- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 文化部
- 雨でもお月見!季語に見る名月への愛
9月も半ばを過ぎ、月の美しい季節となりました。2023年の十五夜は9月29日(金)。澄んだ夜空にかかる月を仰げるかどうか、お天気が気になるところです。
「雨月」との出会い
まだ俳句を学び始めて間もない頃、私は『俳句歳時記』(季語を集めて分類した書)の秋の項で「雨月(うげつ)」という言葉を見つけました。
「雨月(うげつ)」
雨のため、名月が見えないことをいう。雨をうらめしく思いながら、月のあるほの明るいあたりを仰ぐ。
(角川学芸出版『合本 俳句歳時記』より)
雲に覆われた夜空から、こまかな雨がサアサアと降る十五夜。
でも心をはるか雲の上、宙空に移すと、そこには煌々と照る月が懸かっていて、その光がかすかに地上へと滲む、雨月。
「雨月」という語を知った時、目の前にはこんな光景が広がって、まるで小さな物語の一幕を見ている気持ちになりました。
そして、ひとつの言葉にこれだけの広がりを感じさせる、季語の力に驚きました。
月の「追っかけ」
他にも『俳句歳時記』には「名月」「望月(もちづき)」など、十五夜の月を表した言葉がたくさん収められているのですが、興味深いのは十五夜以降にも、月の「追っかけ」をしているところです。
「十六夜(いざよい)」
旧暦八月十六日の夜、およびその夜の月をいう。満月よりも出が少し遅れるので、ためらう意の「いざよふ」から付いた名。
「立待月(たちまちづき)」
旧暦八月十七日の夜の月をいう。名月を過ぎると出が徐々に遅くなり、姿も少しずつ欠けていく月を惜しみ、一夜ごとに名を変えて愛でる。立待月は月の出を立って待つという意から」
(角川学芸出版『合本 俳句歳時記』より)
このような感じで、その後も、
「居待(いまち)月」:旧暦八月十八日の月。坐して月を待つことから。
「寝待(ねまち)月」:旧暦八月十九日の月。寝ながら月を待つことから。
「更待(ふけまち)月」:旧暦八月二十日の月。夜更けまで月を待つことから。
まるで恋しい人を待つかのような言葉が次々と並び、欠けてゆく月をも大切に「追っかけ」てゆくのです。
季語から見えてくる先人の月への愛は、移ろうものをやさしく見守る心なのだと思いました。
今年のお月見はいかに?
さて、今年(2023年)のお月見は「名月」でしょうか?「雨月」でしょうか?
ぜひ「名月」であって欲しいのですが、空模様は気まぐれ、天の神様次第です。
どんな十五夜であっても先人に倣い、ゆったりと空を仰いで楽しみたいと思います。
■もっと知りたい■
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?