50代・60代女性に!おすすめ本90冊を一気に紹介
2023.04.29
公開日:2025年01月22日
ようこそ読書の森へ(15)
ほのぼの系小説『れんげ荘』『かもめ食堂』
今回は、群ようこさんのほのぼのとした小説を2冊ご紹介致します。どちらかにしたかったのですが、どちらも捨てがたく、悩んだあげく、両方ご紹介となりました。
『れんげ荘』月10万円生活
大手広告代理店に勤めていたキョウコは、仕事に疲れてしまい、45歳で早期退職、都内の古い安アパート れんげ荘で暮らし始めます。
会社に勤めていれば、キャリアウーマンとして豊かな暮らしが約束されているのに、キョウコは貯金を切り崩して、月10万円で暮らすスローライフを選びます。
隣人とお喋りをしたり、図書館に行ったり、近所のネコとお昼寝したりして、自由気ままな一人暮らしです。
将来を考えると、少々不安になりますが、それでも穏やかな時間は、静かに流れていきます。
『れんげ荘物語』は、丁寧にお茶を淹れるというささやかな出来事に幸せを感じたり、時間を気にせずに暮らすので、読んでいてちょっと憧れたりもしましたが、お金がないのはやはりつらいかな、と正直思いました。
『れんげ荘物語』シリーズ 読む順番
『れんげ荘』ハルキ文庫 2011年

『ネコと昼寝』ハルキ文庫 2017年
『働かないの』ハルキ文庫 2013年
『ネコと昼寝』ハルキ文庫 2017年

『おたがいさま』角川春樹事務所 2021年
『散歩するネコ』ハルキ文庫 2019年
『おたがいさま』角川春樹事務所 2021年

『今日はいい天気ですね。』ハルキ文庫 2024年
『おネコさま御一行』ハルキ文庫 2022年
『今日はいい天気ですね。』ハルキ文庫 2024年
フィンランドが舞台の『かもめ食堂』
もう1冊、どうしてもご紹介したい群さんの作品があります。
フィンランドのヘルシンキが舞台の『カモメ食堂』です。
映画を先に観ましたが、映画では分らなかったサチエ、ミドリ、マサコの背景が、原作ではしっかり描かれていて、より楽しめました。
ヘルシンキの街角に食堂を開いたサチエが、宝くじで1憶円当選していたとは驚きでした。通りで、客の来ない食堂をやっていても、慌てないわけです。映画ではその説明がないので、大丈夫なのかと途中ハラハラしました。
『れんげ荘物語』とは全く反対で、お金に恵まれた3人が、うつろな心を抱えて、日本を捨て、異国の地で出会い、やがてミドリもマサコもサチエの食堂を手伝い始めるのです。
作者の群ようこさん
東京都出身で、日本大学では林真理子さんの1年後輩です。
1978年 本の雑誌社に入社
1984年 単行本『午前零時の玄米パン』で本格的作家デビュー
1988年 『鞄に本だけつめこんで』で第36回日本エッセイスト・クラブ賞候補
随筆、小説、評伝、対談等を発表 著書多数。
軽妙な語り口で、読みやすく、疲れている時に読むのに、最適な作品ばかりです。
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