手作りは楽しい!! 布と糸と針と私

信州の夏祭りと、てぬぐいで涼しい手作り服

公開日:2019.08.01

普段はきもので洋服を作ることを趣味にしている渡来夢さん。今回手作りに選んだ素材はきものではなく、てぬぐい! 汗をかいてもジャブジャブ洗えて涼しく着られるてぬぐい服は、お孫さんにも好評のようです。

人形劇の町いいだ

長野県の南に位置する私たちの地域には、伝統的な人形芝居(人形浄瑠璃)や農村歌舞伎、数多くの獅子舞などが伝承されています。

市内には、今田人形、黒田人形、川本喜八郎人形美術館や竹田扇之介記念国際糸操(いとあやつ)り人形館などがあります。また、下伊那郡大鹿村には有名な大鹿歌舞伎があり、俳優原田芳雄さんの遺作となった映画『大鹿村騒動記』の舞台になりました。

そんな風土から“いいだ人形劇フェスタ”という人形劇の祭典が生まれました。毎年真夏に40年以上も続けられ、その規模は国内最大となっています。国内外から、プロの劇団、アマチュアの劇団、多種多様な人形劇団・人形劇人が集まります。大人も子どもも自ら演じたり、素晴らしい生の舞台をたくさん観ることができます。路上での公演もあります。また、人形劇人のパレードも楽しみの一つとなっています。

“いいだ人形劇フェスタ”での盛り上がりの中、りんご並木を中心に“飯田りんごん”があります。花火が打ち上げられ、「♪♪りんごん、りんごん、ほい、おいな~♪♪」という掛け声で踊ります。「おいな」とは「こちらへ いらっしゃい」「おいでよ」という意味の親しみを込めた方言です。話し言葉の語尾、「~○○な」、「~○○に」、「~○○だに」が特徴です。
 

手ぬぐいを使って孫に手作り

甚平

“りんごん”の手ぬぐい2枚で作りました。1枚の手ぬぐいで身頃、もう1枚でおくみ部分と袖、襟、紐にしました。孫たちのためと、りんごんの手ぬぐいで4着作りました。チクチクと手縫い。耳があるので楽ちんです。豆絞りの柄ではなく、リンゴの模様になっているんです。かわいいでしょ。孫はこの甚平がお気に入り。大好きで、暑くなると日中でも着ています。多分風通し良くて、気持ちよいのでしょう。

りんご並木の町・いいだ

何故リンゴの模様? と思われるかもしれません。私たちの地方は、“南信州”と言い、長野県の中では温暖な気候です。各種のフルーツが、次々と豊かに実ります。

日照時間が長いとか、一日の寒暖差があることなどが影響しているためでしょう。イチゴ、さくらんぼ、プラム、ブルーベリー、プルーン、桃、梨、洋ナシ、葡萄、リンゴ,柿、など一年中「美味しい」が続きます。

中でも、リンゴは特別な存在です。それは町の中心に、中学生が世話をしている“リンゴ並木”があるからです。

1947年(昭和22年)の春、飯田では大火があり、中心部の約7割が消失したそうです。大火からの復興の過程で中学生達の提案から生まれた“リンゴ並木”は受け継がれ、復興のシンボルになりました。町中のリンゴ並木! 素敵です。実ったころ紹介したいと思います。

着られるてぬぐい

沢山作った甚平さん

前が打ち合わせになっているので、紐の付ける位置を調整すれば、赤ちゃんのころから3~4歳ぐらいまでは着ることができます。色々な手ぬぐいで作りました。その続きで、元クラスメートからいただいた昔の浴衣の反物で、もう少し大きな甚平と対のパンツもできました。小さな子どもが地味なのを着ると、すごく可愛らしく見えます。

自分用にTシャツ風に作ってみました。暑い日には涼しくて重宝しています。家にいる時なら十分です。頭の出るところを丸くしただけです。まだ材料があるので、もう少し形を工夫したいと思っています。雑誌「ハルメク」の7月号に素敵なブラウスの作り方が出ていましたね!

Tシャツ風

思いがけない絶景

春、「信州花フェスタ2019」へ友人が連れていってくれました。おしゃべりに夢中になり、見落としてしまった場所もありました。せっかくだからと、あづみの公園にも足を延ばすと、想像をはるかに超える、素晴らしい菜の花の絶景が広がっていました。菜の花の段々畑500万本ですって!! 一番上まで歩いてブランコに乗ってきました。

菜の花の段々畑

渡来夢

美しいものに触れたいとの思いから美術館に行ったり、植物を育てたり、きものリフォームなどの手芸を楽しんでいます。元気でいられるように、ピアノの練習やパンを焼くことにも挑戦しています。『やってみよう!』の精神で。日常こそ大切、工夫して、お金をかけずに楽しむこころ豊かな暮らしを目指しています。

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