老後資金のために!50代から始める資産運用#7
15年間で2800万円増!積立投資シミュレーション
15年間で2800万円増!積立投資シミュレーション
公開日:2023年12月18日
教えてくれる人は福田猛さん

ふくだ・たけし ファイナンシャルスタンダード代表。大手証券会社を経て、IFA※(独立系ファイナンシャルアドバイザー)法人であるファイナンシャルスタンダードを設立。アドバイザーやセミナー講師など幅広く活動。一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事。著書に「考えない投資生活」(飛鳥新社刊)など。楽天証券と業務委託契約。無料の個別相談、資産運用について学べるセミナーが好評。
※IFAとは、特定の金融機関に属さず、独立した立場でお客さまに資産運用のアドバイスを行う専門家です。
積立投資なら株価が下がった方が運用成績は高くなる
前回、積立投資の考え方を説明しました。

運用の成果は必ずこの公式で決まります。株式市場が下落したときは量を買い込めるため、株価が下がることは重要だと解説しました。株価は上がらないといけないと思っていた人にとってはだいぶ肩の荷が下りたのではないでしょうか。
今回は、実際に存在する投資信託で積立投資を行った際のシミュレーションを解説していきます。実際の数字を見ることで、より理解を深めていただけるはずです。
例1:世界株式のインデックスファンドに15年投資したら
出所:ブルームバーグデータよりファイナンシャルスタンダード作成
これから解説するシミュレーションはすべて2008年1月~2022年12月まで、毎月10万円、15年間積立投資を行った場合のものです。積立総額は1800万円になります。
図1は、進国の株式に投資を行うインデックスファンドです。1800万円投資した結果、4604万円になりました。
インデックスとは、日経平均株価やS&P500などのような市場全体の動きを表す指数のことです。それらの指数に価格を連動させた投資信託をインデックスファンドといいます。手数料が安く、低コストで運用できるため、インデックスファンドは根強い人気があります。

「基準価額の推移」の図は、この投資信託の実際の価格を示しています。いきなりリーマンショックで大きく下落し、低迷した後、上昇していきます。

「投資総額と評価額の推移」の図は、水色の三角が投資累計額、濃い青色の線が評価金額になります。リーマンショックの頃は株価が下落したことで評価額が投資累計額を下回り、評価損の状態でした。
このとき、株価は下がるし、悪いニュースばかりだし、評価損だしと考えて運用をやめる人が続出します。しかし、「初心者向きの『積立投資』株価下落もチャンスになる!」で解説した通り、株価が下がるときは積立投資家にとっては量を買える絶好のチャンスです。
株価(価格)に着目するのではなく、量に着目することが重要です。この頃に量を買い込めたことが後々効いてきます。量を増やした状況でその後株価が上昇したため評価益がぐっと増えていきます。
もう一つ重要なことは、株価は上昇に転じても一直線には上がらないということです。途中何回も下落していることがわかります。
2015年チャイナショック、2020年コロナショック、2022年ウクライナショックなど何度も下落を経験します。その都度、量を買えるのです。下落しながら上昇すると、投資総額も一番増えます。
例2:世界株式のアクティブファンドに15年間積立投資したら
図2
出所:ブルームバーグデータよりファイナンシャルスタンダード作成
続いて図2は、有名なアクティブファンドであるキャピタル世界株式ファンドでのシミュレーションです。
アクティブファンドとは、インデックス(市場平均)以上のリターンを目指す投資信託です。そのためにファンドマネージャーやアナリストが投資する銘柄を厳選します。労力もかかるのでコスト(手数料)が高くなります。
実際にはアクティブファンドでもインデックスファンドにパフォーマンスが負けているものが少なくないため、よく調べてから投資する必要はあります。
キャピタル世界株式ファンドは米国で50年の運用実績があり、長期的にはインデックスを大きく上回る実績があります。今回のシミュレーションでは1800万円が4165万円になっています。
増えてはいますが、図1・世界株式インデックスの投資信託で4606万円だったリターン額よりも441万円少ないですね。
2022年に大きく下落したことで評価金額も下がってしまいました。しかし、下落時に毎月積立をしているなら、下がった方がまた量を買えるからよいという発想をすることが重要です。
例3:日本債券に15年間積立投資したら増えなかった
図3
出所:ブルームバーグデータよりファイナンシャルスタンダード作成
図3はあまり増えなかった例です。日本の債券に投資する投資信託ですが、15年間で安定的に約20%上昇しました。ただ、積立した結果は1800万円が1835万円です。少ししか増えていません。原因は価格が下がらなかったからです。
途中で価格が下がっていないので、これでは量を買えません。いかに価格が下落することが重要かわかると思います。
復習:積立投資の王道は「世界株式の投資」!

いかがでしたか。積立投資は価格が何回も下落しながら上昇していくものに積立をすると良い結果になります。そして、その王道は「世界株式への投資」です。
第2回でお伝えした通り、世界の上場会社全体では毎年黒字、純資産も増え続けています。株価は変動しますが、利益を出し続け、本質的価値である純資産が増え続けているので、株式の価値は下がっても途中で下げ止まってまた上昇に転じます。その世界株式に積立投資を行うことがまさに王道といえます。
「世界株式への投資」を始めるなら、2024年1月スタートの「新NISA」も利用して積立投資を行うといいでしょう。通常の積立投資なら売却したときの利益に20.315%課税されますが、新NISAはそれが非課税になるので、まさに「王道にして最強の投資手法」といえるのではないでしょうか。安心して資産運用を行いたい人にはおすすめです。
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福田猛さんの連載は、毎月4日・18日に更新予定です。




