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- バス旅の安全性をチェックする旅行パンフレットの見方
バス旅行は安全?とか、バスの座席は狭くて窮屈では?と敬遠している人もいるかもしれません。そこで、旅行パンフレットからツアー内容をはじめ、安全性や座席の快適度などをチェックする方法について、高速バスのプロが伝授します。
日本バス協会の認定制度が、安全度の目安の一つ
一般的に、ツアーのバス旅行を選ぶときは、旅行会社の店頭に並んでいるパンフレットや、新聞の折込広告などから申し込む人が多いのではないでしょうか。また、バス旅行に強いクラブツーリズムでは、一度会員になると定期的に会報誌が送られてくるので、そこから気になるツアーをピックアップし、申し込むという方法もあります。
「数年前に、何件かのバス事故があったため、国土交通省は、ツアーのバス旅行のパンフレットには、どこのバス会社が使われるのか、社名を記載しなければならないという規制を設けました。とはいえ、バス会社の社名を言われても、どのバス会社がよいのか、利用者には分からないというのが正直なところ。
そこで、一つの目安となるのが日本バス協会の認定制度です。通称セーフティーバスといわれるものです」と高速バスマーケティング研究所代表の成定さん。
この認定制度には、1つ星、2つ星、3つ星というランクがあり、どのバス会社がどのレベルなのか、セーフティーバスのサイトを見ればわかるようになっています。「とはいえ、星がないから危険ということはありませんが、2つ星、3つ星というのはかなりレベルが高くないと取れないので、チェックしてみるといいでしょう」(成定さん)。
行程の組み方で安全面を確認
ツアー内容の安全面において気になる人は「パンフレットで、行程の組み方を見てみるのもいいでしょう。運転手の走る時間と距離は運転手の疲労に直結するので、バスの運転手の1日の拘束時間は、1日13時間が最大で、例外で16時間と決まっています」(成定さん)。これには行程だけではなく、車庫に出勤してから退勤するまでの時間が含まれています。
朝出発して夜帰ってくるようなコースは、たくさん観光地を寄るのでお得のように見えますが、運転手だけでなく、利用者の私たちも疲れてしまうもの。それに、たくさんの観光地を寄るコースは、当然ながら一立ち寄り地点ごとの滞在時間が短くなるので、人によっては物足りなく感じる場合もあると成定さんは指摘します。
また、バスの運転手に対する法律の規制として、おおむね2時間に対して10分以上の休憩を取らないといけないことになっているので、例えば日曜の上りの中央道などで、渋滞にはまればはまるほど、帰る時間がどんどん遅くなっていくというケースもあります。
「そういった意味でも、自分がバスツアーに行ってどこで何がしたいのかをしっかり見極めたうえで、さらには行程に余裕があるコースを選ぶといいでしょう」(成定さん)。
まさかのツアー中止!? 最少催行人員もチェック
安全面についての話とは少し離れますが、高速バスや路線バス、電車などは乗客が1人でも必ず走るのが決まりとなっていますが、旅行会社などが主催するこういったバスのツアー旅行は価格が安い分、ある程度の人数がそろわないと開催されません。旅行パンフレットには『最少催行○名』と記されています。
「各社が主催している定番の人気ツアーが、キャンセルになることはあまりありませんが、特殊な目的地へのツアーなどは、人が集まらないとツアーキャンセルになることもあります。また、旅行会社によっては、特定のコースを3カ月~半年と長めに毎日設定をし、最少催行に満たなかった日は、その日の前後に変更するよう申込者に提案することもあるようです」
成定さんによれば、開催されないかもしれないツアーに申し込む危険を防ぐには、「パンフレットやサイトに『出発決定ツアー』と表示されているツアーから選ぶことだそうです。これならば、申し込みがあなただけであってあっても、キャンセルされることはありません。
まとめ
高速バスの事故が相次いだ影響で、2013年から貸切バスの運賃制度が変わり、バス代がかなり値上がりしました。そこで、値段が高い代わりに、内装がゴージャスだったり、座席同士がゆったりしていたり、トイレ付きなど、ワンランク上の車両を使ったバスツアーが増えているのも近年の傾向です。
よくパンフレットに、「ゆったりと」か、「のびのび」というアイコンが付いているのが、このタイプのバスを使ったバス旅行。ゆったりとゴージャスな旅行を楽しみたい人にはこういった新しい形でのバス旅行を選ぶというのも手といえそうです。
監修:成定 竜一
「高速バスマーティング研究所」代表。国交省「バス事業のあり方検討会」委員などを歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。バス業界の規制緩和に尽力。TV出演、講演多数。
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