山本ふみこさんのエッセー講座 第9期#1
2024.10.312023年09月25日
山本ふみこさんが選んだエッセーの紹介とQ&A動画
山本ふみこさんエッセー通信講座第6期参加者の4作品
随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。エッセーの書き方を半年間学んできた参加者が、最終回は「誕生日」をテーマに執筆しました。動画では、山本さんの今期の講評と添削のポイント、好評企画「おすすめの一冊」もご紹介します。
山本ふみこさんが選んだ4つのエッセー
クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。第6期第6回で取り組んだエッセーのテーマは「誕生日」です。
「塩豆大福」大井洋子さん
来年12月の誕生日、わたしは70歳の大台に乗る。まだ、1年以上あると……
「お山巡り」相良章子さん
朱色の鳥居がずらりと並び、山の方まで続いている。ここ、伏見稲荷の光……
「あたらしい決まりごと」栞子さん
この数年、すっかり年齢を忘れて暮らしている。わざわざ聞かれることも……
「思わぬ遺品」三澤モナさん
母が亡くなってかなり経ってから、母の遺品の中に、それを見つけた。小さな……
人気随筆家の山本ふみこさんから半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座には、日本各地から応募した41名が参加しています。毎月1本書きあげたエッセーに、山本さんのアドバイスや添削を受けて、実践的に学んでいます。
参加者一人ひとりが直面する悩みや疑問は、実は、エッセーを書く人にとって共通する学びの宝庫です。
ハルメクでは、月1回山本さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者が生き生きと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開しています。
今回は第6期の最終回6回目。動画では、「添削のポイントは音。文章を声に出してみる大切さ」と、みなさんにご好評の「山本さんおすすめの一冊」をお届けします。
添削に疑問があったら、一度声に出して音読を!
山本ふみこさん:いよいよ通信コース第6期、最終回の解説となりました。今期もあっという間でした。
作品の添削には「青ペン」を使わせてもらっているのですが、私の青ペンは皆さんと私のやりとり、「会話」や「ひとつの答え」として受け止めてもらえるといいなと思います。
「なんでこんなところに青ペンが入っているのだろう」と一度ならず思われた場面があったでしょう。
ですが、内容に踏み込んでいない点に青ペンが入っていたとしても、「意味のあること」として信じてください。
たとえば、私が大事にしている「音」に関係している青ペンもあります。
こちらにした方が日本語として美しいのはないでしょうか、といった感じで入れています。だから「あらっ、こんなに青くなっちゃって!」とは思わずに、一度音読してみてください。
私と対話をするような気持ちで、大きな意味で復習としても読み直してみてもらえるとうれしいです。
山本さんおすすめの一冊
『星の牧場』(庄野 英二 著/角川文庫)
山本さん:みなさんの原稿を読ませていただいた8月は、色々と考えさせられる月です。
前回 は児童書をご紹介したのですが、今回も児童書に分類にされる作品です。
皆さんは『星の牧場』をお読みになったことはありますか?
この作品を題材に宝塚で舞台にもなっているので、ご存じの方もいるかもしれません。
この作品をごくごくかみ砕いて言うと「戦争に行って、帰ってきた青年のお話」です。
主人公の名前はモミイチ。戦場で悲しいことや信じられない場面に遭遇し、生きて帰ってきたけれども、当たり前のことが当たり前にできにくい状況にいます。
この物語はモミイチを通して「戦争というものが、いかに人の人生を変えてしまうか」「人の心を痛めつけるか」を描いています。
たくさんの虫や動物、目に見えないものが出てきて、悲しい話なんだけれども可愛い話でもあります。
戦争にまつわる学びがある本でもあるのですが、今の時代って生きにくさを抱えている人が増えていますよね。理由は色々あるのだけれど、私の周りにもいて、皆さんの周りにもいらっしゃると思います。
でも、生きにくさを感じても、忙しかったり、色んなもののスピードが速かったりで、なかなか落ち着いて考えられないことってありますよね。
この作品は、その渦中にいる人達、または、もしご自身がそうなった時にも、ある“効き目”を発揮するんじゃないかと思っています。
その効力については、是非お手に取って確かめてみてください。感想を聞かせてもらえたら、うれしいです。
動画では、さらに「読書量と書くことの関係」「読む力と書く力、聞く力」についてや、第6期6回目のテーマ「誕生日」についても山本さんがお話ししています。是非、お楽しみください。
随筆家・山本ふみこさんのプロフィール
1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
募集については、2024年1月頃、雑誌「ハルメク」誌上とハルメク365イベント予約サイトのページでご案内予定です。
エッセー作品一覧
- エッセー作品「塩豆大福」大井洋子さん
- エッセー作品「お山巡り」相良章子さん
- エッセー作品「あたらしい決まりごと」栞子さん
- エッセー作品「思わぬ遺品」三澤モナさん
- 青木奈緖さんのエッセー通信講座第6期第4回参加者の3作品
- 山本ふみこさんエッセー通信講座第6期参加者の作品
- エッセイの書き方とポイント・面白い文章にするコツ