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- 山本ふみこさんエッセー通信講座第5回参加者の作品
随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。毎月1回、半年間でエッセーの書き方を学びます。第5回で参加者が取り組んだのは珍しい「100字エッセー」。その魅力を山本さんが紹介します。
山本ふみこさんのエッセー通信講座の参加者が書いた「100字エッセー」
参加者が書いた「100字エッセー」を1人1作ずつ紹介します。クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。
「100字エッセー」
山本ふみこさんのエッセー通信講座 第3期参加者のみなさんの作品
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
通信制エッセー講座の参加者が取り組んだ「100字エッセー」の魅力を、山本さんが紹介します。
100字エッセーとは?
100字というのは本当に短い文章のかたまりです。エッセーやコラムと呼ぶことができるかどうかもわからない、そんな文字数ですよね。
でも、100字という区切りの中でも何かができる。自分の言いたいこと、観察したこと、経験、それらを書くにあたり、100字だから何もかも入れられるわけではないという場所に立って創作するのがいいんじゃないかと思い、チャレンジに面白さを感じて数年前から試みを始めました。
そして今回、通信コースのみなさんともしたいと思いついたんです。みなさんの作品を読んで、本当に可能性の幅が広がるのを感じました。
せっかくですので、実際に参加者の作品を読んでいただきたいと思います。
スーパーのセルフレジ、支払いを終えると最後にレシートがぺろりと出てくるのに、きょうは出てこない。あれ、ランプが光っている。考え事をしていて、お札のお釣を機械から抜いていなかった。光るランプ、賢いなあ。(井野山ひなみさん)
誰もが経験していることだと思います。
スーパーのセルフレジには、最初は本当に驚きました。これをしたくないあまり、すべてセルフレジになったスーパーに行かなくなってしまったおばあさんの話を聞いたことがあります。こういう日常的だけれども決して小さくない世の中の変化を、こういうふうに捉えられるのは、一つの感性だと思います。
100字の面白さの一つは、日常への観察。あたたかいまなざしということです。100字エッセーの世界に引き込まれると、「これを書こう」ということを見つけようとする、採集していくことになると思います。
「子を捨てしわれに母の日喪のごとく」
瀬戸内寂聴の詠んだ句だ。心に正直に生きる姿に憧れる日も心離れる日もあったがこの句に触れ彼女の心の奥の母の哀しみ苦しみを思うと愛しい。彼女が人生を全うし旅立った(近藤陽子さん)
瀬戸内寂聴さんのことを自分でもいつか書きたいと思っているんですけれど、こんなに早く、こういう形で残して発信してくださったことがとてもうれしかったです。100字で書いてあるというところが、またよくて。100字でよくこれだけ書かれたなと思いつつ、反対に100字の制限がないと「瀬戸内寂聴論」みたいなことになってゆき、書き過ぎないではいられないので。1作目のテイストとはまた違い、100字エッセーの可能性は広いと思わせてくれた作品です。
秋の終わり、初雪が降る少し前のほんの数日間、儚 (はかな)い小さな虫がいっせいにあらわれ、ふわふわと雪のように舞う。この雪虫、どこから来てどこへ行くのかずっと不思議だった。アブラムシの一種だって。私のロマン消滅。(かわばたえつこさん)
私も、北海道の友達がいつも雪虫を初めて見た日を知らせてくれるんですが、そういう大事な季節感があるんです。これで十分でしょう。情報としても、雪虫に対する思いも。あとは読者の思うままにどうぞ、というところも100字にはあるかもしれません。もちろん、どんなものも読者がいるから、書き手と読み手の間の物語が書くということであると思うんだけど、100字エッセーは読者に任されている範囲が広い気がして、いろいろ思わせてくれました。
動画ではさらに、2つの作品を紹介し、山本さんが解説しています。ぜひご覧ください。
随筆家・山本ふみこさんのプロフィール
1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
現在、第4期の講座を開講中です。次回第5期の参加者の募集は、2022年6月に雑誌「ハルメク」6月号の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。
募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。
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