面の満月ロードから月光町に来ましたね。

月にまつわる作品はまだまだあります。後編へつづく……。

 

今回の作品

今回は作者と完結年度のみを記しておきます。
私を月まで連れてって 竹宮惠子 1986年
バンパイヤ  手塚治虫 1969年
海の闇月の影 篠原千絵 1987年
月光条例 藤田和日郎 2014年
下弦の月 矢沢あい 1999年

 

 

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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