会社員×専業主婦夫婦、共働き夫婦、シングル自営業
50代働き方別!年金増やす方法シミュレーション
50代働き方別!年金増やす方法シミュレーション
更新日:2022年05月02日
公開日:2022年02月04日
教えてくれた人

井戸美枝さんのプロフィール
いど・みえ CFP(R)、社会保険労務士、経済エッセイスト。前社会保障審議会企業年金個人年金部会委員。国民年金基金連合会非常勤理事。年金制度やお金との上手な付き合い方、老後資金の考え方などをわかりやすく、テレビやラジオ、雑誌、新聞、オンライン記事などで多彩に発信している。近著に『今すぐできる!iDeCoとつみたてNISA超入門』(中野晴啓と共著:扶桑社)がある。公式サイト
年金制度の基本!働き方で受け取る年金額は変わる
自分の「ねんきん定期便」を見たことはあっても、他の人の年金額を知らないという方は多いかもしれません。現役時代の働き方によって加入する年金の種類が変わり、受給額も変化します。
厚生労働省の「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」によると、受け取る平均年金月額が一番低いのは自営業です。この調査によれば、
- 20~60歳の40年間のうち20年以上、自営業として働いた人の平均年金額=月額8.2万円
- 20~60歳の40年間のうち20年以上パートで働いた人の平均年金額=月額9万円
- 20~60歳の40年間のうち20年以上正社員で働いた人の平均年金額=月額16.6万円
となっています。
この平均金額と今の家計の支出額を比較すると、リアルな年金生活のイメージがわくかもしれませんね。厳しいと感じる方は、少しでも受け取る年金額を増やせるよう、手を打ちましょう。
社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに、働き方別に、年金受取額を増やす方法を教えてもらいました。
Q:自営業夫婦が受け取る年金額を増やすためには?

ー53歳・妻50歳で、夫婦とも自営業の場合。年金を増やすためには何をしたらいいのでしょうか。
自営業の場合、年収に関わらず、受け取れるのは老齢基礎年金のみとなります。その金額は、保険料を480か月(満期)納めたとして、月額約6.5万円です。そのため、何もしなければ、夫、妻とも65歳から受給を開始したとすると、月額約6.5万円(年額約78万円)を受け取ることになります。
年金額UPの方法1:月400円付加保険料を支払う
老齢基礎年金は、付加保険料を月400円上乗せして払うことで、受給する年金額を増やすことができます。
- 支払うのは……一人あたり月400円
夫=53歳から60歳まで7年間(84か月)×400円=総額3万3600円
妻=50歳から60歳まで10年間(120か月)×400円=総額4万8000円
- もらえるのは……一人あたり 年額200円×付加保険料の納付月数
夫=200円×84か月=年1万6800円
妻=200円×120か月=年2万4000円
年金は生涯もらえますから、メリットは大。2年以上受け取れば元が取れる計算ですから、利用しない手はありません。
年金額UPの方法2:老齢基礎年金の受給年齢を繰り下げる
75歳まで繰り下げると 91歳で70歳から受給開始した人の総額を追い越します(受給年齢の損益分岐点を説明した第2回の記事をご参照ください)
現在50歳の妻が元気なのであれば、75歳まで繰り下げてもいいでしょう。
夫:70歳繰り下げ受給で、42%アップ、年額約111万円(月約9.25万円)受給に。
妻:75歳繰り下げ受給で、84%アップ、年額約144万円(月約12万円)受給に。
増えた年金の年額は?
方法1と2を両方行った場合、夫約35万円、妻約70万円増えます。
Q.夫・会社員、妻・専業主婦が年金を増やすには

