夜空を彩る夏の風物詩!

花火発祥の歴史や不思議! 種類や日本三大花火も紹介

公開日:2021.08.19

更新日:2021.08.19

夏の風物詩「花火大会」はいつから親しまれるようになったのでしょうか。花火の歴史を含め、誰もが抱く花火の不思議をご紹介します。

花火の歴史


花火には火薬が使われていますが、元をたどれば中国・秦の時代にシルクロードによって火薬が世界に伝わったのがきっかけです。日本に伝わったのは、16世紀・戦国時代。火薬を使う火縄銃とともに広まりました。


その頃の日本では、鉄砲の他、合戦の合図「のろし」として使われていた火薬。それが、江戸時代にようやく観賞用の花火として使われるようになりました。


 日本煙火協会資料によると、戦国時代には、武将・伊達政宗や徳川家康が花火を観賞したという記録があるそうです。


その後、江戸の大川端(東京・隅田川下流)周辺の諸大名に広まり、やがて庶民の間でもはやり、花火師や花火売りが誕生しました。


ところが、花火による火災が数多く発生……。そこで、幕府が花火の場所を隅田川下流のみに限定する策を講じました。とはいえ、一度人気に火のついた花火はなかなか沈下することなく、隅田川にかかる両国橋の架橋をきっかけに、その周辺が花火のメッカになりました。
 

花火大会の発祥

1700年代には、全国で凶作となった他、江戸で伝染病が大流行になり、大勢の人が亡くなってしまいました。そこで八代将軍・徳川吉宗が、悪疫退散祈願と犠牲者の供養のために行ったのが「水神祭」です。


水神祭は、隅田川の川開きに合わせて両国橋周辺で実施され、このときに上がった花火「両国川開き花火」が現在の「隅田川花火大会」のルーツとなりました。これを機に夏の恒例イベントになり、やがて全国でも花火大会が実施されるようになりました。
 

花火の仕組み

打ち上げ花火は、火薬によって、球体の「花火玉(はなびだま)」を上空に打ち上げます。
花火玉は、「星」(花火の元となる物)と言われる火薬が陳列され入っている半球体の容器を、頑丈な紙を貼り合わせた「玉皮(たまかわ)」で囲っています。


花火玉は、上空で星を飛び散らせるための火薬「割り薬(わりやく)」が中心に仕込まれています。ここから導火線を伝って玉皮を破壊して打ち上げ花火が上がる仕掛けになっています。

花火の種類

現在の花火大会は、さまざまな色が夜空を彩る夏の風物詩ですが、どんな種類があるのでしょうか。


打ち上げ花火は、大きく分けると、「割物(わりもの)」と「ポカ物」に分類されます。割物は、どこから見ても丸い代表的な花火です。さらに、上空で小さな花火が多数開く「小割物」もあります。


ポカ物は、上空で花火玉が二つに割れて星や仕掛けが飛び出す仕掛けで、形や色など多様な表現が可能です。

 

割物



菊花のように星が尾を引いたデザイン。花びらの先端の色が変化するものは「変化菊」と呼ぶ。


牡丹
菊のような尾を引くことなく、牡丹の花が咲き、より光が鮮やか。「ダイヤ」と呼ばれる、火薬にマグネシウムなどを使用した明るいものもある。


万華鏡
星が開くと同時に色がまとまってまるで万華鏡のような形が特徴。


冠(かむろ)
デザインが「おかっぱ頭」に見えることから付いた。比較的長い間星が燃えながら下に流れ落ち、地面直前で消える。
 
千輪(せんりん)
花火玉が割れるときに、詰めた小玉が一斉に開く小割物。複数の色の菊型の小玉を使用すれば「千輪菊」になる。


型物(かたもの)
キャラクターやハートなど、デザイン性のある花火で、球状以外の型もあり、見る方向によっては形が異なる。
 

ポカ物



柳の枝が垂れ下がるように光が落ちるのが特徴。落ちるときに色が変化する物もある。

飛遊星(ひゆうせい)
光が不規則な動きが特徴体な花火。


不規則に回転するのが特徴。その様子はハチが飛び回っているように見える。

花雷(はならい)
きな音と強い光を出すのが最大の特徴。多数の雷が一斉に開くものは「万雷」と呼ばれている。
 

花火は360度どこか見ても同じ

花火はどこから見ても同じなの?という疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

その答えは……花火玉が球体をしているため、花火は360度どこから見ても同じ形です! 球体が爆発して星が同じように飛び出します。


とはいえ、ハート形やキャラクター型の花火は、平らな形をしているため、限られた方向からしか本来の形が見えません。
 
 

花火の掛け声って?

夏になるとさまざまな地域で開催される花火大会。その会場でたびたび聞かれるのが、「た~まや~」や「か~ぎや~」といった掛け声です。これは、花火師として活躍した「玉屋」と「鍵屋」の屋号なんですよ。


花火大会のルーツは先述した通り、東京都の隅田川に上がった「両国川開き花火大会」(現在の隅田川花火大会)。当時活躍していた腕利きの花火師が「鍵屋六代目弥兵衛」です。その後、鍵屋がのれん分けをして当時の番頭「清七」が「玉屋市兵衛」として活躍することになったのです。


 こうして「鍵屋」と「玉屋」の二大花火師の競演が実現し、その時に声援を送ったことが、現在も続いている「た~まや~」や「か~ぎや~」の掛け声のルーツです。
 

日本三大花火 

国で開催される花火大会の中でも、日本を代表する「日本三大花火」を紹介します。
 

全国花火競技大会(大曲の花火)


秋田県大仙市(だいせんし)大曲(おおまがり)で開催される花火大会。毎年8月第4土曜日に開催されます。1910年から100年以上続く歴史と、全国から選ばれた一流の花火師だけが参加できる権威ある花火大会です。優秀作品には、内閣総理大臣賞などさまざまな栄誉ある賞が授与されます。
 
土浦全国花火競技大会(土浦の花火)


茨城県土浦市で毎年10月第1日曜日に開催されます。秋に開催される花火大会で、1925年から100年近く続く歴史があります。全国から約60の花火業者が参加する大規模な花火大会です。特に連発花火「スターマイン」は日本一といった声もあるほど!
 

長岡まつり大花火大会


新潟県長岡市の夏祭り「長岡まつり」の一環で開催されます。毎年8月1~3日の3日間に渡って信濃川を舞台に実施されます。他の2の花火大会と異なるのは、復興と平和への祈願が込められていることです。現在でも8月1日の夜には、白1色の「慰霊と平和への祈り」を意味する花火が打ち上げられています。
 
花火大会には、さまざまな歴史があり、願いが込められているものなど、その土地ならではの思いが詰まった花火大会もあるんですね。
 
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ハルメク365編集部

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