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- 50代からの女性の生活は新型コロナで何が変わった?
雑誌「ハルメク」のシンクタンク・生きかた上手研究所の所長・梅津順江がミドル~シニア世代のトレンドを読み解きます。今回は新型コロナウイルスによる生活の変化を、読者520人にアンケート。先が見えない非常事態がもたらした影響とは?
50代以上の女性の約8割がコロナに不安を感じている
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、生きかた上手研究所では2020年3月17日~20日、50~85歳の女性520名に「コロナ事象がシニア女性に与えた意識や行動の変化・影響を探る調査」を実施しました。
3月第3週というと、まだ「東京オリンピック開催延期が発表になる前」「首都圏の外出自粛宣言がなされる前」です。コロナ感染に関するニュースは一日に何度も速報が出され、日ごとに情報が更新されています。そのため、この記事が届けられる頃には少し古い情報に感じられるかもしれませんが、ご容赦ください。
まず「現在、新型コロナウイルスに関して、不安を感じていますか?」と質問したところ、「不安である」が183人(35.2%)、「まあ不安である」が232人(44.6%)という結果でした。50代以上の女性の約8割がコロナに不安を感じているといえます。
では、何を不安に思っているのでしょうか?
不安の内容(複数回答)は、「いつ流行が落ち着くのかわからない」が421人(88.8%)、「ワクチンや特効薬がまだない」が334人(70.5%)でした。不確実な未来に対する不安が大きいことが明らかになりました。
困ったことの第1位が「運動不足による免疫力や抵抗力の低下」
「この状況の中、感じているストレスや困りごとは何ですか? 」
ストレスや困りごとがあると回答した403人中145人(36%)が「運動不足で免疫力や抵抗力が落ちていると感じる」、「病院に行きにくくなった」が136人(33.7%)と、健康不安からくるストレスや気疲れ、悩みがトップを占めました。
コロナ騒動の前から、この世代は「免疫力をつけたい」という意識があることは分かっていましたが、この状況下においても、目の前の「備蓄」「生活環境の変化への悩み」よりも、「免疫力の低下」が高い結果となりました。
感染予防として「免疫力をさらに高めておきたい」という意識がこれまで以上に高まっているようです。
「免疫力アップ」をはじめ、自己防衛意識が高まっている
「この状況の中、あなたが心がけていることは何ですか?」
第1位は「情報に踊らされないようにする」で520人中358人(68.8%)でしたが、2位以下は自己防衛意識の高まりがわかる結果となりました。
2位:免疫力を上げる(337人、64.8%)、3位:手すり、つり革、エレベーターのボタンなど不特定多数の人が触るものには直接指を触れないようにする(279人、53.7%)、4位:体力をつける(256人、49.2%)、部屋の換気をする(256人、49.2%)、6位:極力外出をしない(250人、48.1%)でした。
「できるだけ備蓄をする」は81人(15.6%)にとどまり、上位には来ませんでした。
免疫力を上げるためにしていることとして目立ったのは、「睡眠」「食事」「運動」でした。ここに書ききれないほど、多くの予防策や工夫が挙がりました。「今まで以上に免疫力を上げるため、栄養バランスを意識した献立を考えている」という意見に代表されるように、自炊意欲の高まりも見られます。
「マヌカハニー」「プロポリス」「アミノ酸」「ビタミン・ミネラル」「大豆イソフラボン」「黒にんにく」「オメガ3」「酵素」などの健康補助食品やサプリメントも挙がり、「高額のサプリメントを再開した」というコメントもみられました。弊社の通販でも、コロナ騒動後、今まで以上に「マヌカハニー」が売れています。
「情報」にも敏感に。デジタルリテラシーもアップ?
「コロナ前と比べて頻度が増えたことは何か?」
1位が「スマホやPC、TVの閲覧・視聴」で、2位が「紙の新聞・雑誌・本を読むこと」でした。
コロナきっかけで、情報に敏感になっています。また、リアルな交流や行動が制限されている今、受動的な情報だけでなく、自らネットの情報を能動的に取りに行く様子がうかがます。
ハルメク生きかた上手研究所では、2月に「対面の座談会」をすべて中止、3月から「オンライン座談会」を始めています。このオンラインを使った座談会への参加希望者が想定以上で驚いています。「初めてだけど楽しそう」「外出できないから、こういったことも覚えていかないと……」というのが応募動機。
今回のことをきっかけに、「当該世代のデジタルリテラシーがもう一段上がる」という予兆が見えています。
新型コロナウイルスが終息した後は、どうなる?
これまでなかなか起こりにくかった、ハルメク世代のライフスタイルの変化。しかし、新型コロナウイルスをきっかけに、当該世代にもじんわりとライフシフトが訪れるとみています。
もちろん終息を迎えた後は、「節約疲れ」「自粛疲れ」の反動で、外出意識や買い物欲求が高まるでしょう。しかし、便利と思ったことや効率化したこと、自分を守ってくれたことはコロナ前に戻ることはありません。
具体的には、「デジタル化」「時間の使い方や工夫」「免疫力を高め続ける意識」が定着するのではないかと予測しています。
生きかた上手研究所では、コロナの影響で「定着すること」、逆に「戻ること」の両方の視点を持って、定点観測を続けてまいります。
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