現在の平均年収500万円で厚生年金に40年間加入する予定の夫(53歳)と、専業主婦(50歳)の場合、何もしなければ夫約15.7万円(年額約189万円)、妻約7万円(年額約84万円)を受け取れます。この場合、年金を増やす方法は4つ考えられます。
年金額UPの方法1:妻がパートで働き厚生年金に加入する
一定の条件を満たせば、パートでも厚生年金に加入できます(第3回の記事をご参照ください)。月8.8万円の給与がもらえるパートで10年間働いたと想定すると、年額約5.8万円上乗せで受け取れるようになります。
年金額UPの方法2:夫が継続雇用で65歳~70歳まで同じ会社で働く
65歳から70歳まで継続雇用を選び、厚生年金を払い続けることで70歳まで年金額が年額約1.3万円アップします。
年金額UPの方法3:老齢基礎年金を繰り下げ受給する
先述した自営業夫婦同様、老齢基礎年金を70歳に繰り下げ受給することで受給額を増やすことができます。
年金額UPの方法4:夫がiDeCoに加入する
会社員もiDeCoに入りやすくなりました(第4回の記事をご参照ください)。53歳から12年間加入し月2.3万円を積み立てし、年3%で運用。65歳から年額約49.7万円を5年間、年金で受け取ると想定しましょう。このように月々の積立て額(上限あり)を増やせば、もらえる金額は高くなると想定できます(※元本を保証するものではありません)
■増えた年金の年額は?
方法1、2、3を行うことで、夫の年額33.3万円、妻は年額約37.8万円増えます(iDeCoの年金受け取りを除く)
Q.共働き(夫・妻とも会社員)が年金額を増やすには?

厚生年金に40年間加入する予定の夫(53歳)年収500万円と、妻(50歳)年収300万円の場合。65歳から受け取れる年金額は夫約15.7万円(年額約189万円)、妻約12万円(年額約144万円)です。年金受給額を増やすコツは、夫婦ともにiDeCo加入と継続勤務、繰り下げ受給にあります。
年金額UPの方法1:夫婦ともにiDeCoに加入する
それぞれ60歳まで月2.3万円を積立て、年3%で運用。65歳から受け取ると考えます。
夫:65歳から5年間、年約49.7万円の年金として受け取れます。
妻:65歳から5年間、年約74.3万円の年金として受け取れます。
年金額UPの方法2:夫婦ともに継続雇用をする
65歳~70歳まで契約社員かパートになって継続勤務をします。
夫:月収20万円で厚生年金を継続すれば、年額約6.6万円アップします。
妻:月収10万円で厚生年金を継続すれば、年額約3.3万円アップします。
年金額UPの方法3:老齢厚生年金・老齢基礎年金をともに繰り下げ受給する
夫婦で、老齢厚生年金、老齢基礎年金をともに70歳まで繰り下げれば、年額もさらにアップします。夫約約268万円。妻約204万円になる。
増えた年金の年額は?
方法2と3で年額、夫約79万円、妻約60万円が増えます(iDeCoの年金受け取りを除く)。
Qフリーランス(自営業)のおひとりさまが年金を増やす方法は?

自営業の場合、先述した通り老齢基礎年金しか受け取ることができません。夫婦世帯以上に、シングルの方の場合は老後資金の準備はしっかりした方がいいでしょう。
フリーランスで、シングルの50歳女性の場合、65歳から受け取れる年金は40年満額納付で、このままだと月額約6.5万円(年額約78万円)です。
年金額UPの方法1:iDeCoに加入する
50歳から10年間、月2万円を積み立て、年3%で運用すれば60歳で279万円を一時金で受け取ることができます。
年金額UPの方法2:60歳からパートで働き始める
年収200万円で厚生年金に10年間加入、老齢厚生年金の受け取りを70歳に繰り下げれば年額約16万円をもらえます。
年金額UPの方法3:老齢基礎年金を繰り下げ受給する
70歳まで繰り下げれば、老齢基礎年金が年額約111万円にアップします。
増えた年金の年額は?
方法2と3で、年額49万円増えます(iDeCoで受け取る一時金279万円を除く)。
これでも老後資金が不安という方はiDeCoの他にも、つみたてNISAも利用するといいでしょう。
※2022年6月から年金支給額が変わります
この記事での年金の試算額は2021年度版での計算となっています。記事内記載額よりも、2022年6月から受け取る年金(4・5月分)の年金支給額は変わります(※2022年1月21日に厚生労働省より発表)。
65歳の人が新たに受け取り始める例(月額)は
- 国民年金(1人分)は、記事内記載より259円減って6万4816円
- 厚生年金は、今より903円減って21万9593円になります。
※2022年6月から年金支給額が変わります
この記事での年金の試算額は、2021年度価格での計算となっています。記事内記載額よりも2022年6月から受け取る年金(4・5月分)の年金支給額は変わります(2022年1月21日に厚生労働省より発表)。
65歳の人が新たに受け取り始める例(月額)は
- 国民年金(1人分)は、記事内記載より259円減って6万4816円
- 厚生年金は、今より903円減って21万9593円になります
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