しんどい夫婦関係、問題の解決策は?(6)

モラハラ夫「わしも族」にならないための対処法は?

公開日:2021/03/28

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「夫源病(ふげんびょう)」を提唱した医師の石蔵文信さんによる、しんどくない夫婦の関係性を模索する連載です。前回は定年後にどこへ行くにも妻の後を付いていく「わしも族」を紹介しました。その夫がとるべき対処方法は何でしょうか。

夫源病の対処法わしも族

どこに行くにもついて来る「わしも族」

​​どこにでもついてくるおれも族

前回は、どこに行くにも付いてきて妻を困らせる「わしも族」のお話をしました。

「わしも族」には定年後の夫が陥りやすいさまざまな要素があります。定年するまでは仕事が忙しく、妻の行動など気にもしなかったのですが、定年になって暇で家に一日中いると妻の行動が気になります。自分自身でやることがないために妻の外出についていったり、「旅行に一緒に連れて行け」というのは立派な「わしも族」です。

若い時から二人で趣味や旅行を楽しんでいるご夫婦なら、定年後も大きな負担にはならないでしょう。しかし、定年後に、妻の行動を監視したり、束縛するようなモラルハラスメントを行うようでは、妻のストレスは大きくなるばかりでしょう。
「わしも族」にならないためには定年前の行動が大切です。定年後は、会社の仲間や友人とも次第に縁遠くなりますので、若い時から妻と二人で過ごす習慣を持つことや、一人でも楽しめる趣味と時間を持つことが大切です。

妻と二人で過ごす習慣を持つためには、まず家事をするのが一番いいでしょう。家事労働は、妻の仕事だと押し付けていませんか? 生活が成り立ってこそ夫婦二人、もしくは一人の趣味の時間を持つ資格があります。

そのためには仕事人間から抜け出して、家庭をはじめさまざまなことに興味を示すことです。その中で妻と時間や趣味が合うのなら、一緒にされればよいでしょう。

 

夫婦で一緒に楽しく取り組む趣味を作る

夫婦で一緒に楽しく取り組む趣味を作る


定年になって困るのは「ご趣味は何ですか?」と聞かれることらしいです。最近ではこのような質問を「趣味圧」というようです。

定年になれば趣味を楽しむものだ、趣味を持っていないのはおかしいと思われ、それが心の負担になるというのです。定年後、急に趣味が持てるはずはありません。趣味がある人は若いうちから始めています。趣味も忙しい仕事の合間にやるから楽しいのであって、一日中暇な時間がある方にとっては何をしていいのか全く想像もつかないでしょう。

このように、どうやって時間を過ごしていいかわからないから、趣味を持っている妻について行く「わしも族」になってしまう人が多いのでしょう。

特にスポーツに関しては、若い時からやっていた方がいいと思います。私は学生時代からテニスをしていますが、今でも友人たちと週に数回楽しんでいます。仲間の多くは70歳前後ですが、昔からやっているので、元気に活躍されています。テニスなどの激しいスポーツを定年後から始めるのは少し厄介でしょう。

そのような理由もあって、定年後、ジムやスイミングに通っている高齢者も少なくありません。新型コロナの影響でジムやスイミングの入場制限があったようですが、時間帯を考えて毎日利用しているようです。

しかし、男性はひたすら運動をするばかりです。女性はというと、運動もするけれど、一緒に友人とのおしゃべりで盛り上がっているようです。もう数年ジムに通っているが、友人がいないという男性は、少なくありません。せっかく毎日通っているので、おしゃべりができる友人を作ることも大切でしょう。

ジムやスイミングで体を鍛えることは大切ですが、多くの人が体を鍛える上での目標がないようです。多くは「健康のため」に通っているようですが、マスターズ大会に出場するなどの目標を持つと、人間関係の幅も広がるかもしれません。

 

一周回ってゴルフのススメ

一周回ってゴルフのススメ

最近私は、妻と共にゴルフを始めました。今の60代以上の方でサラリーマンだった方は、ほとんどがゴルフをしていたのではないでしょうか。テニスをしている我々にとって「ゴルフはぜいたくなスポーツ」だと思っていました。娘婿たちがゴルフをするのを機に、我々も2020年暮れからゴルフレッスンに通い、娘婿たちとときどきコースに出ています。昼間のゴルフレッスンにはたくさんの女性が来られています。中には、夫がすすめて妻がゴルフを始めている例もあるようです。もし、妻がゴルフに興味を持つようであれば、誘ってみてはどうでしょうか。


最近は新型コロナの影響からか、若い人がゴルフを始めるようになってゴルフ場にも活気が戻ってきています。平日は、昼食付6000円前後で回れるコースもたくさんあります。

しかも、ツーサムといって2名で回ることも可能です。友人を誘うのは大変ですが、妻と月2回くらいコースを回るのはそれほど経済的な負担も少ないと思います。

ゴルフの場合は多少夫婦の実力が離れていても、プレーが遅延するほどでなければ一緒に回っても差し支えないという点では他のスポーツとは異なる利点でしょう。

高齢になって新しいことに取り組むのは大変なことです。特に男性は面子やプライドが邪魔をして新しいことに挑戦したがりません。そんな時は妻も一緒にやってみるなどして少し背中を押してあげてください。その後は褒めて育てることが大切です。


次回はスポーツ以外の趣味についてお話ししたいと思います。

石蔵文信さん(いしくら・ふみのぶ)さんのプロフィール

石蔵文信さん

1955(昭和30)年生まれ。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)
 

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石蔵文信

1955年生まれ。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)

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