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ほのぼの系小説『れんげ荘』『かもめ食堂』

ほのぼの系小説『れんげ荘』『かもめ食堂』

公開日:2025年01月22日

ほのぼの系小説『れんげ荘』『かもめ食堂』
『かもめ食堂』『れんげ荘』 自作の木目込み人形

今回は、群ようこさんのほのぼのとした小説を2冊ご紹介致します。どちらかにしたかったのですが、どちらも捨てがたく、悩んだあげく、両方ご紹介となりました。

『れんげ荘』月10万円生活

大手広告代理店に勤めていたキョウコは、仕事に疲れてしまい、45歳で早期退職、都内の古い安アパート れんげ荘で暮らし始めます。

会社に勤めていれば、キャリアウーマンとして豊かな暮らしが約束されているのに、キョウコは貯金を切り崩して、月10万円で暮らすスローライフを選びます。

隣人とお喋りをしたり、図書館に行ったり、近所のネコとお昼寝したりして、自由気ままな一人暮らしです。

将来を考えると、少々不安になりますが、それでも穏やかな時間は、静かに流れていきます。

『れんげ荘物語』は、丁寧にお茶を淹れるというささやかな出来事に幸せを感じたり、時間を気にせずに暮らすので、読んでいてちょっと憧れたりもしましたが、お金がないのはやはりつらいかな、と正直思いました。

『れんげ荘物語』シリーズ 読む順番

『れんげ荘』ハルキ文庫 2011年 

「れんげ荘物語」シリーズ読む順番
『働かないの』ハルキ文庫 2013年
『ネコと昼寝』ハルキ文庫 2017年

『働かないの』ハルキ文庫 2013年

『ネコと昼寝』ハルキ文庫 2017年

「れんげ荘物語」シリーズ読む順番
『散歩するネコ』ハルキ文庫 2019年
『おたがいさま』角川春樹事務所 2021年

『散歩するネコ』ハルキ文庫 2019年

『おたがいさま』角川春樹事務所 2021年

「れんげ荘物語」シリーズ読む順番
『おネコさま御一行』ハルキ文庫 2022年
『今日はいい天気ですね。』ハルキ文庫 2024年

『おネコさま御一行』ハルキ文庫 2022年

『今日はいい天気ですね。』ハルキ文庫 2024年

フィンランドが舞台の『かもめ食堂』

もう1冊、どうしてもご紹介したい群さんの作品があります。

フィンランドのヘルシンキが舞台の『カモメ食堂』です。

映画を先に観ましたが、映画では分らなかったサチエ、ミドリ、マサコの背景が、原作ではしっかり描かれていて、より楽しめました。

ヘルシンキの街角に食堂を開いたサチエが、宝くじで1憶円当選していたとは驚きでした。通りで、客の来ない食堂をやっていても、慌てないわけです。映画ではその説明がないので、大丈夫なのかと途中ハラハラしました。

『れんげ荘物語』とは全く反対で、お金に恵まれた3人が、うつろな心を抱えて、日本を捨て、異国の地で出会い、やがてミドリもマサコもサチエの食堂を手伝い始めるのです。

作者の群ようこさん

東京都出身で、日本大学では林真理子さんの1年後輩です。

1978年 本の雑誌社に入社
1984年 単行本『午前零時の玄米パン』で本格的作家デビュー
1988年 『鞄に本だけつめこんで』で第36回日本エッセイスト・クラブ賞候補

随筆、小説、評伝、対談等を発表 著書多数。

軽妙な語り口で、読みやすく、疲れている時に読むのに、最適な作品ばかりです。

■もっと知りたい■

さいとうひろこ
さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。