エッセーの疑問・お悩みに答えます

山本ふみこさんのエッセー講座 第7期#1

公開日:2023.10.25

随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座 第7期が始まりました。「エッセーを書くうえで大切な姿勢」と、参加者の作品から山本さんが選んだ4本のエッセーをお楽しみください。

山本ふみこさんのエッセー講座 第7期#1
山本ふみこさんのエッセー講座 第7期#1

音声番組にリニューアルしました!

随筆家の山本ふみこさんから半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座。第7期は日本各地から応募した40名が参加しています。

ハルメクでは毎月1回、山本さんが参加者の質問に回答する番組を制作。前回まで動画でお届けしておりましたが、今回からラジオのような「音声番組」にリニューアルしました!
エッセーの書き方を教わりながら、ちょっとした豆知識やおすすめの本、山本家の最近のできごとなどなど……自由なテーマでお話しいただきます。

また、今回から番組タイトルがつきました。その名も「コトコトラジオ」
山本先生こだわりのタイトル、その由来については番組本編で!

家事やお仕事、ご移動中など、お耳で気楽にお楽しみください。

コトコトラジオ 第1回「エッセーを書くうえで大切な姿勢」

番組でご紹介した、山本さんの公式ブログはこちら
「ふみ虫、泣き虫、本の虫。」
http://fumimushi.cocolog-nifty.com/fumimushi/

エッセーを書くときは「機嫌よく」そして「ていねいに」

番組内で山本さんにお話しいただいた「エッセーを書くうえで大切なこと」について、一部抜粋してお届けします。

山本ふみこさん:「機嫌よく書く」というのは、「気楽にのんきなことを書きましょう」という勧めではありません。
ときに難しいテーマに挑戦したり、長く自分のなかで温めてきた考えを綴ったり…そんなときこそ、心穏やかに冷静に、少し柔らかい気持ちで作品に向かいましょう。

原稿は手書きでもパソコンでも、縦書きでも横書きでもかまいません。
ただ、ていねいに書きましょう。句読点やかぎかっこなどは、はっきりと書きましょう。

話し言葉だと語尾がぼやけて消えそうになっていても伝わるものですが、文章はそういうわけにはいかないもの。
ここに点を打とう、ここで丸をつけよう。ここはかぎかっこに入れて会話風にしよう、と決めて書くといいですね。

作品書き終わったら、ぜひ音読を!

山本ふみこさん:皆さんからいただいた作品に、青ペンでコメントを入れています。「こういう書き方、こういうやりかたもありますよ」という、私からのメッセージです。
「どうしてここに青ペンが入っているの?」と疑問に思われるときは、どうぞ音読をしてみてください。リズムや流れを整える意味で、青ペンを入れることがあります。

やはり音で聞いても美しい、わかりやすい、心に届く文章を書きたいものですよね。ですから、書き終わったら一度、音読をして確かめてみることをおすすめします。

難しい漢字は「ひらがな」に、わかりづらい言葉には「註」を

山本ふみこさん:漢字が多いと作品が黒っぽくなります。そんなに難しいことは書いていないのに、なんだか読みづらい文章になってしまう。
ですから文章を書くときには、「これは漢字ではなく、ひらがなの方がいい」と判断する神経も持っていただけたらよいと思うのです。

ちなみに、漢字をひらがなにすることを「開く」と言います。「ここは開いた方がいいな」という言葉の横には黄緑の丸をつけていますから、どうぞ参考になさってください。

読者に印象づけるために、わざと難しい漢字をいかすという手もあります。そういうときはぜひ、ルビ(ふりがな)をふってください。
パソコンで原稿をつくるときはプリントアウトしてから手書きでルビをつけてくださってもいいですし、言葉のうしろにかっこをつけて(ルビ:●●)と入れてくださるのでもかまいません。

ルビ以外にも、言葉を別の場所で説明する「註」という方法もあります。
一つひとつの言葉について説明していると、どんどん行数がかさんでしまって、作品が先に進まないということもありますでしょう?
そういうときは、文中では「註」として、作品の最後に説明をお書きくださいね。

参加者からの質問「書くことが思い浮かばない」

番組では、参加者の皆さまから寄せられた質問やお悩みにお答えしています。

今回は「いざ机に向かったはいいけれど、何を書けばいいのか思い浮かばない!」「エッセーというより、日記のようになってしまいました」の2本。

山本さんに言わせれば「書くことが思いつかないうちに机に向かうことは、食材を持たずに厨房に立つことと同じ」……その心は? 続きはぜひ、番組本編をお聞きください。

山本さんおすすめの一冊

『長い冬』ローラ・インガルス・ワイルダー 著/谷口由美子 訳(岩波少年文庫)

山本ふみこさん:人気テレビドラマ『大草原の小さな家』。その原作『小さな家』シリーズの第6巻にあたる本作。

インガルス一家が過ごす、厳しい冬の物語です。

半年以上猛吹雪が続き、食べるものも少なくなり、物資を運ぶ鉄道も止まってしまいます。
それでも家の中では楽しいおしゃべりがあり、とうさんの弾くバイオリンとみんなの歌があり。
どんなに辛いときでも、「このような心がけは可能なんだな」という気持ちにさせられる。厳しくはあるけれど、とても励まされる、温かい物語です。

そしてここが、皆さんにちょっとお伝えしたいポイントなんですが…。
ローラ・インガルス・ワイルダーがこの『小さな家』シリーズ書き始めたのは、なんと65歳になってからのこと。

「いくつになってもなんでもできる」「新しくなにかを始めることができる」そんな気持ちになりませんか?

山本ふみこさんが選んだ4つのエッセー

クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。第7期第1回で取り組んだエッセーのテーマは「昨日」です。

「ノミの余韻」北谷利花さん
昨日の朝、床をピョンと飛びあがる……

「日記に話す」栞子さん
絵日記が苦手だった。小学生の夏休み、宿題には……

「迂回路」徳井真理さん
昼食に軽めのパスタを食べて、日課の散歩に……

「小さなお庭」橋本桂子さん
昨日、やっと、8畳ほどの庭の雑草取りを……

お便りお待ちしています!

山本さんへのお便りをお待ちしています! この記事の下にある「コメントを書く」よりお送りください。

随筆家・山本ふみこさんのプロフィール

「エッセーの書き方講座」講師の山本ふみこさんとは?

1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/

ハルメクの通信制エッセー講座とは?

全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。

募集については、2024年1月頃、雑誌「ハルメク」誌上とハルメク365イベント予約サイトのページでご案内予定です。

エッセー作品一覧

ハルメク旅と講座

ハルメクならではのオリジナルイベントを企画・運営している部署、文化事業課。スタッフが日々面白いイベント作りのために奔走しています。人気イベント「あなたと歌うコンサート」や「たてもの散歩」など、年に約200本のイベントを開催。皆さんと会ってお話できるのを楽しみにしています♪

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事