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はちみつの賞味期限はどのくらい?正しい保存方法は?

公開日:2022.10.13

更新日:2022.10.20

「腐らない食べ物」として知られるはちみつですが、常温で長期間保存しても味や香りに変化はないのでしょうか? はちみつの賞味期限と正しい保存方法について、養蜂歴40年以上の「みつばちおじさん」こと藤善博人さんに教えてもらいました。

純度100%のはちみつは腐らない!

純度100%のはちみつは腐らない!

収穫してそのまま加工することなく、長期保存ができる食材、はちみつ。でも、腐らないって本当なのでしょうか? 

「純度100%のはちみつは、保存方法が正しければ何年経っても腐りません。大きな理由は、80%を超える糖度の高さです」

藤善さんいわく、糖度が高いと必然的に浸透圧が大きくなるため、はちみつの中に雑菌などが混入したとしても、水分が吸い出されて、菌そのものが死んでしまうそう。

「はちみつは、水分量がわずか20%しかありません。微生物が活動できるだけの水分がないので、微生物が入ったとしても生存・増殖できないのです」

はちみつは賞味期限を過ぎても食べられるって本当?

はちみつは賞味期限を過ぎても食べられるって本当?

でも、市販のはちみつには賞味期限が記されていますよね。はちみつは腐らないのに、賞味期限が表示されているのはなぜなのでしょうか。

「食品には、賞味期限か消費期限の表示が義務付けられているので、はちみつにも必ず賞味期限が明記されています。未開封を前提として、一般的には充てん後2~3年が賞味期限というケースが多いです」

消費期限は、傷みやすい食品に対して「安全に食べられる期限」として明記されるもの。一方で賞味期限は、「風味が落ちずにおいしく食べられる期限」を指します。

はちみつは傷みにくい食品ですから、明記されているのは「賞味期限」。未開封であれば、期限を過ぎても食べることは可能です。

しかし、はちみつのプロ・藤善さんは、おいしくいただくために「早めに食べるのがおすすめ」とアドバイス。

「確かに賞味期限を過ぎても食べられますが、はちみつの醍醐味である特有の香りや風味は、揮発成分のため日を追うごとに飛んでいってしまいます。私は40年以上養蜂に携わっていますが、はちみつはやっぱり採れたてが一番おいしい。だからこそ、賞味期限内のできるだけ新鮮なうちに、おいしく味わってほしいですね」

はちみつの正しい保存方法は?冷凍庫保管もOK

芳醇な香りと、自然の甘みが魅力のはちみつ。その風味や味わいをできるだけ長く楽しむためには、保存方法にもコツがあるそうです。

「はちみつは保管場所の温度が高いと香りや風味が飛びやすくなり、色合いも褐色に変化していきます。理想的な保管温度は18~19℃くらい。直射日光にも弱いので、冷暗所で保管することをおすすめします。扉付きの食器棚の中などに置いておくのもいいですね」

なお、気温が高い夏場や長期保存したいときは、冷蔵庫ではなく、冷凍庫に入れるといいのだとか。

「13~14℃が最も結晶化が進みやすい温度なので、冷蔵庫での保管はおすすめしません。一方、冷凍庫では結晶化しないので、長期保存に向いています。風味や成分が損なわれることはありません」

はちみつの結晶化は、花粉の粒子などを核にしてブドウ糖が結晶することで起こります。ブドウ糖の割合によって結晶化のしやすさが変わるので、はちみつの種類や添加物の有無でも固まりやすさに差が出るそう。

水あめ、果糖、ショ糖などを加えた加糖はちみつは、ブドウ糖の割合が下がることから結晶化しにくくなりますが、一方で糖度や水分量も変化するため傷みやすくなります。

そのため「『自然なままの本物のはちみつの証』として、あえて、はちみつに含まれる花粉を取り除かない、天然はちみつ100%の商品もあります」と、藤善さん。

つまり結晶化は、はちみつの性質から起こる自然な現象で、品質劣化によるものではない、ということ。これまで「結晶化したはちみつは品質に問題がある」と思っていた人も、これを聞いて少し安心できたのではないでしょうか。

プロがおすすめ!結晶化したはちみつの溶かし方

結晶化したはちみつも溶かせばまた液体に戻るそう。ただし、高温での加熱はNGです。

「はちみつは、45℃以上の熱を加えると香り成分が飛んでしまいます。また、酵素の種類によっては、47~48℃で失活してしまうものもあります。結晶化したはちみつを溶かす際は、湯煎でゆっくりと溶かすのがポイントです」

そこで藤善さんに、おすすめの溶かし方を教えてもらいました。

結晶したはちみつの溶かし方
 結晶したはちみつの溶かし方 

1.結晶したはちみつの容器が入るくらいの大きめのボウルか鍋を用意し、お風呂よりも少し熱めのお湯を入れます。はちみつの容器の蓋を開け、容器をそっと中につけます。
2.結晶したはちみつをかき混ぜながら溶かします。

もし、はちみつが溶け切らないうちにお湯の温度が下がってしまったら、はちみつの容器をつけたボウル(鍋)ごと、湯をはったひとまわり大きな鍋に入れましょう。

そして、鍋を直火でゆっくりと温めながらはちみつをかき混ぜます。高温になると香り成分が飛んでしまうので、温度には気を付けてくださいね。

そのまま食べるだけじゃない!料理に使用もおすすめ

香りや風味はもちろんのこと、豊富な栄養素もはちみつの魅力の一つです。でも、高温に弱いということは、料理などで使用すると栄養素も失われてしまうのでしょうか?

「一部、失活する酵素はありますが、タンパク質やミネラルといった基本的な栄養素が失われることはありません。素材の臭みを取ったり、お肉を柔らかくするなど、はちみつの成分によってよりおいしくなる料理もたくさんありますから、そのままはもちろんのこと、お料理でもぜひ楽しんでほしいですね」

ちなみに藤善さんによると、時間がたって色が濃くなってしまったはちみつは、梅やしょうが、レモンなどの果実漬けに使うと、素材の風味とはちみつの甘みでおいしく食べられるのだとか。

正しい保存方法を心掛けるのはもちろんですが、もし香りや風味が落ちてしまっても、料理や果実漬けに活用できるというのはうれしいですね!

疲労回復におすすめの「レモンはちみつ漬け」レシピ「はちみつドリンク」レシピなどもあるので、ぜひ試してみてくださいね。

お話を伺ったのは:藤善博人さん

藤善博人さん(山田養蜂場・みつばちおじさん)

養蜂歴40年以上。みつばちについて深い知識を持つ。自宅でも養蜂を行っており、自家製のはちみつを毎日楽しんでいる。採蜜やミツロウキャンドル作りなどが体験できる「みつばち教室」の人気講師。「みつばちおじさん」として親しまれている。

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