青木奈緖さんが選んだエッセー作品の紹介とQ&A動画

青木奈緖さんのエッセー講座6期第4回参加者の作品

公開日:2023.08.25

「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。大切な思い出を形に残すべく取り組む参加者たちの作品から、青木さんが選んだ2つのエッセーをご紹介します。

青木奈緖さんのエッセー講座6期第4回参加者の作品
青木奈緖さんのエッセー講座6期第4回参加者の作品

青木奈緖さんが選んだ2つのエッセー

「青木奈緖さんのエッセー講座」参加者による家族のエッセーです。クリックすると、作品と青木さんの講評をお読みいただけます。

「月参り」加地由佳さん
夫を見送り、早くも8年が過ぎました……

「悪魔のソファーがやって来た」橋本ひろみさん
2週間前のこと。念願のソファーが我が家に……

エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答

エッセイストの青木奈緒さんを講師に、半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座。

このエッセー講座のテーマは「家族」。日本各地からご参加いただいた30名の皆さんが毎月1本、家族との大切な思い出をエッセーの形に残すべく取り組んでいます。

参加者ひとり一人がエッセーを書くうちに直面する悩みや疑問は、実は、書く人にとって共通する学びの宝庫です。ハルメクでは、月1回青木さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者が生き生きと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開していきます。

第6期4回目となる今回は、「『段落』の設定の大切さ」についてお話を伺いました。動画の後半では、「書き溜めた作品の保管方法」「装丁の文化」についてもお話しいただきましたので、ぜひお楽しみに。

「段落」の設定次第で、作品の印象と伝わり方が変わる

青木さん: 今回はちょっとした小ネタではあるのですが、これまでの皆さんの作品から傾向として見受けられる、気をつけてもらいたいことについてお話をしたいと思います。

エッセーは散文です。段落に分けて、その段落の始めは1字下げる、という決まりがあります。
ですが、受講生の皆さんの中には、1行の3分の2くらい書いたら次の行へ移り、始めの1字を下げないで書く方がいらっしゃいます。
多分、書いている方は「ここを新しい段落にする」という意識はなく、1行の中で書き進めていると最後の方の1語は半分に分かれてしまう、言葉がちぎれているように見えてしまうから次の行へ書いてしまうのだと思います。しかし、エッセーでは行の最後の方で言葉が分かれてしまっても、そのまま書いてください。

1行の最後で言葉が切れてしまうから、次の行へ移り、1字下げずに書き始めてしまうのは、きっと「手紙の書き癖」だと思います。
手紙だと、言葉が分かれてしまうのを避けるために、1行1行を揃えずに凸凹になってもいいから「言葉としてのまとまり」を尊重される方が多いですよね。
ただ、この書き方はエッセー、原稿用紙で書く場合は当てはまりません。原稿用紙、エッセーなどでは「改行=新しい段落になる」ということです。

「段落って、ただ改行をして1字を下げて書いているだけ?」と思われている方もいるかもしれませんが、段落設定は作品の構成においてとても重要な意味を持ちます。

段落は「作品の中の小さなまとまり」といえます。まとまりにきちんと分けていく、ということは頭の中の構成を整理していくことにも繋がります。
きちんと段落が設定できている作品は、全体として見たときにも立て付けがよく、すっきりとしています。

最近では、インターネットでWEBサイトの記事を読む機会が多くなっていると思います。
WEBサイトでは1字下げもないですし、1行空けを多様し構成されている文章もあるので(この記事もそうですね)、知らないうちに目がその書き方に慣れてしまっているのかもしれません。
だから、どうやって段落を分けようか迷ったときは、手近にある小説、エッセーを参考に広げてみてください。
文庫本、単行本、何でもいいです。内容ではなく、「どこで1字下げているか」「段落はどうしているか」など構成や書き方が分かると思います。

動画では、さらに詳しいお話や「書き溜めた作品の保管方法」「装丁の文化」について、青木さんの朗読もお楽しみいただけます。朗読するのは、重量感のあるソファーが繰り広げるコミカルな場面場面を巧みな構成で描いた「悪魔のソファーがやって来た」(橋本ひろみさん作)です。

エッセイスト・青木奈緖さんのプロフィール

青木奈緒 エッセー 講座

1963(昭和38)年、東京生まれ。文豪・幸田露伴を曽祖父に、作家・幸田文を祖母に、随筆家・青木玉を母に持ち、自身もエッセイストとして活躍。著書に『幸田家のきもの』(講談社刊)、『幸田家のことば』(小学館刊)他。

ハルメクの通信制エッセー講座とは?

全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。講座の受講期間は半年間。

2023年3月からは、第6期がスタートしました(受講募集期間は終了しています)。5月からは、青木先生が選んだ作品と解説動画をハルメク365でお楽しみいただけます(毎月25日更新予定)。


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ハルメクならではのオリジナルイベントを企画・運営している部署、文化事業課。スタッフが日々面白いイベント作りのために奔走しています。人気イベント「あなたと歌うコンサート」や「たてもの散歩」など、年に約200本のイベントを開催。皆さんと会ってお話できるのを楽しみにしています♪

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