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- 青木奈緖さんのエッセー通信講座第1回参加者の3作品
「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。毎月1回、半年間の講座が新たにスタートしました(第3期)。参加者が書いた作品から、青木さんが選んだ3つのエッセーを紹介します。
青木奈緖さんが選んだ3つのエッセー
「青木奈緖さんのエッセー講座」参加者による家族のエッセーです。クリックすると、作品と青木奈緖さんの講評をお読みいただけます。
「山高帽」安達じゅんこさん
先日散歩をしていて帽子の話になった。そして思い出した。私の父の……
「父の優先順位」加藤博子さん
明け方、名前を呼ばれた気がして目が覚めた。付添い用の簡易ベッド……
「胡桃のひみつ」暉納津美さん
今年の夏は蝉が多いような。思い返すと、青空に湧く入道雲を眺めた……
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
通信制エッセー講座の参加者から届いた質問やお便りに、青木奈緖さんが動画で回答します。
質問(1)「文字数が多くなってしまったら、どうすればよいですか?」
青木さん:私の講座では「800字から1000字」という目安を決めていますけれど、超えてしまっても詰め込もうとしてカットしたりせず、そのままお送りください。
実は、800字という字数は、私たち書いている人間にとっても短くて難しいです。おそらくみなさんは、1000字を目標に書くと、1200字くらいになるのではないかというのがこちらの予想です。そして1200字くらいが短いエッセーとしては書きやすい文字数です。
質問(2)「まもなく88歳を迎える私は、夫も他界し子どももいません。居住者50名のケアハウスで楽しく暮らしていますが、心の家族と言えるでしょうか?」
青木さん:もちろん、心の家族と表現して良いと思います。ご質問は、このエッセー講座のテーマでもある「家族」というのは何をもって言うのか、どの範囲までが家族かという問いなんだと思います。
それは、書き手が「これが私の家族」と思ったら、それでもうその方にとっての家族と解釈できると思いますし、その範囲はなるべく広げた方が面白くて、読んだ人にも「ああ、こんな家族もあるんだ」と新たな気付きも生まれると思うんです。
これまでにも、血縁でない方のことを書いている方は幾人もいらっしゃいますし、ペットのことを書いてくださる方もいらっしゃいます。
質問(3)「書いているうちにいろいろ思い出されて、書き過ぎたように思います。一つのことを詳しく取り上げた方が良いのでしょうか?」
青木さん:「書くときに総論でいくか、各論でいくか」という問題です。
この講座では1回の作品の文字数に制限があるので、総論、つまりその方の生い立ちから亡くなるまでの人生全部を3枚程度の原稿用紙に収めようとすると無理が生じやすいです。
そのときに覚えておいていただきたいのは「エッセーは略歴(プロフィール)ではない」ということなんです。各論、例えば印象深い場面であったり、何か心に残っていること、家族が遺したものから、これを書こうと思って書き始める方が、この講座の枚数に適しているし、書きやすいと思います。
そして、ご質問の中に「書いているうちにいろんなことが思い出された」とありますが、これは書くことのとっても良い面だと思うんです。書かなかったら、おそらくもう思い出すこともなく、記憶から抜けていってしまったかもしれないことを「そういえばこんなことがあったな」と書くうちに思い出すことは確かにあるんです。
家族の記憶をアップデートして、常にフレッシュに保つことは、とても意味のあることだと私は思います。
「これまでの参加者の方も、書いていく中で悩んだことがあるみたいですけれど、6回なさる間に見違えるほど上手になられますので、楽しみに講座を続けていただければと思います」と青木さん。
動画では、より詳しいお話を青木さん本人の言葉で聞くことができます。また、参加者のエッセーを紹介するコーナーでは、夏の思い出を詩のように切り取った作品「胡桃のひみつ」(暉納津美さん作)を、青木さんの朗読で紹介しています。ぜひご覧ください。
エッセイスト・青木奈緖さんのプロフィール
1963(昭和38)年、東京生まれ。文豪・幸田露伴を曽祖父に、作家・幸田文を祖母に、随筆家・青木玉を母に持ち、自身もエッセイストとして活躍。著書に『幸田家のきもの』(講談社刊)、『幸田家のことば』(小学館刊)他。
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。
書いていて疑問に思ったことやお便りを作品と一緒に送り、選ばれると、青木さんが動画で回答してくれるという仕掛け。講座の受講期間は半年間。
第3期の募集は終了しました。次回第4期の参加者の募集は、2022年1月に雑誌「ハルメク」の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。
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