横山タカ子さん第2回|母から娘へ受け継がれるきもの
2018.09.042018年09月05日
特別連載〜こころがたり 花の来た道〜
横山タカ子さん第3回|新しい年を迎える楽しみ
「ハルメク」で2018年5月号から『信州・四季の手遊び』を連載中の料理研究家・横山タカ子さん。特別に雑誌記事からインタビューをお届け。今回はお正月の準備のお話です。
型にはまらない "横山流"で
横山タカ子さんの家では、新年を迎える準備が始まりました。「あの器に合う料理は何かしら」「ここに羽子板を飾って、玄関には――」
年の瀬は慌ただしくはあるけれど、横山さんにとって、1年で一番、心躍る時期です。
師走に入ると、信州の空気は一気に真冬の冷たさになります。寒さに身が縮むような日も、台所のラジオから流れるジャズのリズムに乗って軽やかに炊事をこなしていく横山さん。その姿はどこか嬉々としています。
「お正月支度は新年に向けた”助走”の時間。せわしいけれど心が躍るんです。一年の中でもやっぱり特別ですね」
その年のカレンダーが残り1枚になるとすぐ、横山さんは正月花の準備に取り掛かります。毎年決まって注文するのは、春を告げる花・越前水仙。枝ものは、年末に剪定した庭の花木の枝を捨てずに生けます。「梅や蠟梅は室内で飾っていると花が開いて、外より一足早く甘い香りを味わえるんですよ」
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