【実例1】家族がいてもいなくても「ひとり」を大いに楽しむ!自分時間の豊かな使い方
【実例1】家族がいてもいなくても「ひとり」を大いに楽しむ!自分時間の豊かな使い方
公開日:2025年10月25日
何があってもおかしくない年齢だから、自分の欲求をよく見つめて
都内のワンルームマンションにひとりで暮らす平井ゆき子さん。窓に面して広がるバルコニーガーデンが自慢です。
「70歳で大学講師の仕事を辞めた後、当時住んでいた分譲マンションを『年老いてひとりで住み続けるには広過ぎる』と感じるようになって。ずっと独身で資産を引き継ぐ人もいないし、元気なうちに今の自分が“快適”と思える環境にお金を使おうと、75歳のときにここへ越しました」
10年前には乳がんを経験し、「何があってもおかしくない年」と話す平井さん。
「だからこそ、自分の欲求とよくよく向き合っています。何がしたい? あの人と話すのは嫌? 疲れてるなら休む? って。そしてその欲求には素直に従う。我慢しなくていいのはひとりの特権ですからね」
平井さんの一日の時間の使い方

6時 起床
6時過ぎ ラジオ英会話でレッスン。テレビ体操に取り組む
7時 朝食 今日の予定をチェック
8時 家事の後、身支度を整える
9時 外出。地域の講座を受講するなど、頭と体を使う用事は午前中に
12時 昼食 主に出先で外食
13時 人と会う、図書館で読書、スパに出掛けるなどして過ごす
16時 帰宅
18時 夕食 休憩・入浴を済ませる
20時 アマゾンプライム鑑賞など趣味の時間
22時 就寝 疲れた日は早めに就寝
平井さんの自分時間を楽しむコツ
豊かに楽しむ1:人の喜ぶこと、役立つことを自ら探し、実行する

「私は『人に喜ばれることが喜び』なの」と話す平井さん。得意の「かっぽれ踊り」の一座を率いて老人施設を回ったり、旧安田楠雄邸の解説ボランティアも務めます。
豊かに楽しむ2:ネイルとピアスは絶対。おばあさんの格好はしない

「ネイルは大好き。視界に鮮やかな色が映るので気分が上がります」。ピアスはプチプラでかわいいものを上手にセレクト。
軽やかに備える1:自分の考えを「発信」して仲間や情報とつながる

「人は“情報を発信する人”に集まるし、何かと助けてくれるんです」と平井さん。約30年運営を続けているホームページは、元同級生も見ているそう。「投稿用の写真を撮るのでスマホ使いも慣れてきました」
軽やかに備える2:引っ越しを機に家具や物を8割処分して身軽に

「物は引っ越しで8割処分。好きなものだけ持つ暮らしは想像より快適です」と平井さん。バルコニーで草花の成長を見守る時間が至福のとき。
賢く使う:お金は物より、体験に使って充実感を長く味わう

物は増やさず“体験”にお金を使うのが、今の平井さんのモットー。「登山や舞台鑑賞、地域の講座にもよく出掛けます。体験は内面を充実させてくれる糧です」
次回は、80代で現役女医として活躍する天野恵子さんの、ひとり時間の過ごし方を紹介します。
取材・文=大門恵子、新井理紗、児玉志穂(すべてハルメク編集部)、撮影=中西裕人
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年3月号を再編集しています




