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- 悪天候だと結婚式はどうなる?結婚式のキャンセル事情
専業主婦が憧れていたブライダル司会者へ道を切り開く。ブライダル司会者・プランナーとして仕事を続けてきたMCイルカさんが、ブライダル業界について解説します。今回は、全国で大きな爪痕を残した台風19号にまつわるお話です。
秋のブライダルシーズンは台風も
秋の10月11月12月は、ブライダルシーズンと言われ、土日祝に限らず、平日でも数多くの結婚式がある時期です。
しかし9月10月はブライダルシーズンであるとともに、台風シーズンでもあり、お客さまと同様、私たちも天気予報は欠かさず確認しています。
「命を守ることを考えてください」
こんなアナウンスがあった台風19号では、大きな決断をそれぞれの立場でした方も多かったことでしょう。
私がブライダルの仕事に就くようになり約30年、台風の上陸で、結婚式がキャンセルになったことはありませんでした。ですから、結婚式のキャンセルを余儀なくされる方も多かったという今回の台風は、想定外の大きな出来事だったということがわかります。
結婚式は、悪天候でもキャンセルできない
基本的には、結婚式は天気でのキャンセルはできません。私が携わってきた仕事の中で、約30年間、台風で大風、大雨で交通網がストップしようが、大雪で電車、飛行機が止まっても、行われてきました。
台風上陸で、お客様が半分も来られないこともありました。
クルージング船の結婚式では、船が出航できず、岸壁にロープで四方をしっかり縛り、固定した状態で、乗船して結婚式をやったこともありました。
お祝いどころではなく、揺れが酷く、テーブルにドリンクがおけない、あちらこちらで、もどす人も……。
私の記憶の中で、台風の日の一番気の毒な結婚式の思い出です。
大雪では、飛行機が羽田、成田に降りられず、ご両親が到着できなかったこともありました。
大雪で、滑って足を骨折し、病院に運ばれた方もいらっしゃいました。心情的には、本当に心苦しいのですが、そんな状況でもやるしかないのです。
なので今回は、いかに大変なことだったのかが、30年を振り返ってもわかりました。
結婚式を中止にした場合、キャンセル料金はどうなる?
キャンセルとなると、お客様にはキャンセル料金が発生します。
もちろん、今回の場合は、できる限りどこの会場も、心を尽くしていくと思います。それでも、お客様にも、ご負担いただかなければならない金額は発生してしまいます。
それより何より、キャンセルになった結婚式を、再度新しい日程で設定することは、とても難しいのです。
仮に会場が取れたとしても衣装が、(ドレス、打掛)レンタルの場合、新しい日程の日に、借りている人がいらしたら、着ることはできません。
生のお花のブーケだと、再度制作しなければならない。ブーケ・卓上花に季節の花を入れている場合、旬を過ぎると、金額が大幅に高くなることや、用意できないこともあります。
会場を通さず、ご自分たちで、引き出物、引き菓子、その他を購入した場合、食べ物の返品はできないので賞味期限の間に新しい日程を選べればよいのですが……。
また、担当させていただくはずだった、プランナーをはじめ、私達司会者、音響、カメラマンなど、スタッフも新しい日程に、すでに別の案件が入っていて担当させていただけないことも考えられます。今まで、いろいろ打ち合わせを重ねてきているので、できる限りはがんばるのですが、日程変更で調整ができないことは、珍しくはありません。
再度、同じ会場で行うことが前提の、心ある・少額のキャンセル料金なので、「違う会場にします」となれば……、全額キャンセル料金も払わなければならなくなり、ほぼ、結婚式1回分の料金ぐらいになることでしょう。
天気は誰にもわかりません。
そして、誰に文句を言うこともできません。
ただ私の経験からすると、台風の時期9月と10月、そして、都心部は雪に弱いので、大雪の可能性がある1月と2月も外した方が賢明だと思います。
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