花と緑あふれる春の庭へ、ようこそ!#1
羽根井庭園|細い苗木から50年!夫婦で楽しむ庭造り
羽根井庭園|細い苗木から50年!夫婦で楽しむ庭造り
更新日:2023年06月10日
公開日:2023年04月27日
訪れた庭園:【千葉県】羽根井(はねい)庭園
和洋500坪の夫婦手造りの庭。年に数日間だけ(※)オープンガーデンを開催。
開園時間:10時~16時
入園料:600円
住所:千葉県佐倉市宮本269
※開園日は直接ご確認ください

話を伺ったのは……
羽根井禎敏(はねい・さだとし)さん(78歳/取材当時)
和子(かずこ)さん(74歳/取材当時)
※インタビューは2021年に行いました。
息子さんのひと言で始まった本格的な庭造り
色とりどりの草花が咲き、新緑が光り輝く庭で、笑顔で迎えてくれた羽根井和子さん。夫妻で庭造りを始めたのは50年ほど前のこと。周囲が工業団地になり、「せめて我が家は緑いっぱいにしよう」と、自宅の畑の一角に木を植え始めたのがきっかけでした。
植木市で人差し指ほどの細さの苗木を購入しては植え、を繰り返して20年。庭が森のようになった頃、「せっかくなら人に楽しんでもらえるようにしてみたら?」という息子のひと言で、庭造りが本格化します。
最初は、植木中心の和風の庭。夫婦で茶道を嗜(たしな)んでいたこともあり、茶室や寄付(よりつき)を建て、茶花も植えました。そこでお茶会を開き、庭で人々と過ごす楽しさを実感したといいます。
その後、和子さんの興味はハーブやバラに広がり、洋風の庭造りに着手。散策路や休憩用のコテージもつくり、気付けば500坪という広大な和洋の庭に。
次第に庭を見に来る人も増え、20年前からオープンガーデンを開催。早春はクロモジやダンコウバイ、水仙など黄色い花が。竹が青々とし始めると甘い香りのバラが満開に……その時々に見頃があります。
「最初は自分たちだけの楽しみでしたが、訪ねてくる人々が喜んでくださると、新しい草花を植えてみようか、和菓子と抹茶でもてなしてみようかと、工夫する意欲が湧いてくるんです。ありがたいことです」と和子さん。
ある年、散策路の道幅を広げてみたら、車いすで来られた母娘が「今年は庭の中まで入って見られてよかったね、お母さん!」と笑顔で話していたことがあったそう。あのときは本当にうれしかったと振り返ります。
「自分たちが一番楽しむ」が、長く庭造りを続ける秘訣
70代になり、夫婦二人で庭を続ける秘訣は「細く長くマイペースに」、そして何より「自分たちが一番に楽しむこと」と声を揃えて言います。
「よく“大変ですね”と言われるけれど、全然。私たちは庭仕事の後、毎日、ちょっとでもきれいになった場所に身を置いてお茶をいただきます。そのときの最高の気分といったら!
確かに体がしんどいことはありますが、心の持ち様、時間の使い方次第で、苦労は喜びに変えられるものですよ」と和子さん。「オープンガーデンで、その喜びを少しでもおすそわけできたらと思っています」
そんな二人の日課は、朝、クラシック音楽をかけながらの庭仕事。「花が朝露に濡れて“素敵でしょう”って話しかけてくるみたい。1日が爽やかな気分で始まります」と和子さん。
「ただ、散策していると、時がたつのを忘れてつい長居してしまい、朝食が遅くなるのが悩み」と禎敏さんが笑います。庭で見る星空、冬の青空と白樺の対比など、今も庭にいると美しさの発見が絶えません。
コロナ禍ではオープンガーデンは中止になり、来客や外出を控える日々が続きましたが、庭の世話を続けながら「自分たちが専念できることをいただいたようで。こんな暮らしもまんざらではないなぁ」と和子さん。今日も二人笑顔で、庭に向かいます。
取材・文=長倉志乃(ハルメク編集部) 撮影=安部まゆみ
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年4月号を再編集し、掲載しています。
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