唐沢寿明!政財界を操る影のフィクサーを演じて

【後】唐沢寿明!還暦を迎えて役者人生を振り返り

公開日:2023.04.23

更新日:2023.04.29

ドラマ「フィクサー」で主演を務めている唐沢寿明さん。還暦を迎える唐沢さんに、40年を超えた役者人生を振り返っていただき、度々共演されている俳優仲間や、憧れている人物、年を重ねることなどについて前後編でインタビューしました。

還暦を迎えて、40年の俳優キャリアを振り返ると?

――唐沢さんは2023年6月で還暦を迎えますが、10代でスーツアクターからキャリアをスタートし、40年以上の俳優業を振り返ってみて、今どのようなお気持ちでしょうか?

唐沢寿明
そうですね、スーツアクターと言っても活躍していたという意識はなくて、人気特撮シリーズのの戦闘員もやりましたし、いただける仕事は全てやりました。そこで仲間意識が生まれたし、いろいろな勉強にもなりました。その時の経験が今の自分に生きています。

まさかその頃は、自分が主演をやる人間になれるとは夢にも思っていなかったです。人生って分からないものですね。

――「愛という名のもとに」など、多くのトレンディドラマにも出演されましたね。

唐沢寿明
運良くトレンディドラマから世間に認識されるようになって、あの頃はアイドル俳優みたいなものでしたね。今で言うイケメン枠みたいな感じかな。それ以上でも、それ以下でもないという。もちろん、自分なりに精一杯やったつもりだけど。でも、そのイメージを脱却するのは、実は大変でした。

「西遊記」の孫悟空をやった時は、事務所にすごい数の電話やハガキが届いたんですよ。「イメージが違う」とか「そんな人だと思わなかった、ファンを辞めます」などと言われました(笑)。だけど、もしも人気があるんだったら、その時にこそ冒険やチャレンジをした方がいいと思ったんです。うまういかなかったとしても、やった意味は必ずあるから。


――その後、今回の「フィクサー」も担当されている井上由美子さんの脚本の「白い巨塔」に主演されましたね。

唐沢寿明
紆余曲折ありましたが、「白い巨塔」以降は次々としっかりとした作品が来るようになりました。

今、振り返ってみると、人生のターニングポイントがあるとすれば、その要所要所で必ず誰かに助けてもらっているんですよね。ありがたいです。

憧れの人は「ブルース・リー」!人としても俳優としても影響を受けた

――「フィクサー」で、総理の首席秘書官・中埜弘輝を演じている藤木直人さんが、「いつも唐沢さんとご一緒できるのはご褒美だと思っています」と公式サイトにコメントを寄せています。藤木さんのように、唐沢さんに憧れる俳優たちは多いと思いますが、唐沢さんの憧れの人はどなたでしょうか?

唐沢寿明
ブルース・リーに子どもの頃から憧れています。人としても、俳優としても大きな影響を受けた人物です。彼の生き方からたくさん学びましたし、俳優業の全てに学んだことが役立っています。

藤木君とは何回も共演していますが、今回はこれまでと顔つきが全然違います。今回の彼はすごいですよ! 見てもらえたら違いが分かると思います。俳優としての魅力が増しています。

――唐沢さんはずっと若々しくて、お変わりないように見えます。

唐沢寿明
そんなことないですよ。「フィクサー」のオンエアを見たらゾッとするんじゃないかな。地獄の底から出てきたようなビジュアルです(笑)。

――それは、役柄のせいですよ(笑)。

唐沢寿明
いずれはもっと年を取っていくんだろうけど、仕方がないことに対して抗ってもしょうがないしね。何事も若い時みたいに、いつまでも同じだと思って調子に乗らないことじゃないかな。若い時とは変わっていて当然だから、それを隠そうとするとややこしくなるし、ちゃんと堂々と認めて、「今、私は50歳なんだ」「60歳なんだ」と単純に思えばいいんじゃないでしょうか。

健康法はちゃんと寝て食べること!お酒の席も楽しむ

――撮影は体力勝負かと思いますが、健康法やリラックスするためのストレス解消法について教えてください。

唐沢寿明
健康法は、やっぱりちゃんと寝ることだと思います。あとは、当たり前のことかもしれませんが、暴飲暴食しないとかね。

ストレス解消法は、最近はちょっと難しいですが、友達と集まって食事するのも大事なことだと思うんですよね。しょっちゅうじゃなくて、たまにね。

やっぱり体は、どう考えたってどんどん老いているわけだから、自分のためにケアするのは当然。でも、月に何回か、暴飲暴食とまではいかないけど、好きなだけ飲んだり食べたりする、自分を甘やかす時間を作るのも必要じゃないかな。何でもかんでも気を使っていたら、それが今度はストレスになっちゃうから。

――休日はどんな風に過ごしていらっしゃいますか?

唐沢寿明
夫婦で外に食事に出かけたりします。それだけで十分楽しいし、ストレス解消にもなります。夫婦として、自分のことだけじゃなく、相手のことも気遣うことで、一緒にいる時間はもっと楽しくなると思います。

――素敵なお話をありがとうございます! 最後に、いつも生き生きと活躍されている唐沢さんから、年齢を重ねながら、元気に楽しく生きるコツなど、読者に向けてアドバイスやエールをお願いします。

唐沢寿明
趣味など、楽しいことを見つけることですね。「趣味がない」という人、結構多いんですよね。でも、無理やりにでも見つけて楽しむ。最悪、一人でも楽しめることを見つけることが、元気に楽しく生きるコツなんじゃないかな。

【前篇を読む】

唐沢寿明(からさわ・としあき)プロフィール

1963年、東京都生まれ。NHK連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」(88)、大河ドラマ「春日局」(89)で注目され、「愛という名のもとに」(92)などのトレンディドラマで人気俳優に。大河ドラマ「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」(2002)「白い巨塔」(03)「20世紀少年」(08)など数多くの映画やドラマに主演。

「連続ドラマW フィクサー Season1」

Season1:4月23日(日)、WOWOWプライム/WOWOW 4K/WOWOWオンデマンドにて放送・配信スタート
毎週日曜午後10:00
※第1話無料放送(全5話)

  • 出演:唐沢寿明
  • 藤木直人 町田啓太 小泉孝太郎 / 西田敏行(特別出演) / 内田有紀 小林薫
  • 脚本:井上由美子
  • 製作著作:WOWOW


取材・文=清水久美子 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメク365)

ハルメク365編集部

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