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- 花の種類によってはちみつの味や香りが違うって本当?
甘くて芳醇な香りが楽しめるはちみつですが、実は蜜源になる花の種類によって味や香りが異なります。花の種類ごとの味わいの違いや、好みのはちみつを見つけるコツについて、養蜂歴40年以上の「みつばちおじさん」こと藤善博人さんに教えてもらいました。
蜜源の花によって、はちみつの味や香りは違う!
優しい甘さで人気のはちみつは、ミツバチが集めてきた花の蜜から作られます。花ごとに香りが違うように、花から取れるはちみつもまた、蜜源となる花の種類によって色や香り、味がそれぞれ異なります。世界には4000種類以上のはちみつがあると言われますが、その一つ一つが個性を持っているのです。
そんなバリエーション豊富なはちみつは、蜜の集め方によって「単花蜜」と「百花蜜」の大きく2種類に分けられます。
単花蜜は、アカシアやレンゲなど1種類の花から取れるはちみつで、その花の香りや風味をそのまま味わえます。
一方の百花蜜は、野山に咲くいろいろな花の蜜を集めたものです。地域や季節によって咲く花が変わるので、産地や時期ごとに味わいが異なり、一期一会の出会いを楽しめます。
単花蜜ではアカシアはちみつやレンゲはちみつが有名ですが、他にも、そばはちみつや、ボダイジュはちみつなど、たくさんの個性豊かなはちみつがあります。
そこで藤善さんに、蜜源となる花ごとの、はちみつの特徴や魅力について教えてもらいました。
上品でクセが少ないのはマメ科のはちみつ
まず教えてもらったのは、誰もが食べやすい、クセの少ないはちみつについてです。
藤善さんは「万人に好まれやすいのは、アカシアやレンゲ、クローバーなどマメ科の花から取れたはちみつです。マメ科のはちみつはクセが少なくまろやかな口当たりで、上品な味わいが特長。そのまま食べてももちろんおいしいですし、トーストやヨーグルトとも相性抜群。料理や飲み物にも合わせやすいので、いろいろな楽しみ方ができます」と話します。
中でもアカシアはちみつは、豊かな香りとすっきりとした上品な甘さで、別名「はちみつの女王」と呼ばれるほどファンが多いはちみつなのだとか。比較的結晶化しにくく、扱いやすいのも人気のポイントです。
さらにはちみつは、食後の血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」に分類されているので、血糖値が気になる人や、ダイエット中の人にもおすすめ。おいしく健康的に、自然の甘味を堪能できます。
「白いはちみつ」ホーリークローバーはリッチな味わい!
そんな上品な味と香りが楽しめるマメ科のはちみつですが、中でも最近の藤善さんのお気に入りは「ホーリークローバーはちみつ」という種類なのだとか。
ホーリークローバーとは、「東洋のスイス」とも呼ばれるキルギスの高山地域に育つ花で、そこから取れるはちみつは、優しい香りとすっきりとした甘みが特徴です。自然に結晶化して乳白色のクリーム状になることから、「白いはちみつ」としても知られています。
「上品な香りに、なめらかでふわっとした口当たりが楽しめるはちみつです。これまで数えきれないほどのはちみつを食べてきましたが、その中でも一、二を争うのではないでしょうか」と養蜂歴40年の藤善さんのお墨付き。
そのままはもちろん、トーストや紅茶、ヨーグルトに混ぜてもリッチな味わいを楽しめるのだとか。「白いはちみつ」という珍しさから、ギフトとしても喜ばれるそうです。
柑橘やハーブなどの個性派も!新しい出会いを楽しんで
こうした、誰もが食べやすいはちみつの他にも、柑橘やハーブといった個性的な香りを楽しめるはちみつもあります。
「例えば、ミカン科の落葉樹・烏山椒から取れるからすさんしょう蜂蜜は、柑橘系の爽やかな香りが特徴。ローズマリーは上品なハーブのような香りで、どちらも紅茶やお菓子との相性が抜群です。他にも、シナノキという落葉樹の花から取れるボダイジュはちみつなどは、ウッディな香りでチーズにも合います」
中には、「白いはちみつ」ならぬ「黒いはちみつ」と呼ばれる、そばはちみつなどもあり、こちらは黒糖のようなコクのある甘みで、乳製品との相性が抜群にいいのだとか。
「ソフトクリームにそばはちみつをトッピングするとすごくおいしいんですよ。他のはちみつトッピングとも食べ比べてみましたが、そばがダントツで合いますね」
上品なものから個性的なものまで、たくさんの種類があるはちみつ。
「あれこれと試しながら、好みの味を見つけるのも、はちみつの楽しみ方の一つです。それこそ百花蜜などは、産地が同じでも時期やその年の気候によって味わいが変わります。新しい出会いを楽しむような感覚で、いろいろなはちみつを試してもらえたら、うれしいですね」と藤善さん。
花の種類によりさまざまな違いが楽しめる、はちみつ。いろいろなはちみつを食べ比べて、お気に入りを見つけるのも楽しそうです!
なお、はちみつの香りや風味は揮発成分なので、日を追うごとに飛んでいってしまいます。一度封をあけたはちみつは、できるだけ新鮮なうちにおいしく味わうようにしましょう。
お話を伺ったのは:藤善博人さん(山田養蜂場)
養蜂歴40年以上。みつばちについて深い知識を持つ。自宅でも養蜂を行っており、自家製のはちみつを毎日楽しんでいる。採蜜やミツロウキャンドル作りなどが体験できる「みつばち教室」の人気講師。「みつばちおじさん」として親しまれている。
取材協力:山田養蜂場
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